散歩(のんびり歩こう)のインデックスページへもどる 散歩(のんびり歩こう)の ページ         Top Pageへ移動Top Pageへ移動        このページを閉じる 閉じる

2009.03.28
赤羽 1番街アーケード

アクセス;
 JR高崎線(宇都宮線、京浜東北線、埼京線)

カメラ;
 PENTAX K10D

レンズ;
 PENTAX DFA 100mm F2.8 マクロ
 PENTAX DA 18−55mm F3.5−5.6 ALU
 PENTAX DA 50−200mm F4−5.6 ED

三脚;
  K10D:カメラの手ぶれ補正にて、三脚は不使用

 (画像添付時に約70%程度に圧縮)


 JRの「赤羽(あかばね)」駅はターミナル駅ではないが、「上り」で言うと上野方面と池袋・新宿方面との分岐であり、「下り」は大宮方面へ向かうが、京浜東北線・宇都宮線・高崎線・湘南新宿ライナーと、別線となる埼京線とが分岐する要の駅だ。

 こうした立地のため、乗降客自体は多くないが8番線までの乗り入れがあり、構内を移動しての乗り換え客は非常に多い。一昔前にすべての番線の高架が行われて横一列に四本のホームになったたため、乗り換えは階段の登り降りを伴う。以前は埼京線の下側が高崎・宇都宮線であり、湘南新宿ライナーはまだなかったので三本のホームが立体的にレイアウトされていた。だから乗り換えは階段を登るか降りるかすればよかった。今では高架上の平面にすべてのホームが並んでいるので、例えば高崎線と埼京線との乗り換えでは階段を二階分降りて移動し、同じ分をまた登る必要がある。

赤羽、1番街
ページTopへ移動
 赤羽(あかばね)の東口側は古くから繁華街が開けていた。学生の頃、友人がこの町に住んでいて何度も遊びに訪れた記憶がある。私は同じ雰囲気を持つ駒込の山手線の外側に住んでいて、家のすぐ前に「霜降り銀座」というちょっとした商店街があったので、雰囲気が似ている。ようは東京の北部の繁華街になる、下町だ。

 幾つか分散する商店街は当時から賑やかだったが、駅の西側は今とは大分様子が違っていたように思う。もっと丘というか、切り通しというか、はっきりとした丘陵状の斜面が駅へ迫っていたように思う。ヨーカ堂やその他の大型店舗のある駅前は、今とは大分様子が違っていたように、おぼろな記憶がある。

 当時は「埼京線」はまだ開通してなくて、池袋―板橋―赤羽間を結ぶ「赤羽線」が走っていた。そのホームは京浜東北線や高崎線側からすると、切り立った斜面(壁面)の上にあって今の高架と同じほどの高さがあったように思う。駅の西側は板橋方面へ向かって「山手台地」が始まる場所であり小高い丘となっているのだが、もっと駅に近いところまで丘が迫っていたように思う。

 駅前には大型の店舗はまったく無くて、山手台地(やまのてだいち)と新河岸(しんがしがわ)川の河岸段丘がせまっていたのだが、、80年代以降90年代半ばのバブル期にどんどん再開発されたようだ。

 当時の町の雰囲気はもっとこじんまりとしていて今の「王子(おうじ)」駅界隈のようであったが、今では北区一番の繁華街となっている。

アーケード街 はじめて来た人は

誰しもしばし呆然とし
通りを眺めて佇んでしまう。


無理もない、
雰囲気は
台湾の「夜市」の街並みだ。

縁台とパイプ足の丸椅子を並べた
屋台が無いのが
違いといったところだろうか。
ページTopへ移動
 赤羽の商店街は東口と西口に大きく分かれるが、東口側は駅前だけではなく、複数の商店街やアーケードが分散している。

 駅前から始まるのが、「1番街」の商店街だ。「一番」ではなく算用数字の「1」であるところが変わっている。こんな例は他にはないと思うが、なぜだろうか? 全体とすると古い店が多い。入り口に近い一角に気の利いたおもちゃ屋さんなどがあったが、今は取り壊されてビルが建築中だ。再開発が進んでいる。

