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2009.12.18
メンテナンス・交換 ステム

カメラ;
 RICOH CAPLIO GX−100 24−72mm F2.4


三脚
 カメラの手振れ補正による

 (画像添付時に約30%程度に圧縮)



 GTR シリーズ4(2009.11.15 「いざ、ロードへ(自転車に乗ってU)」)  には 100mmのアルミ製ステム(専用品)が装着されている。

 今回の作業は、このステムを交換する。

GTRシリーズ4

2010シーズンモデル GTRシリーズ4 LTD  RITEWAY カタログ・ページより転載 (2009.11 メーカー許諾済み)

 ハンドルはステムによってフォークの軸上に固定されるが、このヘッドシステムは、今ではロードのほとんどアヘッドシステムになっている。昔のロードのステムはL字型(数字の7の逆向き)の独特の形状をしていて、それが実によかった。今のシステムは、ステム本体とスペーサーを交換する事で、さまざまなポジションが調整できる。

 フォークを固定するヘッド部分の固定は難度が高くて、軸受け部分のコラムを締め込み過ぎると球当たりが出て、ハンドルがゴロゴロしてしまう。ハンドルを切った感じがぎこちなくなってしまったり、なかなか難しいものがある。それに比べると、ステム交換は5mmのアーレンキーで手順を守ればよいので、楽に変更ができる。
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<ステムで、ハンドル上下位置を調整する>

 ステムにハンドルを固定しているハンドルクランプは4本のボルトになっているので、これを緩めると、ハンドルの水平部分のバーが回転して角度の調整が出来るようになる。締めるときは対角線を均等に少しずつ締め込んでいく。決して一箇所を一気に締めてはいけない点のみを注意すればよい。また、運転中にハンドルが動いてしまうので、適度なトルクをかけて締める必要がある。アンカープラグ(真上にある6mmのボルト)を緩め、その後コラムクランプ(ステムの後ろにある5mmの2本のボルト)を緩めると、ハンドル自体が左右に振れる。そのまま上に持ち上げれば、ヘッドからスポッと一式を抜くことが出来る。

 ステムの下には、何個かのスペーサ(アルミなどの輪)が組み合わせで入っているので、これを抜けば、ハンドル位置の高さが調整できる。スペーサは普通高さの異なる3・4枚ほどで組になっているはずなので、このうちのどれか、または複数枚を抜けばステムの位置が下がるわけだ。抜いたスペーサは、ステムの上部へ入れて、アンカーを締める。

 これで、ステムの位置を下げることが出来るが、さらに下げる場合は、ステムの天地を逆転させる。ステムは15度ほど上を向いてクランプ部に接合されているので、天地を逆転させれば、大分低い位置にハンドルトップが来る。また、下向きにステムが付いていれば、逆転させることでハンドルのトップを上位置へ引き上げられる訳だ。下向きに換えると、少しハンドル操作が重くなって、従来のフィーリングと変わるので、慣れが必要になろう。

オリジナルのステム アルミ製の専用ステムが付いている。
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 では、ハンドルの前後位置を調整するには、どうすればよいだろうか。

 この場合には、ステム自体を交換する必要が出てくる。ステムはコンポーネントの一部なので、規格化されている。複数のハンドル径があるので自分の利用しているハンドルの中央部の太さと、ヘッドの操縦管の径の両方を確認する必要がある。

 GTR4の場合には、ハンドルは6061アルミ製のオリジナルで、形状はエルゴノミックハンドルだ。中央部は太くなっていて31.8mm、また、ヘッドとの接合径は31.8mmになっている。

 ハンドルクランプ径は25.4mm、26.0mmおよび31.8mmの3種類、ヘッドクランプ径は25.4mm、28.6mm、31.8mm、38.1mmの4種類があるので注意が必要だ。ただし、どちらもアルミ製のシム(二つ割のスペーサー)を噛ませて太さを調整できる。

