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お茶道具、いろいろ
日本茶の愉しみ

 もともと、嗜好品は大好きで、台湾茶に凝る素地は充分にあったといえようか。

 コーヒーなどは大好きで、日に何杯も淹れて飲む。一番好きな産地というか銘柄は「グァテマラ」で、これを中炒りの焙煎で仕上げたものなどは、いつ飲んでもいいなと思う。

 コーヒーに関して考えてみると、それは私にとっては気分の「切り替えスイッチ」であって、たとえば出勤前、始業前、作業を別の内容へ切り替える場合、などの句読点となっているように思う。飲むことがリラックスに繋がるということではなく、仕事にまつわる「切り替え準備」の働きを持っていると思える。

 出勤前にはコーヒーを淹れて飲むのだが、実は帰宅後に飲むことは極めて少ないといえる。そういえば、休日でも日曜の朝くらいしか飲まないが、むしろ休日の朝というのが例外であって、これは子供の頃からの習慣によるのだろう。
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 帰宅後や休日の<寛ぎ>の中で飲む物は、アルコールを別格とすればコーヒーよりも「お茶」だろうか。

 母がお茶好きなために、子供のころから一緒になってお茶を飲んでいた。たとえば、食事の際に水を飲むようになったのは、自腹で外食をするようになってからで、それでもお店にお茶があれば水ではなくお茶にする。我が家の子供は食事の際にも水を飲む事が多いのだが、それが一般的なことなのではなかろうか。しかし、薄れつつある記憶のひだを探って子供のころの私に関して思い起こしてみれば、滅多に水を飲んだ記憶が無く、もっぱらお茶ばかりを飲んでいた様に思う。

 最近になって馴染みがでた台湾茶や、昔なじみの紅茶もそうなのだが、そうしたわけで寛いだ日常の中で飲む、日本茶も大好きなものだ。

 日本茶の銘柄としては、鹿児島(鹿児島県溝辺町)、藤枝(静岡県藤枝市)(2006.06.02 「藤枝にて」)、地元の「狭山(さやま)茶」などが好きで、親しみをもてる産地といえる。勿論、鎌倉時代からの歴史を背負う宇治茶や、やぶきたなどの静岡茶も好きだが、鹿児島の爽やかな甘みや藤枝の濃厚なコクが気に入っている。

携帯用のセット 台湾茶はその携帯性がいい。

携帯用の茶器のセットを一つ揃えて持っている。

蓋碗(がいわん)と呼ぶ、ふた付きの茶碗ならお茶を淹れることも、そのまま飲む事もできるし、小さな茶杯(ちゃはい)も用意すれば、
スタッキングして小さくまとめることができる。


家でも、フィールドでも、愉しむことができるだろう。
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 たとえば、台湾でめぐり合った「凍頂烏龍」という薫り高いお茶がある。

 日本のお茶のように蒸しただけではなく、紅茶のように茶葉自体の発酵を進めたものだ。ただし、完全な発酵状態ではなく、その途上で制御して発酵を停める。半発酵のお茶と呼ぶのは、そのためだ。日本茶のような蒸素工程が主になる「緑茶」に対して製法の違いから「青茶」と呼ぶ。ちなみに完全発酵状態の茶葉に関してはご存知通りで、かの地では「紅茶」と呼ばれている。

 この台湾茶を愉しむのは、家の中だけに留めて置くのではもったいない。甘い芳醇な香りとまろやかなのど越しは、屋外で飲んでも爽やかな雰囲気がある。初夏の新緑溢れる森などをその舞台とすると絶好の雰囲気が出るのだ。

 屋外での散歩やハイキングの際にゆったりとお茶を淹れて、落ちついたひと時を愉しむには一応の道具が必要だ。このため、台湾茶をおいしく淹れるための携帯用の茶器をネットショップで探して購入した。小型で携帯性がいいため、幾度となく持ち出して外でお茶を飲んでいる。コンパクトに取り纏めが出来る道具で、茶海、茶壷、茶杯の3種類からなる。

 台湾茶では「聞香杯(もんこうはい)」という縦長の茶杯があり、これがあるとさらに香りを愉しむことが出来るのだが、形状的にはスタッキングできない性質のものなので携帯はちょっと無理になる。茶壷は日本茶の急須と同形状のものだが、ずっと小型化されている。これもやはり形状の特性からスタッキングには適さない。このため、携帯時には、蓋碗を利用する。

