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2012.07.15
メンテナンス・組み立て カーボンフレーム

カメラ;
 RICOH CAPLIO GX−100 24−72mm F2.5


 (画像添付時に約30%程度に圧縮)



 故郷、前橋には全国的にも有名な自転車屋さんがある。勿論、大抵の前橋市民は、この店を知っていよう。

 国道17号線の脇を少し入った国領(こくりょう)町にある。市の繁華街はもうそのあたりでは終わってしまっているが、それでも市の中心地区と言えよう。良い場所にある。

 その店の名前は「サイクルショップ TAKIZAWA」。私達は、単にタキザワと呼び慣らわしていた。始めて店に行ったのは、私が高校生の時分だったから、もう35年も前の事。随分と昔の話になる。

 当時からパーツ類の在庫が豊富だったが、今の店舗は完成車のショー・ルームを兼ねていて、多くの自転車が展示されている。

 そのせいかプロショップと言うより、Y'zロードやセオ・サイクルなどの店に近い雰囲気を持っている。勿論、それらの首都圏に展開する有名なチェーン店系とは営業方針そのものが違っていて、通学用の自転車なども扱っている。地域に密着し、きめ細かな営業を行なう、という大きな特徴を持っている店なのだった。

 明るい気安さが溢れていて、店舗の雰囲気も良い。誰が行っても親しみが湧く店といえるだろう。

HARP 友人Sの愛車。HARPのクロモリ
最早、ビンテージと呼べるかもしれない。

ここまで乗った彼の根性に脱帽・・。


<HARP>はタキザワのオリジナルブランド。

フレームは勿論、各種のシート、
ステムやシートポスト、ハンドルなど、
多様にパーツを含めて展開している。
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 年末のセールや夏前のセールなどは、私にとっては本当に大助かりな、楽しみのある催しものといえる。

 店頭では普段から割引で様々な物が販売されているのだが、セール中ともなると、そこからさらに一歩踏み込んだ割引になる。だから、自宅を目指してやって来るその「セール案内」は楽しみな通信で、日頃考えていたパーツ交換などをそっと後押ししてくれるのだった。

 TAKIZAWA(以降はタキザワと書きましょう)では会員になると買い物額に対してポイントが加算される仕組みがあって、ネットでの通販でも同様な措置が取られる。送料を気にしなければ、店頭でもネット上でもどちらでも小物から大物までの購入が可能だ。

 一度入会すれば会員に対しては定期的なセールなどの各種案内が送付されてくるので、ネット上の店のページを小まめにチェックする必要が無くて大いに助かる。

 去年送られてきたDMでは、オリジナルのフレームの割引が掲載されていたが、それはコンフォートモデルのカーボンフレームで、かなり思い切った割引がされていた。その価格の思い切りの良さに唸ってしまった事を覚えている。案内状のどの商品をとっても驚愕の価格でお得感が満載だったし、その際に大きく割り引かれていたフレームなども魅力があった。しかし、残念ながらフレーム形状に触手が湧かず、そのまま素通りしたのだった。

 前回の案内状も良い内容だったのだが、今回のリーフレットではさらに素晴らしい事が起きていた。

 それは、わが目を疑ってしまう内容なのだ。

オリジナルのカーボンフレーム   目薬を差して、リーフレットをチェックする。

  あまりのことに、妙なただし書きがないかと
  ふと心配になった。

 今回のセールは、一部のバーゲン品を除いて全品が一割引になる、という内容だ。

 普段からの割引価格はそのままで、さらに上乗せでの割り引きが行われる。だから、このセール期間であれば、SHIMANO(シマノ)のパーツなどが2割引き近い値段で手に入るという事になる。

 完成車なども割引セールの対象になるはずだから、この時期を待って購入する人たちも多いに違いない。

 しかしそうなってしまうと、店としては少し困るのではなかろうか。定期的なセールに対しては売上が期待できるだろうが、普段は「買い控え」が起きないかと心配してしまうのだ。定期セールという手は販売の戦略的にどうだろうかと思うのだが、例年、評判を呼んでいる内容だし、そうした心配をものともせずに途切れることなく継続されている催しのようだ。