 ゲートからまっすぐに数百メートルほど商店が続き、この中央の通りの両脇の店はどの店も営業中だ。飲食店が多いが、瀬戸物屋やお茶屋、カメラ店、和菓子屋などもある。

 通りの中ほどにはうなぎで有名な「まるます屋」という居酒屋がある。以前、中学・高校と同級だった幼馴染とこの街の中古カメラ店で偶然に再会(およそ10年ぶり)した折に一度この店で飲んだことがある。いつも客が一杯で入れないのだが、そのときは幸いにすんなり入ることが出来た。この店の不思議なところは、何時に通っても店内は飲み食いする客で一杯なことだ。朝でも昼でも、飲んでいる客で一杯で、つねに活気に満ち溢れている。

 その通りから「OK横丁」や「明店街」、「中央街」や「シルクロード」などの名称が付いている幾つかの路地があり、そうした名前の付いた路地は勿論、名前のない小さな路地の奥にも実に多くの飲み屋さんが連なっている。焼き鳥、ホルモンの店が多いが馬刺しや川魚料理(うなぎや鯉)なども多いのが特徴だろうか。

アーケード ご機嫌な定食が楽しめる

 「1番街、シルクロード」という名前がついたのは、生地屋、ブティック、衣料店、婦人服店、縫製店などがあるからだろうか。

 両脇の店の間の通路は3・4mといった所か、その頭上にはアーケードがあって雨に濡れる心配が要らないが、1番街で屋根のあるのはこの通りだけだ。せっかくの設備なのだが、多くの店はシャッターが下りていて営業をしていないようだ。

 幾軒もシャッターが下りているが、炭火のホルモン焼き屋さん、肉まんがおいしそうな中華屋さん、おもちゃやさんや古本屋さんや酒屋など、通りの名前とは外れた店舗が営業を続けている。仏具店や文具店など入り口に近い幾軒かの店は少し前にはやっていたように思うが最近は閉めてしまっているようだ。)

 こうした中に目的の店がある。美味しい食事のできる「とんぼ」は、中央の通りから初めの路地を右に入ると始まる、このわかりずらいアーケードの中にある。
ページTopへ移動
店内の様子 「鳥唐揚げ」定食

 最初にこの店に入ったのは、去年の秋だった。

 アーケードにある古書店へよって「写真家の案内する東京の下町」という古本を買ったのがきっかけだった。本を買って、さて「おでん」を食べるか、「マグロ丼」をたべるかと迷って、ふと眼にしたのが、「とんぼ」の店先にだされた「お品書き」だった。

 昼の定食が案内されているのだが、どれも700円ほどなのだ。居酒屋なのだが、こうした古い店の昼の定食は美味しい事が多い。私は何か感じるものがあって、店に入ってみることにした。

 少し店内が雑然としているが、それは仕方があるまい。夜が主体の商売であるから、こうした雰囲気になるのだろう。メニューを見ると居酒屋というよりも小料理屋のそれだ。最近はチェーンの居酒屋や焼き鳥屋ばかりがはびこって余り見かけなくなったが、魚を中心にしたきちんとした料理が楽しめる店のようだ。さて、そこで出てきた食事であるが、期待を充分満たすもので、正直驚いた。味噌汁や突き出しの小鉢が、実に美味しい。

 その驚き以来、私はすっかりこの店のファンになってしまい、ここで食事が出来そうなときは極力寄る様にしている。赤羽で途中下車するのは、ここで食事をするためだが、ここでの食事が目的で赤羽まで来ることもある。埼京線だと北与野からは25分ほど時間がかかるが、さいたま新都心駅からの高崎線や宇都宮線なら僅かに15分ほどで赤羽に着く。
ページTopへ移動
「鯵の紫蘇巻き」定食 「とんぼ」の入り口

