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カメラ : 35mm コンパクト
オリンパス

カメラ; オリンパス
 <PEN EED>、 <35UC>、 <Mju:>


 オリンパスとの付き合いは、実は一番愛用しているぺンタックス以上に長い。

 初めての自分専用のカメラが、オリンパスの<35UC>だった。中学生の修学旅行で訪れる富士山の写真を是非撮りたくて、父親にねだって買ってもらったものだ。

 我が家では写真に興味のある人間はいなくて、使おうとしているのは私しかいない。だから自由気ままにどんな機種を選んでもよかった。そして、私は近所に新しく出来たカメラ屋さんに何日か通ってそのカメラを選んだのだ。

 以来、今日に至るまでの30数年、コンパクトカメラは信頼の置けるオリンパスを買うことが多かった。紹介写真は用意しなかったが、OZシリーズやミューシリーズのズーム・コンパクトカメラ(買い込んだズームレンズの着いたコンパクトカメラはすべてオリンパス製)も数機種利用していた。旅カメラだが、今ではすっかりデジタルにその位置を譲ってしまっている。
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Pen EED

<PEN EED>

 オリンパスが発売した歴代のコンパクトカメラのうちでは、単焦点レンズもズームレンズもどちらも数台持っているが、私が持っている中で一番古いコンパクトカメラが<PEN EED>だ。このカメラは1967年の発売で、私が小学生となった時分の製品だ。

 勿論、発売時に新品で購入した訳ではなく、発売後大分、およそ四半世紀以上経ってから中古で購入したものなので、他のコンパクトカメラとはちょっと別格だ。

 「ハーフサイズ」のカメラが欲しくて買ったのだが、購入後に念のためメーカーでオーバー・ホールしてもらっている。<ズームの時代>はまだ来ていなかったので、このカメラに付いているのは単焦点、広角32mmの「F.ZUIKO」レンズだ。開放F値はF1.7(露出はプログラムAE対応)でかなり明るい。このレンズによって室内でもそのままの自然光で撮影でき、シャッターも早く切れるので手振れも少なくなる。

 私は大変気に入っているのだが、<PENシリーズ>らしからぬ、とファンの間の評判はいまひとつだ。

 ファインダー像はクリアーだ。通常撮影用のフレーム枠があるだけで二重像合致式のピントはない。このカメラのピントは目測式で、レンズ枠の黒い部分を定点位置にクリックして設定する。

Pen EED

 合致式でのピント合わせがフレーム像内に無いので、ピント位置の設定を忘れがちだ。セットを忘れるとピンボケ写真を大量に作成してしまう。しかもハーフサイズなので普通の撮影量の2倍だ。

 この時代、ピントが合っているかどうかは立派な「撮影技術」の一つとして数えられていた。その後、技術を機械側でカバーすべく開発されていくのが、著しい発展を遂げるオートフォーカスの仕組みと、歪の少ない明るいレンズの装着、だ。さらに、早いシャッタースピードが切れ、しかも鮮明なプリントが可能な高感度・微粒子のネガフィルム(ASA400;当時の感度単位はISOではない)の開発もある。こうした業界全体の相乗的な技術革新によって、コンパクトカメラの世界で長く続いた「ボケ問題」は解決されていく。


 中年世代となった最近の私にとって、この「目測式のピントシステム」は二重の意味での「ボケ防止装置」なのだ。
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<ハーフサイズ(35mmフィルムフォーマット)>

 ちなみに「ハーフサイズ」とは、35mmフィルム一枚分を半分にして2枚分の縦構図とするフォーマットだ。

 そのためxx枚撮りという通常の35mmフィルムが2倍の撮り数として利用できるのだ。当時はフィルム(特にカラー)などは結構高価な製品で、現在のような価格では流通していなかった。今店頭のワゴンに並んでいるような何本かがセットされたパッケージなどは、実は思いもよらないものであった。
 
 当時のフィルムを買う感じを今の買い物の感覚に置き換えるとすれば、どんな風になるだろう。それは、たとえば、観光地にある売店や土産物屋さんで売っている乾電池やフィルムのバラ売りを買う時の気分に似ているかも知れない。