 私などは、前橋に頻繁に帰省するようになった2年前に初めて会員となった新参者だ。だから、店の姿勢を偉そうに語れるほどのディープなシンパではないし、店への出入りの歴史は現役としては最古参と呼べるほどのものだろうが、会員歴は大分に新しいのだった。

 このように心配顔で書いている割には、実のところは前回以前のセールの状況を、実のところは良くは知らないのだった。
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C−2900フレームで組む  サイクルショップ
 TAKIZAWAの
 オリジナルフレームで
 自転車を組む。

 山登りスペシャル仕様!。

 別名、<峠の悪魔>。

 マリオ・パンターニも蒼くなる
 という代物。

 では無いか、やっぱり・・・。

 パーツやウェアなど周辺のグッズに関しては、ネットで何時も世話になっているWiggle(ウィグル)やCRC(チェーンリアクションサイクルズ)で確保することが多い。これらのネット・ショップでは、パーツ類であれば関税が掛からないし、配送が国内のネット店舗とは比較にならない速さで実行される。

 大抵のパーツは注文を出して5日ほどで英国から自宅に届くのだった。国内ショップでの注文から商品の到着までの期間、それらは大抵の場合、平均すると2週間近く(店によっては余裕で超える場合もある)になる。そうした状況が当たり前の国内流通状態にあって、先の2つのネット・ショップの存在は稀有のものと言えよう。迅速な対応には、本当に大助かりしている。

 それに価格が国内売価よりも大分安く設定されているので。多くの品物が比較にならないような割安値段で購入できる。値引き幅はパーツの部位にもよるが、大変なことになっているものも多いのだった。たとえば、タイヤやホイール(のんびり 行こうよ: メンテナンス・交換:タイヤ・ホイール(2012.02.25))の類などがその好例だろう。そうした商品では、国内での販売価格の約半額の値付けがされている。

 いつかは交換しよう、とか、予備やストックに、とかを考えると、ついオーダーをしてしまう。継続モデルにも拘らず季節の切替時期には在庫処分で大安売りされる、などの特殊な事件も手伝ってすぐに利用しないパーツの類に関しても期待の持てる価格で提示されるため、私のストックは次第に膨らんでいくのだった。

 いつしか気がつけば、そのようにしてストックしたパーツ類を集めて組み付ければ一台の新しい自転車を組み上げられるという状態になっていた。
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HARPはタキザワのオリジナルブランド 東レT800ハイモジュラスカーボン

 ストックしてあるパーツ類を改めて一覧にしてみよう。

パーツ種類 メーカー 型番 重量 (g)
ホイール SHIMANO WS-20 1849 (セット)
FULCRUM RACING 5 1760 (セット)
タイヤ CONTINANTAL GRAND PRIX 4000S  380 (セット)
MICHELIN PRO3 RACE  400 (セット)
ハンドル ZIPP Service Course アルミ7075  280
ステム FSA OS-190LX 6061アルミ 90mm  152
ブレーキキャリパー SHIMANO 105 BR-5700  358 (セット)
クランクセット FSA GOSSAMER ISIS Compact 170mm 50*34  599
SHIMANO Ultegra FC6700-G Compact 170mm 50*34  788
RACE FACE CADENCE (BB Set) NORMAL 170mm 53*39  837
ボトムブランケット FSA FSA PLUTINIUM ISIS 68mm 108mm  225
ペダル SHIMANO 105 PD-5610 SPD-SL  322 (セット)
PD-R540 SPD-SL  330 (セット)
PDA-520 SPD  315 (セット)
フロントディレイラー SHIMANO 105 FD-5700 (Front-Double)   89
リアディレイラー SHIMANO Ultegra RD-6700SS(Rear-10 Speed)  189
105 RD-5700 (Rear-10 Speed)  223
チェーン SHIMANO Ultegra CN-6701 10S  272
シフター/ブレーキ SHIMANO 105 ST-5700 STIレバー  496 (セット)
カセットスプロケット SHIMANO Ultegra CS-6700 10S 12-23T  238
105 CS-5700 10S 11-25T  245
Tiagra CS-4800 10S 12-28T  − (NA)
シートポスト FSA SL-280 6061アルミ272φ*350 オフセット20  320
TIFOSI カーボン  272φ*300 オフセット30  245
シート PROLOGO Kappa カーボンレール  264

