前橋には「中央前橋」駅から東に進んで、ずっと先の桐生市までを結ぶちょっと可愛いいローカル線がある。
赤城山の中腹を2両程でのんびり走る列車で、この路線は「上毛電鉄(じょうもう でんてつ)」という私鉄が営業しているものだ。
(朝の通勤時間帯などは車両は増結されて4両程度で運行されるが、逆に日中などは一両で走る場合もある。)
このローカル線、地元では略して「上電(じょうでん)」と呼ぶのだが、その呼称には近隣住民や長年の利用者達の愛着がこもっている。
多くの駅が路面電車のターミナルほどの大きさであり、しかも無人駅なので、車両から降りてホームに立った車掌が丁寧に改札をする。この路線では、区間、時間帯を問わず、どの列車にも自転車を剥き身で乗せることができる。JRと異なって、とことん大盤振る舞いなのだが、しかも適用日などにも一切の規制がない、というご機嫌な状況だ。
ちなみに、前橋周辺では、高崎市から下仁田町までの区間を走るローカル線、「下仁田鉄道」が同じようにサイクルトレインを実施している。
首都圏のJRではこうした取り組みは無理な難題なのだろうが、是非とも、少しは彼らの努力と取り組みを見習っていただきたいものだ。
さて、今回の行程では前橋駅からJR両毛線で新前橋駅へ向かい、そこからJR吾妻(あがつま)線へ乗り換えて「中之条(なかのじょう)」駅までの距離を稼ぐ事にした。
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