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2011.01.03
新春の自転車散歩

走行距離;
 20km ;走行時間 2時間35分

カメラ;
 RICOH CAPLIO GX−100 24mm F2.4 〜 72mm F4.4

 (画像添付時に約30%程度に圧縮)



 今年の年明けは実に穏やかで、風も無い好天に恵まれた。

 さて、正月の、今日は3日。

 今年一番の自転車は、遠出をせずにご近所をゆっくりと走って軽い食事でもしようと思う。新春のお屠蘇気分で、お気楽なポタリングを愉しもうというわけだ。

荒川の岸辺 荒川の岸辺
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 結局、幕張メッセで開かれた「サイクル・モード」(2010.11.06 「幕張で試乗する」)へ出掛けたのが、去年の最高到達距離になった。

 あの日は随分走ったな、と我ながら思う。10時から走り始めて一の1日で125kmの距離だから、当分はこの記録を更新することは出来ないだろう。

 まあ、今年も去年同様に事故に遭わぬ様に充分注意して楽しもうと思っている。根本はのんびり基調だけれど、時にハードに攻めるのもいい。とはいえ、山道に復帰する気力はまだ湧き上がってこないのだが・・・。

 こんな常時まったりとしたモードですごしているのに、一度でも峠などへ進攻してしまって、汗を流して征服感や達成感といったものを味わってしまうと、一気に危険モードに突入してしまうのだろう。そんな経験をすると、元の場所に戻るのは容易ではなかろうと思う。

 年齢的に怪しい部分もあるから、そろそろ心して掛かろうと考えている。そういえば、先日テレビのCMで流れていたサントリーの「セサミンE」のサンプルを手に入れた。なんだか、画面に登場してゴマの効能を話す住職の姿がいたって元気そうで、興味を惹かれた。そこで直ぐにサンプルのプレゼントに応募したのだった。

 仕事などで関係する相手方の担当からは、私の振りまいている「元気モードがうらやましい」などと煽てられるが、こう見えても本人は結構辛い部分もあるのだ。

GTR−4 本日の自転車

GTRシリーズ4
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清掃工場の脇を抜ける 入間(いるま)大橋

 さて、お正月の3日。上々の天気に誘われて、荒川筋へと出てきた。

 いつもの大久保浄水場の脇から「荒川サイクリングロード」へ入った。

 別に目的地は決めては無くて、なんとなく北に向って走ってしまった。その理由は、なんだか遠くに見える山並みが、ひどく綺麗だったからだ。そういえば、上尾の清掃工場の横から、地平線上に浮かぶ「浅間山(あさまやま)」が見えたな、と思い出したためもある。

 大久保浄水場から、荒川CRに沿って北上し、治水橋をすぎる。さらに進んで指扇(さしおうぎ)で埼京線(川越線)を超えて、新上江橋を潜り抜ける。この橋は入間川と荒川の合流する場所で、川越と上尾方面との分岐地点だが、そのまま北上を続ける。ここまでの僅かな間で、何台ものロードとすれ違った。しかも結構なスピードで行き過ぎる自転車乗りを観察すると、その世代は案外に年配者が多い。

 まだまだ、冬真っ盛りの厳しさが続いているが、年明け早々から走り出している人(しかも同世代)が結構いるので、感心してしまう。
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川岸でのサイクリングロード案内 橋の袂にある「川岸屋」さん

 河川敷の教習所や白バイ隊(バイパスを主体とする交通機動隊)の訓練場の脇を走る。河川敷のゴルフも通り越して少し行くと、ようやく視界が前方に開けてくる。

 前方といっても、河川敷の広大な平面に畑や水田が視野一杯に広がって、進行左手側がぐっと開けた様子になるのだ。

 開けた視界の方位としては北西で、関東平野の突端がその方角にある。ようは前橋など北関東に至るまでの平野部が地平線まで続いている、というわけだ。だから、その先には、上信越の山並みを遠くに従えた群馬の見覚えある山々が見える。

 上尾の清掃工場の脇を抜けた場所に小さなお稲荷様が祭られている。この場所がちょっとした休憩スペースになっていて、私はよく利用するのだが、このベンチに座ると、そんな山々が遠望できてすこぶる具合がいいのだ。

 少し行くとサイクリングロードは入間大橋の袂に出て、そこからさらにコース上を進めば上尾の丸山公園の入り口になるという場所だ。

 この橋の袂に一軒のお店があって、実は、通るたびに気になっていた。しかし、今までなぜか一度も立ち寄ったことが無いのだ。家から走り始めてまだ僅かな位置であり休憩にはまだ早いとも思えるが、正月でもあることだし、ここはのんびりモードで行こうと、初めて立ち寄ってみることにした。
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 お店は「川岸屋」さんといい、本当に荒川岸に建っている。