 という状態。ほぼ自転車が組み上げられる内容だろう。

 さて、自転車を精神的な大きな支えとする私にとっての今年の最大の目標は、故郷、前橋で開催される大イベントへの出場だ。いや単に参加するだけでなく<完走>が目標となるだろう。

 もはや衰えた肉体を簡単に改造できるような年齢ではないし、レースの日(9月30日)までに鍛え上げられる自信にも乏しい。だから、手早く走りの能率を上げるには、自転車に組み込まれるパーツの軽量化と高能率化しかないのではないか。山坂の訓練を始めた最近では、よく、そんなことを考えている。

 こうした事情が無い時分からパーツは小まめに値段をチェックしてストックしていたのだが、今年の出場決意で軽量化がターゲットに変わって来た。そこで、新たに買い増していった結果が、上の表の同じ部位のパーツが複数個、という状況なのだった。

 同じパーツが複数あるのを発見した友人Hは、「お前、馬鹿だろう」と叱責し、友人Sは苦笑を漏らした。友人Tなどは、虎視眈々とそれらの未使用パーツに狙いを定めたようだ。・・・なんと心強い友人達に囲まれているのだろう、わたしは。
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東レT800ハイモジュラスカーボン カーボンフレーム

特長溢れるチェーンステー

<カーボン・フレーム>

 今回のタキザワのセールでの目玉。

 これはもう、なんといってもイケてる「カーボン・フレーム」に尽きるだろう。

 タキザワから提供されるオリジナル・ブランドのフレームは、クロモリ、アルミ、カーボンと素材種別があり、それぞれにラインがある。そのうちのカーボンフレームは3ライン。CS−710EX、CF−700EXのハイモジュラスT700カーボンのモデル2種類、そしてハイモジュラス・カーボン T800を使ったフル・カーボン・モノコックの<C−2900>だ。

 このフレームはTRIGON社製(RQC27)であって、他社へもOEMで供給されているもの。つまりタキザワオリジナルブランドのフレームなのだが、完成車メーカーのルイガノ(Rouis Garnuau)のカーボンフレームなども同じ内容。つまり外見のペイントが違うだけ、というものだ。

 このフレーム・セットは、セット(フレーム+フォーク)での総重量がわずか1300gと大変に軽いし、素材のカーボンも東レ製の高グレード T800という素晴らしい内容のもの。実に良い商品なのだった。

カーボンフレーム カーボンフォーク


フォークやヘッドを含めて、すべてカーボン製。

東レT800ハイモジュラスカーボン。
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 複数個ストックしてあるパーツから最軽量なものを選んで、フレームに合わせてみる。

 デザイン的に違和感があるなどといった問題が皆無の完成車と違って、こうした自力による組み上げの場合には、その人のセンスが大きく出るものだ。

 思い入れのあるパーツを使うから、色やデザインなどはどうしても統一性を欠くことになる。いまの完成車で用意されているようなデザイン上の統一感は望むべくもない。
 それらメーカ製の完成車ではシートやシート・ポストやステムなどのパーツ供給がメーカ傘下の企業からなされて、そのフレームに合わせてデザインされた違和感の無いパーツが装着されているからだ。当然だけれど独自に買い集めたシート・ポストやステムにはフレームとのデザイン上の連続性が無い。

 だからせめて、ハンドル上のシフター・レバー、それにフロントとリアのブレーキとディレイラーを同じメーカーを選定し(できれば同じグレードにして)、デザインの統一を図るべきだろう。さらにクランク・セットとペダルの色を合わせるといった事で、フレームに装着されたパーツ全体の統一感が出てくるはずだ。

 基調となる色を決めた上で集めないと、いざ組み上げる段になって「あれっ」と言うことになろう。幸いにも私の場合はたまたま<黒>を基調にしたパーツを集めていたので、あまり問題にはならなくて済んだ。

 タキザワのカーボン・フレームには、フォークもセットされていた。それに、ヘッド・パーツやヘッドのトップ・キャップ、シート・クランプも付いているという状態。いたれり、つくせりの内容なのだ。