携帯用のセット
携帯用の茶器セット

蓋碗(がいわん;ふた付き茶碗)、茶海(ちゃかい;お茶の攪拌用マグ)、
茶杯(ちゃはい)
携帯用バーナーセット
携帯用バーナーセット
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 道具をコンパクトにまとめて携帯し、屋外で存分にお茶を愉しむ、そうしたことが日本茶でできないものだろうか。

 そう考えていて気が付いたのは、日本茶の持つ伝統文化のことだった。改めて考えるまでも無い。そうか、日本には「野点(のだて)」というお茶の作法があったのだ、と。

 なにも、緋毛氈や、縁台や、和傘が無くてもよいではないか。そう、お釜などの設えは勿論不要。大振りの茶碗と茶筅さえあれば、それで抹茶は淹れられる。そう考えれば、なぜ今までそうした取り組みをしなかったのかがむしろ不思議に思われる。

 あえて構えずに、コーヒーを淹れるように、そして台湾茶を淹れるように、とらわれることなく気軽に戸外で日本茶を愉しめばよかったのだ。

 先の台湾茶用の蓋碗は抽出器なので、勿論日本茶も淹れられる。中国茶には「緑茶」のカテゴリーがあり、日本茶よりも多品種の緑茶が存在している。私の知っている大陸の東北部出身の人達にすると、「お茶」といえば緑茶のことで、紅茶色した福建省産の烏龍茶や台湾の青茶は飲んだことが無い、といっていた。そしてそのときの道具が、蓋碗なのだという。

 だから雰囲気に慣れる必要があるのだが、普通の日本茶を愉しむには先の台湾茶の携帯セットで道具立ては足りる、といえよう。

茶器のセット
茶器のセット
茶器のセット

小型なのだが、携帯性は考えてはいない。
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抹茶(携帯性も考慮されている) 抹茶の容器

防湿対策と思われる。
金属製の小型の容器に入れられている。

あたかもた、メーカ側も携帯性を考えているようだ。

正式な茶席では容器からナツメに入れ替えるのだから、その小分け状態で持ち出しても良いかもしれない。

しかし「ナツメ」のふたは密閉仕様ではないので、それが課題となろうし、漆で美しく仕上げられた工芸品を屋外に持ち出すのは、すこし気がひける。

 まず、茶葉の種類だが、屋外での喫茶を目標とした場合には、やはり木陰や景色の良い開けた場所で「抹茶などを一服」と洒落込みたい。

 普通のお茶でもいいのだが、ほんのりと渋みがあり、後に緩やかに甘みが来るといった複雑な味わいのあるあの味が、屋外でのひと時には似合うように思うのだ。

 抹茶は、葉の形状ではないために湿気を吸収しやすい。香りが飛ぶのを避ける意味もあろうが、防湿のためだろう。大体が、コンパクトな金属の容器にごく少量が入れられている。このまま、携帯する際の容器として充分に利用できる。携帯時には、内容全てを持っていっても、と考えるが、粉体の重さは全量でも4・50グラムとたいしたものではないので、そのまま持ち出しても苦にならない。
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抹茶(携帯性も考慮されている) 抹茶(携帯性も考慮されている) 

 私は正式な茶道の知識が無いが、幸いにも茶筅やナツメなどの一通りの道具くらいは一応知っている。

 屋外の爽やかな空気とともに抹茶を飲みたくて、お茶屋さんへ出かけていった。茶筅を物色したのだが、これが案外高価なので驚いた。工芸品に準じたものなのだろうと思う。造りが良くて使い安すそうだと素人目でも思われるものを買おうと思うと、覚悟を決めて張り込む必要がある。

 多少の迷いはあったが、結局、自宅用ともうひとつ、野点(のだて)用の小振りな物を手に入れた。

 これで、シェラカップなどを利用して平茶碗の代わりにすれば、野点用の茶筅さえ忍ばせておけば、どこでも抹茶を愉しめる事になる。
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福袋の茶葉 福袋の茶葉

 茶葉は種類が多く、色々試してみて気に入ったものを見つけていく楽しさがある。中国茶ほど多種になると際限が無くなって、とても手に負える状態ではなくなってしまうが、日本茶であれば、分類はまだ少ないので、その中で変化を見つけていけばよかろと思うのだ。

