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2010.11.13
メンテナンス・交換 ハンドル・グリップ

カメラ;
 RICOH CAPLIO GX−100 24−72mm F2.5


三脚
 カメラの手振れ補正による

 (画像添付時に約30%程度に圧縮)



 GIANT(ジャイアント:台湾)ESCAPE R3(2007.06.10 「自転車に乗って」)  にはハンドル・グリップに円筒形状ではない、「コンフォート形状」とでもいったらよいのだろうか、独特の形状をした秀逸なグリップ(エルゴノミック・グリップ)がついている。

 購入したフレーム・サイズが最適な状態なのでポジション調整は不要で、この「エスケープ」に関してはステムなどを交換していないが、今回はハンドル部分の手当てをする予定だ。

GTRシリーズ4  2007シーズンモデル GIANT ESCAPE R3

グリップの形状は独特で、手のひらを置くための張り出しがある。この形状が、実に快適。 そして、デザイン的にも秀逸だ。
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 今回の作業は、このハンドル・グリップを交換する。


<ESCAPE R3 のハンドル形状>

 ハンドルはステムによってフォークの軸上(コラム・シャフト)に固定される。このため、この部分を扱う場合には、仕組みとしてハンドル・バーとハンドル・ステムを相対的に調整する、という方法がとれる。

 この「エスケープ R3」は、クロス・バイクなので、ハンドル・バーはストレートのものが着いている。ただし完全な一文字ではなく、少し後部に向かってエンド方向に湾曲が付けられている形状だ。

 ドロップハンドルと違って、そのハンドルで採れるポジションとしては、上からグリップ部分を握るノーマル姿勢とバー中央部を握る巡航姿勢の2通りとなる。実際にはロード車と違って、ハンドル・バーの中央部分を握ることはまず無いので、この部分に余裕が無い状態でもかまわない、といえよう。

GTRシリーズ4
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 ステム自体は5mmのアーレン・キー(六角レンチ)を使って天地を変更することが出来る。ハンドリングの感触が極端に変わるので要注意となるが、入れ替えによって前傾姿勢とハンドルへの加重状態を変更することが出来る。

 オリジナルの状態では、このステムは上方向へ向かっている。たぶん角度は7度くらいだと思うが、前輪のフォーク基部のハンドル・ステーが傾斜しているので、結果としては案外に上を向く。

 まずは、このステムの天地を上下逆転させる。

交換後のハンドル周り 天地を逆転させたステム

 これで、ステムの上面は、ほぼ地面と水平の状態となる。ペダリングとの関係でサドル高(BBの中心からサドル・トップまでの長さ)は変更出来ないので、この措置によって乗車姿勢を少し前傾させることが可能になる。

交換後のハンドル周り
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<ハンドル・バーを切断する>

 この自転車は実に快適で、車重も軽く、高速性もいい。

 だから、特に不満は無く、今までの手当てではブレーキ・シューとサドルを変更したに留まっている。少し走りこんでポジションも決まってきたので、ハンドルを調整してさらに最適なものを目指すことにした。

 「新たなハンドル・バーを購入する」という手があって、本来であればアルミの軽量なハンドルを物色するのも良いかも知れないのだが、今回は既存のステンレス製?のバーを切断して全体にグリップの位置を狭くしようと考えている。

 オリジナルのグリップが大分痛んできたので、おおもとではその「交換」が主な作業なのだが、せっかくなのでグリップ交換にあわせてハンドル長(グリップ幅)を変更しよう、という目論見を持っている。

交換前のハンドルグリップ
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<交換の手順>

 今回のパーツ交換で必要となる道具は、手持ちの携帯工具だけで用が足りる。

 2mmのアーレンで、グリップの保持ボルトを緩めれば、既存のグリップは訳も無く取り外すことが出来る。円筒のグリップを交換する際には、バーに密着しているためグリップのゴム部分をカッターで切断する必要があるが、オリジナルのタイプは、心材のパイプがあるのでグリップ部分をカッターで切り裂く必要は無い。

 ハンドルから外せばグリップ自体の再利用が出来る。ただし今回は取り外してまた使えるわけではなく、ゴム部分が劣化し薄皮が剥けるような状況になっている。だから廃棄するほかは無いのであるが・・・。


