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2007.07.22
行田、さきたま古墳群と古代蓮

アクセス;
 さきたま古墳群; JR高崎線―行田(ぎょうだ)駅よりバス(市内循環;古墳公園前にて下車)
               ・・・営業本数が少ない(一時間に一本程度)ので、要注意
 蓮池公園;行田駅より市役所へ向かうと、そこが公園

カメラ;
 PENTAX Ist−D

レンズ;
 PENTAX DA18−55mm F3.5−5.6 AL
 PENTAX DFA100mm F2.8 マクロ

三脚;
 スリック トラベルスプリント GM

 (画像添付時に約30%程度に圧縮)


 「小暑」を超えて、二十四節句でいうと、早くも季節は「大暑」になった。

 前日の雨のため朝方は比較的に涼しかったので出掛けたのだが、目的地に着くころには空は晴れ渡り、もうすっかり<夏本番>という天気になった。

 途中でいろいろと寄り道していたせいもあって、「古代蓮の里」についたのは結局昼近くになってしまったのだが、暑い日にも関わらず結構な人出があって駐車場は満車の状況だ。こんな混雑では三脚も立てられないし、写真も思い通りには撮れないだろう。そんなわけで「古代蓮の里」は取りやめてすぐ近くにある「さきたま古墳群」へやってきた。

 「古代蓮の里」はまたの機会、今度はゆっくり早朝に訪れることにしよう。

写真は、公園の入り口近くの大きな池の様子。

Web上では、9基の大型古墳の周りに陪臣の小型古墳があり、円墳35基、方墳1基からなる、と紹介されている。
 
だが、すでにいくつかの古墳は消失していて現存してはいない。
  大きな(牛ガエル)のおたまじゃくしがいた。
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おたまじゃくしを観察中 綺麗なトンボ(子供の話では、日本には200種類のとんぼがいるらしい)

綺麗なトンボ(イトトンボ)だが、
ちょっとピンボケになってしまった。

 「さきたま古墳群」を取り巻いて地域全体が公園になっているが、もう少し早い時期だと、古墳の回りを取り巻く池(堀?)の部分が一面の美しい菖蒲やあやめで一杯となる。

 公園を訪れる手段としては行田駅から出ている「市内循環バス」があるが、バス停からは少し遠いし、第一に営業本数が少ないので少し不便だろう。公園には大きな駐車場があるので車でならアクセスは楽だと思う。

 公園の近くには、繁盛している「うどん屋」さんや日帰り温泉があるし、並木道の遊歩道もあるので、思いのほか「のんびり」出来ると思う。

睡蓮(イトトンボが止まっている) 巨大な方墳
巨大な方墳
方墳としての規模は日本一だそうだ。

 公園内の蓮池の<睡蓮>の花、最盛期を良く知らないのだが、どうももうおしまいのようだ。咲いている株数が大分少ない。

 さらに、「ひつじ草」同様に午前中が活動の場らしく、睡蓮も蓮も日中過ぎになると閉じてしまう。

 数枚を写真に撮ったが、花は閉じてしまっているし、花弁に蟻が這っていたりして、あまりいい画にはならなった。
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 このあたりは、その昔、石田治部少輔三成(いしだ みつなり:じぶしょうゆう は官職名)が北条攻めの際に忍城(おしじょう;北条の前線)を水攻めにするために師匠の豊臣秀吉(とよとみ ひでよし)の土木技術を真似て築いた「治部堤」がある。このときの本陣は、この公園にある古墳の一つに置かれていたらしい。

 北条側の本拠地、小田原は秀吉自身が囲んだが、その前哨戦として東松山(ひがしまつやま)や行田(ぎょうだ)あたりの重要拠点を攻略した。こうした拠点での攻防戦は、小田原ののんびりとした包囲戦とは異なり、どこも大変な激戦であった。

 三成が企画した作戦自体はあまり芳しくは無かったが、さすがに秀吉に鍛えられた敏腕官僚だけあり、その遺構は数百年がたっても今だに残っている。

池の魚を観察する 昭和のはじめは、ここは「埼玉村」

 古くは、といってもこの地の年代スケールではほんの少し前にしか過ぎないのだが、昭和初期、このあたりは「埼玉村(さきたまむらあるいは「さいたまむら?」)」と言ったらしい。

 ここが、<埼玉>の県名発祥の地ということか・・・。
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紫陽花の葉の大きなカタツムリ
大きなカタツムリ
前方後円墳
こちらは、前方後円墳(稲荷山)

 日本一の規模なのだという方墳(ほうふん)の近くの紫陽花の木で、最近では珍しいものを見付けた。「かたつむり」だ。彼らならば、ヤドカリと違って入手困難な「から」の準備は不要だ。だから、観察や飼育は比較的に楽なようだ。

 古墳は公園全体からするとその外周部分に点在していて、方墳や前方後円墳(ぜんぽうこうえんふん)、池などを巡り歩くと公園の中央部に戻ってくる。そこには、広々とした芝生の広場がまっている。

芝生の広い広場
中央にある広い芝生の広場
紙飛行機おじさんの出現
紙ヒコーキおじさんの出現(草原の主?)