 下世話な話で申し訳ないが、このフレームの定価は141,750円。去年のセールで値段が118,000円に改定になってだいぶ心が揺れたが、今回のパンフレットに掲載された価格は驚きの69,800円。もうこれは「破格」であって、常道を通り過ぎている値引き設定。何らかの処分価格といってよいだろう。

フレームの様子 CX−2900はTAKIZAWAオリジナルのフレーム・セット

フレーム本体だけでなく、フォークまでセットされる。

フレーム同様にT800のハイモジュラスカーボン製

アルミとのコンポジットではなく、
コラム部分も含めてすべてがカーボン素材で構成されている。
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 処分といえば、これは私の想像なのだが、この型番は来年は無くなってしまって廃番品となるのかもしれない。

 すでにこのフレーム、デビューから8年ほど(ネット上での情報で正否は未確認)が経っているらしい。そうして見れば先進的なデザイン構成の中にも今となっては若干の古さが感じられる部分がある。シート・ポストを支えるシート・ステーの形状や仕上げなどはA字タイプではなく、数年前に流行したカーボン・バックの多くの完成車フレームと同様にT字(Y字)形状なのだ。

 そうした古びた部分があったにしても、これが加速性に優れた、本当に優秀なフレームであることには変わりが無い。

 シート・ステーやチェーン・ステーの独特の形状やそれらのチューブの潰し具合などが、戦闘的で実にいいと思うのだ。特徴溢れるリア側に目が行きがちだが、トップ・チューブの独特の形状もまた良く観察すると素晴らしいといえる。

 あえてこのフレームに対して苦情を言えば、トップの長さがどうなのだろうといった事くらいのものだ。

 私の身長は171cm。先日の人間ドックの計測で172cmから縮んでいることが判明した。そうして背丈は思いがけなく縮んでしまったが、まだ身長の割りにはリーチ(そして足も・・)は長い方だと思う。その私がフレームに跨ってみるとハンドル位置を遠いものと感じてしまう。

 ここで改めてジオメトリーを簡単に書いてみようか。ホリゾント;525mm、シート・チューブ長;460mm、シート・アングル74.5度といった具合。

 トップ・チューブは勿論、水平ではなくシート・チューブに向かって下げて付けられている。そのスローピングしたチューブの実際長ではなく、ホリゾント換算した場合の値が525mm。この数字は460mmのシート・チューブ長から考えるとかなり長いものと言えよう。通常のフレームで言えばワンサイズ上の480mmや490mmのフレーム・サイズ(シート・チューブ長)の値とほほ同じなのだから。

 そうしたフレーム形状への対策として、ステムを90mmよりもさらに短いもので用意して、トップの長さを充分に調整する必要がある。
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ステム ステムとハンドルの様子

ハンドルはZIPPの軽量モデル。7075アルミでショートリーチシャローモデル。
ステムはいくつかストックがあったが90mmしか無くて、今回はタキザワのサマーセールで調達した。
ロード専用 超軽量モデル。

<ハンドル・ステム>

 私がストックしていたステムは、その長さが90mmのもの。

 通常のサイズよりも短いのだが、それでも今回のフレームに対してまだまだ長すぎる。だから、ここは新規にステムの購入が必要となった。ちょうど、6月末までの間、我らがタキザワでは一割引のセールをやっている。

 店のオリジナルの商品で丁度良いものがカタログに出ていた。「BIKE GEAR 3D 31」というステム。(どうやら BIKE GEARと言うブランドもHARP同様にタキザワのオリジナルブランドらしい。)

 このステムの80mmサイズに決めよう。重量は60mmで88g、100mmで108g、ということは80mmではおよそ98g!。これなら、一般のステムより50gも軽い。「ロード車専用(マウンテンでの利用禁止)」と注意書きされたもの(MTBでは耐重量性が無く、強度が保てないようだ)だが、なんと素晴らしいステムなのだろう。