 赤羽を散歩することにしたのも、この店で食事するためで、かねて、子供には「唐揚げ」の美味しい店を見つけたから今度食べに行こうと話していた。

 今日は、「唐揚げ」定食と「鯵の紫蘇巻き揚げ」定食を注文した。すぐ上の写真が「鯵」だ。私は鯵フライのような状態を想像していたが、ゴーヤ、ナス、カボチャ、などの天麩羅と一緒に品良く紫蘇に巻いて天麩羅にされた鯵が出てきた。

 ちなみに、四種類ほどの天麩羅(鯵四枚と先の野菜天)が主菜であるが、たっぷりのレタスサラダ、しめ鯖(ママカリかも知れない)ときゅうりの酢のもの小鉢、しば漬け、ほうれん草の味噌汁、パイナップルとイチゴのデザート、ご飯が定食の中身だった。
ページTopへ移動
店内に飾られた絵

店の中に飾られた絵手紙。
味のある絵が幾種類か張られている。

以前の店内にはマスコットやトロフィーなどが飾られていたが、今は改装されて、何枚か前に掲載した写真のようにすっきりした様子になっている。
改装前(2009.01.04)

以前のテーブルの状態

 今年の正月四日、きちんとした家庭料理が食べたくて「赤羽」に出かけた。
 
 家族は暮れに舘岩(たていわ)へ二泊三日でスキーに行った後、28日から帰省している。だから私は26日から自炊が続いていて、しばらくまともな食事をしていなかったためだ。三日になってやっと休めたのだが、休みらしく休息した反動だろうか、どうにも家庭的な食事をしたくなってきて我慢できなくなった。間に合わせなら私にも作れるが、悲しいかな、きちんとした料理はまるでだめだ。どうしようか考えていると、ふと和食の味(味噌汁の出汁の味)を思い出した。

 はじめて訪れたのは、確か去年の十月だった。そのとき、味噌汁が美味しかったことを話したら、ダシの素を使うのではなく、きちんとした方法で「出汁」をとって作っているということだった。久しく外食で味わった事がない深い味であった。すかさず、お気に入りリストのトップに記憶した。だから忘れずにこの店のことが浮かぶ。

 正月からやっているかと危ぶんだが、しっかり営業を始めてくれていて写真の「しゃけの焼き魚」定食を味わえた。久しぶりのまともな食事で、私はお陰様ですっかり元気を取り戻したのだった。

「焼き魚」定食 焼き魚定食の魚は秋刀魚と鮭と赤魚が選べる。
鮭は好物なので、いつも鮭を頼んでしまう。
ページTopへ移動
刺繍やさん BE-PAL

 アーケードには他にも色々な店があるが、これはそのすぐ向かい側にある刺繍店「小鮒ネーム刺繍店」だ。

 設立は1949年(昭和24年)、終戦直後であるから実に長い歴史だ。その技術は高く評価されている。赤羽の店では、ショーウィンドウにワッペンが飾られているが、目を引いたのは、BE−PALの懸賞ワッペンだ。

 大分前(たしか10年以上前だった気がする)のことになるが、私はこのプレゼントが欲しくて応募して、実はクマのデザインのものを持っている。

刺繍やさんの仕事
ページTopへ移動
 さらに奥へ行くと、有名な「おでん」屋さんがある。

 「丸健水産(まるけんすいさん)」という名前で、練り物の即売をしている店だが、その店舗の一角で「おでん」の煮売りもしている。何度かトライしようとしたが、まだ、この店のおでんを食べていない。カウンターには張り紙があり、「酔っ払いお断り」と大書きされている。その貼り紙のためという事は無いのだが、どこか、お願いするのに気後れしてしまう。

 入り口はなく、アーケードの通りに面して暖簾があり、カウンターがある。だから通りから立ち止まってからだの向きを変えるだけで、店による態勢が完成する。お手軽な感じが返って躊躇に繋がっているのだろうか。

 おでん一皿とお酒で700円のセットが頼める。

おでんやさん(丸健水産) 丸健水産
ページTopへ移動
名物、まぐろ丼(限定、500円) ちょいと一休み

 シルクロードのアーケードをおでんの丸建水産の先で抜けて1番街へと戻り、通りをなおも奥へ進むと、ホルモン焼きや焼肉店の向かい側、老舗の和菓子店のならびにある意味で有名な寿司屋がある。「築地鮮寿し」という名前の「回転寿司」なのだが、カウンターの中には年季の入った職人さんがいて握ってくれる。裏の厨房でバイトのお兄ちゃんやロボットが作る回転寿司とは、根本が違う。