 さて、交換の手順は以下の通りだ。

 まずハンドルからオリジナルのグリップを外す訳だが、ハンドルをステムに付けた状態でそのままグリップ外縁部にあるボルトを緩める。そうすると少し力を入れるだけで、グリップを引き抜くことが出来る。

 グリップのみを交換する作業であれば、ここから新しいグリップを装着して固定させればよいだけとなる。円筒状のグリップの場合には、中性洗剤を少し用意してバーに薄く塗って摩擦係数を下げて押し込めば、それで交換作業は無事完了となる。

シフター周辺のパーツ この作業中での注意としては、
グリップとシフターとの間に円形のプラスチック板が在って、
これを紛失しないようにする、と言う点だ。

この何気ないシート状パーツの役割は重要で、
シフト・グリップを抵抗無く適度に回転させるためのパーツなのだ。

このスタビライザーを失くしてしまったり、
円形の一部を切ってしまったりすると、
少し悲惨な結果となる。

シフター・グリップ ブレーキ・レバー基部
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 今回の作業では、ハンドル・バーを若干短くするために両サイドを均等に切断する。

 グリップを外した時点で、現状のグリップの位置をビニール・テープ等でバー上にマーキングしておこう。

 そして、今度は4mmのアーレンキーでハンドル上のブレーキ・レバーの基部を緩める。さらに、ブレーキ・レバーとグリップとの間にあった変速用のシフト・グリップの固定を緩める。やはりボルトで固定されているので、2mmのアーレンで緩めて外す。

 このブレーキ・レバー基部とシフター・グリップを緩めれば、ハンドル中央に向かって、それらをずらす事が出来る。その状態でハンドル・バーの切断が可能だ。安全を期すなら、バーそのものをステムから開放して作業したほうが良いだろう。

 切断したハンドルの取り付けは、外す作業の逆の手順となる。ハンドル・バーを外した場合は、センター位置に注意してステムに取り付ける。グリップを装着する前にブレーキレバーの握り位置とハンドルの送り角を充分に調整しよう。ボルトの類は規定のトルクを掛けてしっかりと固定しよう。

切断したハンドル・バー 切断したハンドル・バー

 バーの材質はステンレスのようだ。鉄鋸での切断は少し大変だったが、無事に切り離すことが出来た。

 バー中央部からの長さが左右で均等となるように切断位置を決める必要がある。今回は、片側で35mmほど、だからハンドル長では70mm程度を狭くした。グリップに手を置いた状態で、作業前の位置と比較すると指2本分ほどが内側に置かれる状態となる。
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 用意した新しいグリップは「スペシャライズド」のものだが、少し長い状態だ。

 私のエスケープのシフターはSRAM製のグリップ・シフトなのだが、「スペシャライズド」のグリップはシフターがグリップ状の機構ではない通常のタイプ(クリック・レバー式)での利用状態を前提としたもののようだ。そのままでは50mmほどグリップ長が長いので、未加工で付けるとハンドル・バーの中央の径が太くなった部分までブレーキの保持位置をずらさなければならなくなる。

 せっかくだが、それでは違和感があるので、グリップそのものを切断することにした。

切断したグリップ 切断したグリップ
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 ハンドルへのブレーキ調整。レバーの位置を実際に乗ってみて確認する。

 せっかくハンドル回りを調整するのだから、その位置ももう一度しっかりと決めたいではないか。ハンドル・バーをしゃくり気味の位置とするか、オーソドックスな位置とするか、など様々に変化をつけることが出来よう。

 いろいろ試して乗りながら、最終的な位置調整をする。

取り付け完了
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グリップ交換

 そうやって調整した自転車に乗ってみると、手の置き位置が狭くなったことで、肩や首への負担が減ったように思う。マウンテンのハンドルも広いが、このクロスバイクも若干広い感じがしていたのだった・・・。今回の手当てで劣化グリップも交換できたし、手のひらの置き位置も調整できた。

 やはり、自分のフォームにあわせて調整していく、ということは自転車乗りにとっては重要な部分だろう。

完了
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