 方墳や稲荷山(いなりやま)古墳と名付いた前方後円墳に登ったりして、太古のロマンに思いを馳せながら園内を散策した。広場の横まで歩いて来るとそこにいた「おじさん」に呼び止められた。

 手作りのヒコーキを手にしていて、「ヒコーキで遊ぶかい?」と子供に言っている。

 どうやら紙ヒコーキを子供達に配って飛ばし方を教えているらしい。ボランティアというか、趣味のお披露目というか、その「待ってました」というような出現のタイミングは、まるでいつも見ている長寿TV番組の「ぶらり途中下車の旅」そのままの展開だ。

 紙ヒコーキやバルサ材のグライダーはたまに飛ばしているし、面白そうなので、遠慮せず遊ばせて頂く事にした。

 しばらく炎天下の広場で紙ヒコーキを飛ばして遊んだが、日差しが強くかなり暑くなってきたので広場を退散することにした。
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 公園にはいくつかの巨大な古墳があるが、それだけではなく広く歴史が学べる施設がある。

 古代から一挙に時代が飛ぶが、江戸時代の代表的な民家(この地方の自作農クラスの農家)が移築されている。屋内には、土間やたたきに雑に農機具が置かれている。

 移築された家屋は、座敷の部屋には上がることはできないが、たたきなどの内部に入って見学することが可能だ。

移築された旧家(遠藤家) 差し込む光

 前橋(実家)の本家がまったく同じ構造(その間取りまでほぼ同じだ)なので驚いてしまったが、養蚕農家としての北関東地方の典型的な造作なのだろう。

 家の周りを取り囲む縁側、南に続く八畳の和室が3部屋、その北側の六畳の3部屋、広いたたきと作業ができるおなじく広い板の間、土間を挟んだ向こう側の作番頭や使用人用の部屋、その奥の家屋の中の馬小屋、お子様と呼んでいた「おかいこ(養蚕)」棚を並べる広い小屋裏(今風でいえばロフト)、北風をさえぎるための北西の屋敷林などを備えている。それは在りし日のばあちゃんちとまったく同じ造りなのだった。
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 その移築家屋の横にはさきたま史跡の博物館がある。

 出土した須恵器(すえき)や土師器(はじき)をはじめとし、国宝「金錯銘鉄剣銘文」が掘り込まれた鉄剣(稲荷山古墳より出土)を中心とした展示がされている。

 様々な展示や、イベント(ペーパークラフトで古墳の模型を作成する、や各種の教室)が行われているが、訪れたときは夏休みの初めの休日のためか、丁度「勾玉(まがたま)」つくりの体験教室があった。

 楽しそうなので参加してみた。一時間ほどで紙やすりを使って、四角の蝋石から勾玉を削り出して作成する、という。夢中で削って形のよい勾玉をつくることができた。

牙。子供が削り出して作成したもの 私が作った勾玉
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蓮池に咲く古代蓮 蓮

 勾玉作りにだいぶ夢中になってしまい、気が付くと15時を回ってしまっていた。「ひつじ」の刻限を過ぎて蓮が蕾む時間となってしまった。うかうかしていると、まったく蓮の写真が撮れなくなってしまう。

 さきたま古墳群から、行田駅方面へ向かい、駅から程近い「水城公園」を訪れることにした。

 この公園は大きな池が釣り人に開放されていてゆったりとした所だ。各種の催しが行われるコミュニティセンターや、復元した忍城もこの公園の一角にある。

 大きな池では、たくさんのつり人が竿を張り出して水面へ垂れていたり(へら鮒釣りだろう)、家族連れが散歩していたりする。静かで落ち着いた都市公園として整備されているが、実は、この公園には菖蒲畑やホテイアオイの池、そして今回の目的の蓮池などがある。
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木漏れ日を浴びて 日本画のような・・

 元々、行田の蓮は清掃工場の建設中に掘り込んだ部分に水が溜まり、自然発芽した古代の蓮の種が大本だ。およそ2000年近くの眠りから覚めて咲き始めた太古の種族なのだという。

 そして、この水城公園の蓮は「古代蓮の里」近くで発見された古代蓮をこの場所に移植したものだ。

 「古代蓮の里」自体は広大な施設でありこことは比較にはならないが、ほんの少し「蓮」の花を楽しむにはここでも大丈夫だ。

古代蓮

 わずかな池だが、たくさんの蓮が花をつけていた。

 もう花はつぼんでしまう時間で、やはり開いている花は無かったのが残念だが、 雰囲気を楽しむことが出来た。

 望遠ズームやマクロレンズで写真に撮ったが、つぼみでは花に変化がなく、写真としては平板になってしまった。やはり、早起きは三文の徳。花を撮るには早朝に限るということか・・・。  

古代蓮
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ちょっとアップで・・
ちょっとアップで、寄ってみる
蓮の葉
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