 ここはどんぶりの定食が名物で、そのためにこの店は界隈では有名だ。海鮮丼やトロ丼などもリーズナブルでいいが、写真の「まぐろ丼」が特に人気のもの。その理由は値段にあって、このボリュームで僅かに500円だ。少し前までは399円だったらしいが、このご時世ではその価格を維持するのは難しかろう。

 数量限定(20食ほど)なので、あっという間に品切れとなり、店の前のたて看板には、「品切れ」の張り紙がされる。私も昼時に赤羽に来るたびにチェックするが、ずっと食べることが出来なかった。先日、やっと品切れ前に間に合って、待望のマグロ丼にありつけた。マグロの切り身の厚さと量には圧倒される。

 写真の味噌汁は、「アラ煮」だ。こちらはカウンターの横に大きな寸胴が置かれていて、セルフサービスのもになる。値段は無料なので、まさにサービス品なのだが、美味しかったので、思わず御代わりをしてしまった。セルフなので具を少なくするなど、自分で量を調整できる。

 <2009.10追記>
 過日、アーケードを通って店舗へ行ったが、看板が降りていた。
 余りにもリーズナブルに提供し続けたためだろうか、折角の店だったが閉店を余儀なくされてしまったようだ。残念この上ない。
ページTopへ移動
静勝寺(じょうしょうじ) 静勝寺(じょうしょうじ)のソメイヨシノ

 駅の反対側、西口にも商店街が広がるが、こちらは大型店舗が主体だ。だから、東口にある幾つかの商店街(1番街の先にも大きなアーケード街がある)のような冒険するような楽しさや、レトロな感覚を味わうといった趣は無い。目的を持った買い物向け、といったところだろうか。


 さて。

 駅前から少し外れて、丘の斜面が見えるあたりまで行くと、石段が見えてくる。下の路面からは石段しか見えないが頂きには寺院がある。「静勝寺(じょうしょうじ)」だ。

 室町中期の武将・「太田道灌(おおた どうかん)」が、砦として使用したといわれる稲付城がこの丘一帯に広がっていたらしい。江戸城(徳川時代のものではない)と岩槻城を結ぶ拠点の砦だった。道灌の死後、その子孫が稲付城を寺にしたのが静勝寺のはじまりとのことだ。古刹といえるだろう。

静勝寺(じょうしょうじ)のソメイヨシノ
ページTopへ移動
ソメイヨシノ ソメイヨシノ

 秋の紅葉の時期のモミジも美しいが、斜面沿いや境内にある桜も美しく咲いている。丘の上にあるため、周りにビルなどの遮蔽物が視界に入らない。このため、東京都区内にあるにもかかわらず、落ちつた雰囲気がある。

 写真でもそうした状態がお判りいただけようが、寺院の本堂の大屋根の向こう側は青い空が広がりるばかりなのだ。だから、この場所に居て暫くゆっくりとしていると、都内ではなく、どこか別の土地にいるような気になって来る。

ソメイヨシノの若花 桜
ページTopへ移動
 小高い丘の頂上に桜の木があるためか日光が充分に当たって花が大分咲いていた。ここまで咲いていると、ほんの数日で見る間に満開となろう。

 食事のときに聞いた話しだが、六義園の枝垂桜がもう満開になったらしい。

 赤羽からも近い王子の飛鳥山(あすかやま)などは、もう大分咲いたのだろうか。飛鳥山自体を覆う多くの桜やすぐ近くの石神井川(しゃくじいがわ)の親水公園の周りの桜も実に見事に咲く。

 桜が咲きそろうと気分が浮き立つが、これらの場所は普通の公園とまた一味違う雰囲気があって江戸のお花見気分が味わえる。

モミジの若葉 桜
ページTopへ移動