 今では余り味わえないが、買い物での躊躇感があったのだ。「コレを買う分でアレが買える」という他のモノとの値段の比較感覚というような差し迫った「選択の感じ」だろうか。  フィルムを買うという行為の中では「高い買い物だけど、しょうがないか・・・」という決断が必要だったのだ。


 今流通しているように「セットでの廉買」であれば、感じとしてはトイレットペーパーややティッシュペーパーを買うときのように一種の生活必需品(というか消耗品)を買う際に似ていて、躊躇することは無い。

 しかし、当時、フィルムを買うという場面では、感覚的には先に書いたような心境、あるいは小さな「決意」があったのだ。  たった1本のフィルムの値段でな大好きな「カツ丼」が余裕で食べられたのだ。だからフィルムを買う際には、元を取ってやる的な決意、そう、「よし、いい写真を撮るぞ」といった密かな決意があった。

 そういう状態の一般庶民にとっては、<通常のフィルムが2倍に撮れる>というのは魔法のようで、とても素晴らしいことだったのだ。60年代の半ば当時は、各社から、ハーフサイズのコンパクトなカメラが競うように発売されていた。

 「高度成長期」に入って順調に経済が発展し、社会が豊かになっていくのは、もう少しあと。そうした豊かになっていく社会背景の中で、ハーフではなく「フルサイズ」のコンパクトへと移っていって、次第にこのフォーマットは廃れてしまった。

 考えられる背景としては、その後、大量消費の時代(使い捨て)へと向かっていく。大量消費を支えるためには低価格でサービスを提供する必要がある。写真業界を考えれば、手焼きプリントの世界ではなく機械による全自動化によって、ラボでのプリントをコストダウンする必要があったはずだ。そのため、均一なフォーマット(35mmフルサイズ)でないとプリントシステムの対応が機械的に面倒だったのではないだろうか。
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35UC

<35UC>

 次に古いカメラが<35UC>で、これは私にとっての「大切な記念品」なので、数年前にやはり須田町のセンターに持ち込んだ。メーカーでの正式なオーバーホールをお願いした。(2000年位のことだったと思う)

 このカメラにはクリアーな準標準レンズが付いている。今でも、なんの問題も無く、実に鮮明な画像が撮れる。そのうちに、フィルムスキャナーで読み取って、このカメラで撮影した写真をUPしたいと思っている。


 中学の修学旅行を直前に控えて少し浮ついた気分でいた頃のことだ。<35UC>を選ぶ際、先に書いた近所のカメラ店では、多分、開店セールの目玉商品的な扱いだったのだと思うが、同じ値段でペトリの一眼レフ(機種名は残念ながら記憶に無い)が標準レンズ付きで買えた。そのときには大分迷ったが、なんだか一眼レフでは難しそうで、結局こちらにしたのだ。
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35UC

 このカメラにはF1.7の明るい「G.ZUIKO」42mmレンズが付いていた。今思えば、コンパクトというには、随分大きなボディを持っているが、当時、ショーウインドウに並んだ、いろいろなカメラの中ではそれほどの大きさとは感じなかった記憶がある。

 このカメラでの露出は、完全なプログラムAEのほかにマニュアルでのプラグラムAEシフト設定ができた。

 ファインダーに表示されるEV値を読んで露出係数(EV値)をレンズ部分の鏡筒に開いた窓に設定してから、シャッタースピード環と絞り環をセットしたEV値が変わらない範囲で任意の組み合わせでセットする、全手動プログラムAEシフト的な構造を持っていた。

 メーカーでは、この仕組みを何て呼んでいたのだろう?
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35UC の プログラムAE設定(Aモード) 35UC の マニュアル(EV値:13でシフト中)

<全手動プログラムAE>

 「EV係数」が同じとなる両者の組み合わせが何通りかあり、つまりそれがカメラの用意した「プログラムライン」なのだ。だから任意のシャッター速度や、開いた絞り値を優先するなど、絞り優先やシャッター速度優先的に決められた露出ライン上をシフトさせることが出来る。