 その軽量ステムが支えるハンドルはZIPPの軽量モデル(Service Coruse Short Shallow)で7075アルミ製。普通のものより少し軽めだから、ハンドルをはじめとするフロント側は随分軽い状態に仕上がるといえよう。
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ハンドルバー(ZIPP社製) ZIPP社製の軽量ハンドル、
素材は7075アルミの3D鍛造。

なかなか細部に気を使っていてレバーやステムとの設定は楽ができる。
ハンドル軸位置やレバー位置などの各種ガイドラインが入っている
ハンドル位置が簡単に中央に決まり、 上下のしゃくり具合もわかり易い。
左右のレバーも均等に設定できる。

ステムとハンドルの様子

ハンドルにバーテープを巻く。 BBBのテープが丁度バーゲンだった。2色の切り替えで仕上げてみた。
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RACE FACEのクランクセット

当初、設置を考えたのは、RACE FACE社製のクランク・セットだった。

コンパクト・クランクではなくBCD130mmのノーマル・クランク。
構成されるギヤも52T*39Tという必殺の内容だ。
RACE FACEのクランクセット

<クランク・セット>

 クランクに関しては、FSAとするか、SHIMANOとするか、少し迷うところだ。

 前後のディレイラーとの相性から考えると、やはりSHIMANOという選択になるだろう。UTEGRAの6700モデル、新しい「グロッシー」という黒色は素晴らしいものだ。精悍で深みがあって、なんともいえない気品が溢れる。

 けれど、重さが違う。FSAのクランクセットの方が一段と軽い仕上げなのだ。その差は200g。SHIMANOを選んだ場合には、(先ほどのステムの重量からすれば)もう一本、別のステムを余分に着けたのと同じ状態になってしまう。

フェースカットされたBBマウント部 ISISのBBを組み込んだところ
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 「軽量に!」という命題を考えたら、デザイン及び性能やパーツ同士の相性はひとまず置いておきFSAのGOSSAMERクランクを選択する、というのが妥当だろう。

 不用意に「相性」と書いてしまったが、FSA社製のクランクセットはSHIMANOの変速機構(シフター、スプロケット、ディレイラーの組)に完全対応であり、完成車でも多くのメーカーで選択されている。充分に検討され、調整されているはずで、特別に不安を感じる必要はない。

 このクランクセットのBB(ボトムブランケット)は、ISIS対応。今では見ることが無い仕様なのだが、SHIMANOのオクタリンクと同様の8本の歯で軸とクランクシャフトが接合する仕組みのものだ。JISのスクエアとは違いテーパーでの押し込み出は無く。歯車での勘合となっている。ただし、両者(FSAとSHIMANO)の間には互換が無いので、専用のBB工具が必要になる。

FSAのクランクセット FSAのGOSSAMERクランク
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タイヤ CONTINENTAL GRAND PRIX 4000S ホイールセット(SHIMANO WS−20)

<ホイール・スプロケット>

 ホイールはSHIMANOを選択。これにCONTINENTALのタイヤ、GRAND PRIX 4000S(「グランプリ」は軽量なタイヤだ)を着ける。

 山岳仕様なので、ホイールに着けるカセット・スプロケットは12−28のTIAGRAグレードのものにする。TIAGRAが10速に対応となったので、今ではULTEGRAと105の3グレードからスプロケットを選択出来る。28Tの低速ギヤを持つ構成は3グレード共に用意されているが、どちらもトップが11T開始で12Tからが高速ギヤではない状態。

 このためにその上位2グレードでは23Tと25Tの2枚ある歯が24Tの1枚だけになってしまうのだった。重さでは上位グレードに敵わないだろうが、「登攀レース」参加という今回の目的から考えると重量を犠牲にしても低速側の構成の余裕(23,25の2枚構成)をとるべきだろう。

ホイールセット(SHIMANO WS−20) TIAGRA 10Sの12−28Tカセットスプロケット
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リムとスポーク部分(FULCRAM)

 そうした訳で、今回のスプロケットはTIAGRAグレードのものに決定だ。

 その代わりホイールは軽量なSHIMANO <WS−20>にする。FULCRUMのRACING5でも良いのだろうが、こちらは12−23Tを着けた高速仕様にしているので、用途に応じて両者を履き替えればよいだろう。