 以前、台風が過ぎ去った後の10月頃のことだったと思うのだが、入間大橋の袂から濁流の流れる荒川を目にしたことがあった。荒川という名前に違わず、その様子が凄まじかったので、今も印象に残っている。

 このお店の位置ほど川岸に近かったら、そうした状況時にはさぞや恐ろしいに違いない。公民館などに避難するのかもしれないが、幾度と無く怖い思いを繰り返しているのではないだろうか。

店内には沢山の「お品書き」が 名物のモツ煮

 お店の壁には沢山の品書きが貼られている。

 お勧めの料理の品々を記したお品書きで満たされた壁面を眺めると、この店のご主人のレパートリーが広いのに驚くばかりだ。

 店内に入ると、テレビ番組の「もやもやサマーズ」に出てくるお店のような懐かしい感じがする。それはなんだか、夏休みのプール帰りに正油ラーメンを食べに寄った学校近くの食堂、のような雰囲気なのだ。

 住宅地がある訳でも、会社が周りにある訳でもなく、さらに街道筋でも無い。そうした場所の悪さの中でも長く営業を続けているのだろうから、この店に来るという明確な意思を持った固定客が支えているのだろう。こうした店で出されるものがまずかろうはずが無い。

 昼を回ったところなのだが「まあ、松の内でもあるし、いいだろう」と独り決めにして、私は、お勧めと入り口の日避けのテントに書き込まれていた「もつ煮」とお酒を注文した。


 私が店に入るとよく発生する事象なのだが、直後から次々に新たな脚が入ってきて店内が一杯になってしまうことがある。

 場所が場所だし、日周りもナニであるから、よもや、今日のこの店ではそうした事は起こるまいと油断していたら、次々に5組ほども様々なお客さん達が入って来て、瞬く間に店内が一杯になってしまった。

 年配者の先輩とそれに従う後背の2人組、夫婦と思しき熟年のペア、年季の入ったソロが2人(仲間ではなく別の人)、彼らはみな自転車乗りで、どうも様子からすると私同様に「振りの客」のようだ。それに、少ししてから、ご近所のオヤジさんが一人。その後さらに二人。いったいこれは、どうなってしまったというのだろう。

 静かだった店が、あっという間にてんてこ舞いではないか。私の注文をお給仕した後で、店の外に出て行ってご近所のオバサンと油を売っていた女将さんが急いで呼び戻された。それ程の状況がほんの僅かの間で出現したのだった。
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突出しのキンピラ 長野のお酒

 風が無いのでそれ程厳しくは無いが、やはり冬本番(なんといっても『寒中』だから)は否めない。

 さすがにレーシングジャージの上下では少し寒かった。盛んにペダルを漕いで回転数を上げていれば少しは温かかろうが、風通しの良い場所で、しばらく休んで山を見ていたのだ。しかも休憩するまでの間もごくゆっくとしたペース配分だったから、すっかり体が冷えてしまったようだ。

 ストーブのついた店内で、ぬる燗のお酒を口にして、やっと落ち着いた。寒い体が少し温まってきたのでお酒を切り上げる。

 そんなときに丁度いい具合に女将さんが戻ってきたので、追加で「ご飯」をお願いした。出された「もつ煮」は期待したとおりに美味しかったので、それで白いご飯が欲しくなったのだった。

 追加で注文したのは「半ライス(ご飯)」だけなのだったが、そしたら、小鉢に盛られたきんぴらと小皿の漬物が一緒に出てきた。女将さんの心遣いのサービス品のようだ。お酒の突出しで小皿に盛られた「きんぴら」が出ていたが、お代わりが欲しいな、と思っていたところを見抜いて頂いたようだ。
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 周りの人たちはとみると、ご近所の親父さんたちは「てんぷらうどん」を注文している。

 「もつ煮」が一番目、二番目に「手打ちうどん」と店前に掲げられていたので、天麩羅うどんも自慢の物なのかもしれない。一方の自転車乗りの人達からの注文は多彩で、「てんぷらうどん」の人もいるし、それに野菜炒めなどの定食メニューも人気のもののようだ。