 下に掲載したのがその設定の写真だ。写真右がA位置にセットしプログラムAEで撮る場合、あとは一番ボディ側のリングでピントを合わせればよい。左はシャッタースピード優先。1/500に速度を決めて、ファインダー内に表示されたEV係数の「13」が出るまで絞りリングをまわしてセットしたところ。絞り値はf4となった。絞り優先とするには、この逆で先に絞りリングをセットして、小窓に係数が出るようにシャッターリングを調整すればよい。

 現在の電子制御された自動プログラムAEが、このカメラでは「計算尺」のように<手動>で実現する仕組みなのだ。

 通常は平均測光だが、ファインダーの横にはスポット測光用の小さなボタンが付いている。ここぞ、という場合には精度の高いスポット測光が利用できたのも、このカメラの優秀な特色だ。

 このマニアックなカメラを選択したお蔭で、同一露出値でも表現を変化させることが出来る、という写真の基礎を学んだのであった。

35UC の バッテリーチェッカーとスポット測光ボタン 当時、電池は「水銀電池」というものを使っていた。

コンビニなんてまだ無かった時代。どこでも手軽に買物、なんて出来なかったのだ。
外出中に電池が切れたら、即アウト。

だから、電池チェッカーでバッテリー残量を必ず確認するのと予備電池の携帯とが、
撮影前にする必須の準備作業だった。

<トリップ35>

 今は姪にあげてしまったので手元には無いが、フィルム面にデートが記録できる手巻き式の<トリップ35>も、何にも機能が無いが、実に良いカメラだった。

 就職したての頃に買った古いカメラだが、ほぼ今の使い捨てカメラ(レンズ付きフィルム)と同じ機能と構造を持ったものであった。

 <トリップ35>は、コニカで言えば「ジャーニーコニカ」と同じようなポジションで、シリーズで数機種作られたように思う。私の持っていたのは、ボディが完全なプラスチック製のものだが、小型・軽量でちょっとした旅行の際には必ず携帯したお手軽な「旅カメラ」であった。
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ミューU

<ミューU>

 単焦点<ミューU>を買っったのが最後で、それからはこのメーカーのカメラは購入していない。

 それだけ、フィルム撮影が減ってしまって、コンパクトカメラの活躍の場がなくなってしまった。最近では手軽さからデジタルコンパクトばかりが出番となっている。

 「限定モデル」を意識したわけではないが、結果としてはそうなってしまった。このモデルにて同社の単焦点コンパクトは生産終了となった。そして、ここで紹介する<35mm単焦点のミュー>が、私にとってのオリンパス社製の銀塩フィルム用コンパクトの購入品も、これが「最終モデル」となった。

 <ミューU>は35mmF2.8の単焦点レンズが付いた、実に気のきいたデザインのカメラだ。形状はきわめてコンパクトで、携帯性第一のカメラだ。このあたり、携帯性のよさという伝統的な特色は、<トリップ>譲りなのだ。

ミューU

 私が持っているのは、自慢の漆塗り「限定モデル」。「記念パッケージ」の蓋を開けると、皮製の素敵なカメラケースとストラップが付属している。このパッケージがただの紙ではなく、床の間に飾りたくなるような黄金色に輝いたものなのだ。

 生産台数も極めて少ないもの。漆塗りという外装仕上げのコストが大分高かったのではないだろうか。メーカーの関係者等を外すと、一般に流通した数は発表数よりもっと少ないのではないだろうかと考えている。所謂、お宝、だ。中古店では<ミューU>自体はよく置かれているが、限定バージョンのこのモデルはめったに見かけない。

 まあ、ボディはともかく、単焦点のミューレンズも実に抜けが良く評判の良いもの。そうしたわけで、いつかプレミアが付くことを夢見て、傷が付かないように大事にしている。

 ズームでは、OZシリーズの80mm(38mm〜80mm)や、ミューUズームの80mm(38mm〜80mm)を使っていた。<ミューUズーム>は、その前にミューズーム105を使っていたのだが、オートフォーカスでのピントがもうひとつなのとレンズが暗いので手放して、代わりに焦点距離の短い80mmを買ったのであった。
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