 一度、気に入るとなかなかその品種ばかりを購入してしまうので、今年は思い切って福袋を購入してみた。緑茶のセットで、内容は判らないが、そのまま単品で買えば倍以上の価格になるのでおすすめ、と店頭で謳われていたものだ。お茶は完全な嗜好品なので、内容不明ではどうかと思ったのだが、結局買ってみることにした。

 この店は多様なお茶を扱っていて、それこそ覚えきれないほどの種類をストックしているのだが、さらにオリジナルでブレンドした商品も扱っている。普段も『福茶』や「ブレンド茶」は数種類があるのだが、正月だと「春ぽろぽろ」などの名称がついた縁起のいい福茶がある。今回の福袋では、銘柄が何かは判らないが傾向だけはクラシックの日本茶として保障されているということだ。

 この店オリジナルではない、産地と製法が明記された昔ながらの緑茶がセットされているということだが、帰宅後に開けてみると、まんざらハズレでもなさそうな内容だったので、安心した。お茶の福袋とは、ちょっと面白い試みだ。こうして、未知の品種に触れていって出会いの間口を広げて、次第に好みを増やせばいい訳だ。

 先の台湾の「青茶」に関してはまだ初心者の域を出ないのだが、幾つかの産地によるお茶の種類を常時揃えている。それを気分によって使い分けたり、春茶・冬茶と言うように同じ種類でも収穫した季節によって異なる味や香りを自分なりに楽しでいる。

 日本茶であっても、台湾茶同様に数種類を用意してそれを気分で切り替えれば、リラックスのモードを強化出来るのではないか。そうして、ゆったりした気分に存分に沁み込めるのでは、と思うのだ。

福袋の茶葉 福袋の茶葉
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「急須」のスライドショー   <急須>

  お茶の道具

  急須は瀬戸などの磁器が多いが、
  陶器のものも味がある

 さて、そうしたお茶を自宅で愉しむための道具、<急須>について触れておこう。

 茶葉は産地によって種類があるが、味と香りがそれぞれ微妙に異なっている。

 その茶葉にはそれぞれの性質があるので、淹れる温度も様々なものになる。台湾の青茶などは95度を基本とするので、「茶壷」で1分ほど淹れたお茶を全て出し切って、「茶海」という別の容器に入れなおして抽出したお茶を攪拌して均等にする。茶海はそのための道具だが、日本茶にも茶海のような容器がある。「湯冷まし」がそれで、こちらはお湯を適温で「急須」に入れるため、沸騰したお湯を冷ますための道具だ。

 さて、茶葉を抽出するための急須だが、これは台湾茶も日本茶も同様な形状を持っている。注ぎ口と取っ手の二本が、球体から突き出た形状が基本だ。特色としては、台湾茶の茶壷は持ち手が輪になっている事とそれが注ぎ口の反対側に付けられているということ。それに対して、われらが急須では持ち手は横手であって、注ぎ口に90度の角度で付き、しかも輪ではなく棒状になっている。

 注ぐという行為から考えると、台湾茶や紅茶のポットのように、輪状の持ち手で注ぎ口に正対していた方が扱い安い。立って動作してみれば、それが良くわかる。ところが、座ったままの状態で、茶碗に注ぐという所作をしてみると、横手に付いた棒状のものを扱う方が、その動作が柔らかくて、よほど美しいものになる。

 先人達は、そうした、座って淹れるという日常的な動作までも考えて道具を設えたのだ、

 茶の湯は、武家から庶民へ広まって、早い時期から文化的に熟成した。利休や織部などから考えれば、すでに400年を越える歴史を誇る。立ち居振る舞いを含めた、もてなしの全ての動作に無駄が無い。しかも一連の動作が途切れることなく、流麗に連なっている。  急須というのは多分庶民発想のお茶道具なのだろうが、それに関しても本道の茶の湯に劣らずに生活の中で美しい所作が出来る用に素晴しい工夫がされている。茶道の文化的な要素が背景となったのかどうかは判らないが・・・。

 お茶は中国から伝来し、その用具も伝わったはずだが、われらが急須のルーツは、いったいどこにあるのだろう。
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