 ただし、ホイール自体の重量を比較すると、90グラムほど違う。このため、レース前に1760グラムのFULCRUMに交換するかもしれない。

リム(FULCRAM RACING 5) スプロケットを着ける
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フロントディレイラー(SHIMANO 105 FD−5700) リアディレイラー(SHIMANO ULTEGRA FD−6700)

<ディレイラー>

 ディレイラーはSHIMANOの105グレード。新しい5700シリーズの黒。正式にはこの黒色を「ロードスターブラック」と呼ぶ。

 フロント2速、リア10速に対応する。どちら(フロント、リア)のディレイラーも、FELT F85でその変速性能は体験済み。思い通りにクリックして変速してくれる。何の不満も無い製品だ。

 フロント・ディレイラーは最初に直付けタイプを選んでいたが、フレームには予想に反してマウント穴が付いていなかった。だから、バンドでの装着が必要になる。生憎、バンド仕様は34.6mm対応しか手持ちが無いので、仕方なく31.6mmのバンド対応品を購入した。

 リア・ディレイラーは、最終的にはULTEGRAに交換した。重量差を考えての選択だ。

 アルテグラは「グロッシーグレー」という新しい色のシリーズを展開している。この黒が漆のように深みがあって素晴らしい色味を持っている。残念なことに私の手持ちのリアディレイラーは通常のシルバー仕様のものだ。シルバーとはいえ、元々アルテの銀は重い銀色で、渋いグレーが入っている。フロントディレイラーの黒との違和感は思いのほか少ないといえよう。

リアディレイラー(SHIMANO ULTEGRA RD−6700) 最終的に設定したのは、105のリアディレイラーではなく、
ULTEGRAのディレイラー(RD−6700)。比較すると、若干軽くなる。

性能としては105(RD−5700)でも充分すぎるほど。

素人の私程度の感覚では、
両者の間にそれほど歴然とした差は無いように思えるがどうだろうか・・・。
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STIシフター(SHIMANO 105) シフターカバーを捲る

<シフター>

 シフターもディレイラーと同じくSHIMANOの105グレード。新しい5700シリーズ。

 フロント2速、リア10速に対応したシフターである。これは、FELT F85の交換用にスポーツオーソリティの2割引セールで注文してストックしてあったもの。やがてはF85のシフター(マイクロシフト社製のもの)を交換しようとしていたが、なんとなくそのままになっていた。今回はそのストックを引き出して、新しいフレームで使う事にした。

 105のシフターはクリックが良くてレスポンスも抜群。それにブラケットの形状が5600シリーズから見直されて、ハンドル上面と水平になるような具合。レバーの握り位置も良く考えられている。ブラケットに手を置く私にとっては、どこをとっても実に具合が良い。上位のULTEGRAと同じくシフト・ワイヤーが内装式で触覚のようにレバー上部に出てこない。見た目は非常にスッキリしていて、ダウンチューブにシフターがあった頃のブレーキレバーのような状態だ。

 気持ちよくシフト・チェンジが出来る優れものだが、このワイヤーのマウント方法の内蔵式の扱いには手業(てわざ)が必要。素人にとっては若干の難がある。本当に取り回しが難しく、誰もが手軽にという訳にはいかない難物なのだ。ブレーキ・ワイヤーはレバーを下げて、その前側から簡単にインサートできる。けれどもシフト・ワイヤーが尋常な方法では通せない方式になっている。

シフトケーブルを手当てする シフトケーブルを手当てする(カバーを開放)
シフトケーブルを手当てする (カバーを開放したところ)
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シフトケーブルを手当てする(カバーを開放) シフターの上部(ケーブルの出口)
シフターの上部(ケーブルの出口)

 ワイヤーの装着には、大分手こずるものと思う。

 レバーのブランケット・カバーのラバーを根元側から半分近くに捲りあげて、シフト・ワイヤー用のアクセス穴をふさいでいるプラスチックのカバーを取り外す作業からはじめる必要がある。ネジ留めされたカバー板を外してワイヤーを入れるが、そのワイヤーはシフターの内側から入れ込んで、根元の下部を通って一回りし、外側の上面(手のひら側)へ回りこんで出てくるという込み入った装着になる。