 このサイズを間違えないように適合する規格の製品から好みの角度と長さのものを見つけて交換すればよい。

<ステムを交換する>

 当初のステムは車体と同色で、100mmのものが付いていた。ブレーキレバーのポジションが遠く感じられたので、ハンドルの角度を調整し、ステムを上向きにしたのだが、それでも遠い気がする。

 それもそのはずで、ジオメトリ表を確認すると、トップチューブ長はホリゾンタル換算で535mm。シートチューブ長は470mmでメーカ表現サイズは<S>のフレームだけれど、トップ部分は長いものなのだ。

 当初はサドルを前に送っていたが、シューズをSPDに変えて長距離を走ってみると、膝が前に出てくる。クランクを3時にして膝とペダル軸との関係を見ると、少し前過ぎるようで、やはりサドルを後ろへ戻す事にした。すると、やはりハンドルが遠くなって、結局ステムを交換する事にした訳だ。

交換前のステム周り 交換したステムの様子
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交換したステムの様子

 交換したのは、70mmのもの。表記されたサイズよりも見た目は大分短い感じがする。逆に以前のオリジナル・ステムは100mmとなっているが、実測ではもう少し長い気がしている。

 取り替えるとやはり快調で、思った位置にブレーキレバーのエンドが来る。

 ハンドルはまだ気持ち上を向かせているし、ステムも上向きで着けているが、これでも充分に前傾する。シートとハンドルトップの高低差は図っていないが、70mmくらいだろうか。後日、正確に測定してみよう。

交換したステムの様子 色は、はからずも
交換したSHIMANOの
105シリーズのブレーキキャリパーと
同色だ。

少し黒味掛かっていて
クロームのような渋い輝きがある。

 もっと、走りこんで行けば、やがて前傾姿勢向きの筋力が付いてくる。風を切って走ることで人間が前向きになるためだ。(いや、これはジョーク)

 やがてステムの上下を変える日がくるだろうと思う。

 余談だが、「ステムを交換する際は、一気に長さを変えないほうが良い」とのアドバイスを頂いた。20mmづつ切り替えて確かめるのだ、という。注意点といえるだろう。高さに関しても同じかもしれない。一度に大幅に変化させては対応するまでに時間が掛かろう。
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<交換の手順>

 交換の道具は携帯工具で用が足りる。ただしトルクが必要になるので6mmのアーレンキーと5mmのアーレンキー位は通常のツールを用意したほうがいいだろう。

 手順は以下の通りだ。

 まずハンドルを外す。これが付いていると何かと作業がやり辛くなるためだ。ハンドルクランプは4本のボルトでとまっているので、これを順番に外す。

 次に、アンカープラグ(真上にある6mmのボルト)を緩める。上のキャップが外れればよい。

 そして、最後にコラムクランプ(ヘッドへの接合部分)のボルトを4mmのアーレン・キー(六角レンチ)を利用して外す。

 取り付けは逆の手順だ。クランプ部(コラムの2箇所も同じ)分のボルトは一箇所を一気に締めないのが、注意点であることは先に触れたとおりだ。アンカー部分だけは少し慎重に回そう。ハンドル軸が緩んでしまっていないかも、厳重に確認する必要がある。

 交換後は、ガタが無いかを確かめる。ハンドルをもって10cmほど車輪を上げて地面へそのまま車体前輪を落として、変なガタがないか、またハンドルを左右に切ってゴロツキが無いかを確かめる。もちろん、ヘッドにきちんと入っている事と、ハンドルが曲がっていない事は確認作業前の大前提なのは言うまでもない。

交換する前の状態 交換後
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ステムを70mmに交換

 人間の記憶力のすばらしさには、目を見張ってしまうが、あんな複雑な姿勢で対応しているのに、ハンドル周りの調整を行うと、すぐに違いが判る。微妙な感覚までつかめるので、すぐに試乗をして新しい感じをつかむといいだろう。

 どうしても違和感があれば、また調整すればいいのだ。
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