のんびり 行こうよ: 20070407:裏高尾を登る―穀雨(高尾山)

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2007.04.21
裏高尾を登る;穀雨

アクセス;
 JR中央線―高尾駅または京王線―高尾駅 より小仏方面バス(小仏バス停下車)

コース;
 高尾駅北口〜多摩森林科学園(10分) ちなみに開園は9:30

 高尾駅北口バス停より 小仏行き(小仏下車);乗車時間20分
    ―休日はバスが大変な混雑だが、発射時刻に対して2・3台が増発され、一度に発車している。

 小仏バス停〜小下沢分岐;45分、〜景信山(727m);30分、小仏峠(548m);35分、
 〜城山(670m);40分、〜一丁平;15分、〜もみじ台;20分、〜高尾山頂(599m);25分、
 〜4号路(45分)、〜琵琶滝コースにてロープウェイ駅(30分)
 *括弧内は標高、時間表記は区間所要

カメラ;
 PENTAX Ist−D

レンズ;
 PENTAX DA18−55mm AL F3.5−5.6
        DA50−200mm ED F4.0−5.6
        A50mm マクロ F2.8

三脚;
 ベルボン ULTRA STICK50

 (画像添付時に約30%程度に圧縮)


 先日、「高尾にてお花見ハイキング 下山後 <そば屋>でまったりしませんか?」 との魅力的な勧誘メールが来た。
 
 恒例の『ワンゲル部・春のハイキング企画』の案内だ。
 
 ちょうど「日影沢(ひかげさわ)」から裏高尾(うらたかお)のコース取りで<すみれ三昧>の写真ハイクを考えていたところだった。案内を見ると、景信(かげのぶ)から小仏(こぼとけ)・城山(しろやま)・高尾(たかお)というコースを採るという。これなら、静かな山が楽しめそうだ。

 その案内には「まったり」「そば」だけでなくさらに「ゆるゆる」など魅力溢れる言葉が続いていて、参加意欲を妙にくすぐるられる。
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 多摩森林科学園の花たち
  
チューリップと桜
ヤマエンコグサ

 コースとしては楽な選択だが、距離(全行程で15Km位か)は決して短いわけではない。そうは思うが、悪いことに最近腰痛が続いていて長時間ザックを担ぐ負担に耐えられるか、と参加にはだいぶ躊躇した。

 しばらくどうするか悩んだが、やはり結局は参加する事にした。いや、参加して正解だった。この時期にあっては贅沢といえるだろう、想像通りの、ひときわ静かな低山ハイクが楽しめた。


以下はクリックすると、スライドショーを表示
 画像のダウンロードに若干の時間が掛かるのでご注意願いたい。

2007・04・21;穀雨―高尾山の花 スライドショー


<05.01 追記>
すぐ翌週、4月29日に子供と一緒に「日影沢(ひかげさわ)」へ行った。沢山の花が楽しめたので、その様子を以下にリンクしておこう。

2007・04・29;裏高尾:日影沢を登る の ページを表示
2007・04・29;裏高尾:日影沢の花 スライドショー を表示
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山桜(白露)

多摩森林科学園   山桜(白露)
山桜(狩衣)

山桜(狩衣)

 当日は、高尾駅に到着したのが集合時間より一時間も前だったので、行きたかった「多摩森林科学園」へ行ってみた。

 この施設は、資料館や演習林としてだけではなく、野生種から栽培種など約250種類、2000本!に及ぶ各種のサクラを保存・研究の目的で集めている。花好きにとっては、ここだけで日本全国ほぼすべてのサクラが楽しめる便利さで有名な場所だ。

 行ってみると、開園時間は9時半からと案内板が出ていた。まだだいぶ早かった。しかも、出入口は入念にロックされていて、どうにもならない。今回の集合時間は9時だから、どう考えても入場は無理ということだ。残念だが仕方が無い。

 悔しかったので、科学園の塀際に咲く花を少し撮ってみた。
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実は、ここは城があった古戦場だ。
ムラサキケマン

ヤマエンコグサ カキドオシ
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 「高尾山」では、<高尾若葉まつり>の最中で、「一丁平(いっちょうだいら)」あたりの様子がポスター化され、麓の店先に貼られている。高尾の麓は、お土産屋さんやそば屋さんなどが京王:高尾山口駅からロープウェイ駅までの間に軒を連ねて続き、実に賑やかだ。それは門前町の様でもあり温泉街のような雰囲気もあって楽しい場所だ。

 ポスターに語られるまでも無く、若葉萌える、山美しい時期だ。しかも高尾は広葉樹林が多く、その植生は豊富・多彩で、気分よく楽しめる場所だ。

 「高尾山」は都市近郊の低山としては特殊な山で、その植生の多様性は有名だ。ちなみに、イギリス全土の植物数よりこの山の植物種数が勝っている。

 そんな高尾を舞台にしての「お花見ハイク」が今回の企画なのだ。

チューリップと桜

2007・04・21;穀雨―高尾山の花 スライドショー
 を表示します。
 高尾駅
  JR高尾駅(北口)

 さあ、登ろう
  小仏バス停からの登り始め(すでにダレている)
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 群馬の山沿いまで行けば別だが、関東平野での桜花はもう終わっている。