 いや、もっと早くから、寄ってみるべきだった。愛想もいいしサービスもいい。それに肝心の料理の味付けだが、どれもみな美味しくて気に入ってしまった。

 そうした事柄に加えて、値段がまた素晴らしいではないか。スーパーでお弁当を買うほどの金額で充分な「旨いもの」が楽しめるのだから、言うことは何も無い。

店内の案内図

店内の壁面を飾っていた、自転車乗りのための情報。
どうやら、ここの常連さんが作成したもののようだった。

荒川筋を紹介している。南は葛西臨海公園周辺の東京湾岸の河口まで、
北は比企丘陵から利根川サイクリングローまで網羅していた。
店内の案内図

 店内に溢れていた、どこか懐かしさを感じさせるようなアットホームな雰囲気の理由は何だろう。

 そういえば、暖簾をくぐって入った店内の床はコンクリートで、客席に向って石油ストーブが燃えていたように思う。営業用の暖房器具として据付のエアコンやファンヒータではなく、今となっては珍しく思える石油ストーブというところなどのお店の細部が懐かしさの理由だろうか。あるいは、厨房から時々顔を覗かせる大将の醸し出す、定食屋の親爺然とした独特の雰囲気からだろうか。あるいは、人懐かしい感じのする女将さんの、まるで親戚のおばちゃんがそこにいるような温かい優しさからだろうか。

 店内の様子は今となっては、実は判然としない。後から思えば石油ストーブが置かれていた、というのは私の錯覚であったかも知れない、と漠然と思えてきたからだ。

 初めて訪れたというのに、入った当初から懐かしい感じがしていたのだから、気に入ってしまうのはもうどうしようも無いわけで、抵抗のしようがない。

 まだ訪れてからいくらも間が無いわけだが、近いうちに是非また行ってみようと考えている。
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 道を挟んだ店の前の駐車場脇には、自転車用のハンガーが設えられている。

 こうした事から考えると、私がまったく立寄っていなかっただけで、実は多くのライダーがこの店を拠点化しているのかもしれない。

 ソロで入ってきた二人の年配者。一人は年金世代のようだったが、もう一人は私と同世代のようだった。「鍋焼きうどん」と勘違いして普通の「焼きうどん」を注文してしまったようだったが、2人ともに、すごい自転車に乗っている。いや、感服いたしました。

自転車への備え 憧れのFELTのカーボン

 私と入れ違いに出て行った自転車もコルナゴという一流ブランド車で素晴らしい物だったが、今、ハンガーに停まっているのも大した自転車だ。

 SHIMANOといえば、釣りのリールなどを思い浮かべる人が多かろうが、いまやSHINAMOは世界のトップ・ブランドだ。ロード用のコンポーネントでの最高級グレード、ツール・ド・フランスやジロ・デ・イタリアなどの世界トップクラスのロードレースでも利用されているパーツに「DURA ACE(デュラ・エース)」というものがある。私達もお金を積めば購入して利用できるが、今まで駐輪している数多くのロードバイクにこのグレードのパーツが着いているのを見たことが無かった。私の中では幻のものとなっていたのだが、店の表のハンガーに何気なく掛けられた自転車を見て、足が止まった。

 もともと憧れのFELT(フェルト ドイツのレース車のブランド)のロゴだったし、しかもカーボンフレームだったので、目について観察したのだった。最初フレームが目に付いて、高そうなカーボンだな位に思って右サイドに回ってみて、驚いた。まさか、アセンブルされたコンポ(完成車の仕様なのかもしれないが)がデュラ・エースだったとは。「あの親父さん、デュラ使いかよ・・・」と、深いため息が漏れた。

 グレードが判らないがFELTの現行モデルで言えば『F3』相当。そうなるとざっと考えて最低でも50万弱ということだが、目に悪い高嶺の花を目撃してしまった。お店は極めてリーズナブルなのだが、来店する客層はすごいことになっている。私ごときが大手を振って、昼酒を飲んでいる場合ではないようだ。
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帰り道 帰り道(栄高校のグランド近く)

 思いがけずに、すごい自転車を目にして気力も萎えたので、これ以上北上するのは止めて家へ戻ることにした。

 実のところを言えば、油断してライトを持って出るのを忘れてしまったのだった。

 サドルバックには、整備ツールとして4mmと5mmのアーレンと、携帯用の各サイズのアーレンとドライバーが着いた折りたたみツール、タイヤレバーとパッチと替チューブのパンク対応用品が入っている。ほかに、フレームにつけたポンプとテールランプ、これがいつものGTR−4の常備品だ。

 サイクルメータはハンドルに着けたが、うっかりしていてライトを持ち出すのを忘れてしまったのだ。
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帰り道(健保グランド) 写真ではまるで、
斜陽のようだが、
まだ2時少し前である。

 こうした訳で、サイクリングロード上で日暮れるわけには行かない事情がある。

 店に入ったのは午後の1時少し前、30分ほどで店を出たのでまだ充分な余裕がある。そうは言っても、このまま北上すれば帰りには陽が落ちるだろう。

 ゆっくり戻って、途中でまた休憩すれば、新都心へ戻るのは丁度3時を回ったくらいになるだろうか。

 まだ早い時間とも思えるが、もうこれで帰ってしまって、ゆったりと早めの風呂にでも入ることにしようか・・・。

 なんといっても正月なのだから、いつもよりほんのちょっと、のんびりしようではないか。
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