シフターの上部(ケーブルの出口) シフターの上部(ケーブルの出口)

出口はシフター上部の2箇所で設定できる。
ハンドル・バーの後ろ面と前側の両方への取り回し方法が選択できるように考慮されている。

写真上の大きなアクセス穴はブレーキケーブル用の出口。

 この取り回しが実に大変で、下部まで這わせてきたケーブルを一旦シフター・ハウジングの外へ取り出して、今度はケーブルの方向を上部に向けてやる必要がある。取り出して方向を変えるためには、ワイヤーの先端から少し元の部分(30mm程だろうか)を折った上で取り回すしかない。ただし、ワイヤー自体はディレイラーに装着する場合にその先端部を大分切り落としてしまうので、折ってあっても問題が無いと言えよう。

 この取り回し作業中にワイヤーの先端が解れてしまうので、設定作業には注意が必要だ。シフター用のユニバーサル・ケーブル(複数社の仕様にコマ形状を合わせてケーブルの両端にコマがあり、時分の装着するメーカ仕様にあわせて片側を切り落として利用するもの)などではカットした先端が解れてしまうので、ワイヤーの先端部分をアロンで固めておく、などの対処が必要だろう。
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リアのキャリパーブレーキ

<ブレーキ・キャリパー>

 ブレーキ・キャリパーもディレイラーやシフターと同じくSHIMANOの105グレードにする。同じく、新しい5700シリーズの黒だ。

 これは、FELT F5のブレーキをULTEGRAの新しい黒、6700のグロッシーに交換した余りのもの。元は、FELT F85のテクトロ社製のブレーキ・キャリパーと交換する予定だったものだ。シフターと同じく、ブレーキ・キャリパーも新しいフレームで利用することにしよう。

 ULTEGRAのキャリパーには敵わないが、105グレードのキャリパーも冷間鍛造のアルミで作られており、その剛性は高くて性動力も優秀だ。何の不安も無、キリッと止まってくれる。

フロントのキャリパーブレーキ リアのキャリパーブレーキ
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最初のシートポスト(FSA製) 最初のポストは、FSAのアルミポスト。


しかし、軸長が350mmでは、このフレームに合わずに、新たに調達することに。

<シートとシートポスト>

 シートはいつもちょっと悩むところ。

 体に密着する大切なパーツなので他のパーツに比べて充分な吟味が必要なのだが、これは装着して乗車してみないことにはフィーリングが判らないという厄介なもの。だから、失敗も多い。

 今年のツールでの採用の多いメーカのものを選んでみた。PROROGO社のシートで、具合はまあまあといったところ。もう少し乗り込んでみないとまだ良くわからないが、今のところ大きな違和感は無いので、まずは大丈夫だろう。
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シート(PLOLOGO社製) カーボン製のシートポスト

 シートポストはFSA社製のアルミモデルを着けてみたが、そのポストは軸長が350mmであった。ところが、フレームには一定以上に沈まないようにストッパーが入っている模様で、長さが対応できないのだ。ポストが深い位置まで入らずに、その結果シートが大分高い位置に装着されることになってしまうのだった。

 軸長が300mmで無いとどうにもならないので、ポストも新たに購入することになる。どうせならとアルミ製ではなくカーボン製を調達することにした。

 Wiggleでのオーダー品で、製品価格は定価の半額以下という嬉しい代物を運よく調達する事ができた。。
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 ワイヤーを張って、シフトの具合やブレーキの効きを調整した。

 ストックしておいた各種パーツのフレーム組み付けが終わって、さらに今回新たに購入したパーツの取り付けも出来、一通りの調整もすべて済んだ。

 フレームを持ち上げて見ると、確かに軽い。フレーム重量とパーツ重量を合算して総重量を出してみる。なんと、計算値は僅か7kg。これなら、山坂での勝負も可能だろう。


 力強い武器を手に入れた気分に、思わず笑みがこぼれてしまう。中年オヤジのニンマリ顔など、傍目にはちょっと気味が悪い状態だ。

 さて、これで、戦いの準備はすっかり整った。

 後に残った目ぼしい作業は、それを操る人間の準備だけなのだが・・・。