 この時期に、新宿から40分ほどの都市近郊という条件で桜が楽しめる場所は数少ないが、そうは言っても、高尾の桜も今週あたりがピークであり今年最後のチャンスだろう。

 さらに(と言うか、まあどちらでも良いと言おうか)、去年のゴールデンウィークにもやっていた「京王・高尾スタンプラリー」の企画がまた始まっている。

 花見ができる状況や各種のイベントなどの要素が重なっているから、もともと休日には混雑する<1号路>から薬王院、高尾山頂が、さらにすさまじい状況となっている。

オカスミレ アカフタチツボスミレ
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 この日の高尾山頂は、種々雑多な人々で溢れていた。

 何で来てしまったのか訳がわからないハイヒール姿のお姉さん(場違い以前の問題だと思うが)、限界を超えて酔っているおっさん、浮かれすぎた若者、われわれのような はしゃぐ中年グループなどなど、低山として割り引いて考えるにしても、それはひどい状態だ。

 ロープーウェイ駅横の参道から山頂までの間や山頂の広場は、まるで花見時分の上野公園と変わらない様子になっている。


 通常の高尾山ハイキングコースの起点の「高尾山口」から登っていたら、これらの人波に運ばれるようにして山頂まで行くことになったろう。ずっと視界を満たすのが勘違いした集団ばかりとなっていたら、今回の山行はすこしも楽しくなかったに違い無い。

広葉樹林からヤマザクラを見る

ヤマザクラ
相模湖

城山より 相模湖を望む
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エイザンスミレ エイザンスミレ

葉に特徴がある。
(本当は細葉と太葉で種類が違うらしい)

エイザンスミレ

 オーバーユースが危惧されて久しい高尾山だが、なるほど、この状況を目の当たりにすれば頷ける。ケーブルカーやリフトがやはりまずいのだろう、と思う。だが、足の弱った人やハンデのある人でも豊富な自然が溢れるこの山を楽しめるのは、整備された手軽さがあるためということは判っている。

 この状態が続いていたら、<1号路>から山頂までとその先は、遠からず植生が絶えてしまうことだろう。

 だからだろうが、高尾山頂から「もみじ台」、「一丁平」から「城山」までの桜(美しいヤマザクラ)の見事なメインコースでは、「植生復元中」の注意看板と、コースを逸れての進入を防ぐためのガードロープ(トラ・ロープ)が厳重に張られている。ロープがあっても越えてしまう人もいるのだろうが、やはりそうしたガードがプレッシャーになるに違いない。

 こうした保護活動はさすが「明治の森 高尾国定公園」だけのことはある。ここを舞台に古い歴史を持ったいくつもの保護団体が動いているのだろう。

ミズナラ エイザンスミレ
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ヒトリシズカ ヤマボケ

 「植生の豊かな山」と書いたが、「小仏(こぼとけ)」側(日影沢林道側)から登ると、その豊かさが実感できて、お勧めだ。

 ゆるやかな登山道脇のそこかしこに様々な花が咲いている。

 幾種類もの「すみれ(オカスミレ、アカフタチツボスミレ、エイザンスミレ、タカオスミレなど)」や、ポピュラーな「ヤマザクラ」や「シャガ」、注意しないと見落としてしまうような「ヒトリシズカ」や「ヤマボケ」、珍しいところでは「イカリソウ」などが咲いている。

イカリソウ ヤマザクラ
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小仏峠へ 小仏峠

 「城山(しろやま)」から高尾山頂へ向かう道筋には、「一丁平(いっちょうだいら)」、「もみじ台」と気持ちの良い尾根道が続く。そこは「ミズナラ」や「ブナ」や「シラカバ」などの広葉樹が多く、道脇には大きく伸びた「ヤマザクラ」が見事に咲いていた。

 そんな明るい森を楽しみながら登り降りして、視界の開けた城山の山頂に着いた。そこで私たちのグループは昼食をとった。「城山」は、高尾山口駅側から登った場合には高尾山頂のさらに奥ということになるが、この場所は相模湖(さがみこ)や日影沢(ひかげさわ)、小仏(こぼとけ)へ抜ける十字路だ。調べたことがないが、こうした要衝だから、古くは城砦があったのかも知れない。(そのため「しろやま」と呼ばれたのだろうか)

 有名な「なめこ汁」を出す茶屋が山頂にあり、椅子(木組みのテーブルと縁台状の長いす)に腰掛けて食事ができる。そのため、いままでの静かな山道と違い一転してかなり混雑していた。

城山にて昼食 一丁平にて、ランナーを呆然と見送るメンバー

仕入れた椎茸を焼く
メンバー撮影
新緑をスケッチをする
メンバー撮影

 そんな混雑する山頂のなかでも少し静かな北側の斜面に陣取って、それぞれがお湯を沸かし準備してきたラーメンなどを作ったが、私は麓で買い込んだ見事な椎茸を焼いてみた。焼き網の準備が無かったので、途中で拾ったサクラの枝であぶり焼きをしたが、いや、これが思いのほか美味しかった。

 この美味しさは、景色や空気、メンバーが担ぎあげたビール(実は発泡酒でないビールは実は久しぶり)、などひき立て役となる隠れた要素がいっぱいあったためもある。

 城山山頂では、のんびりと食事をとったので、スケッチをする時間もあった。

ヤマザクラ シャガ
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オオヤマヤマザクラ 4号路のつり橋

 下山後の「そば」と冷えたビールを意識して、もうひと踏ん張りして体を絞り込もうということで、高尾山頂から<4号路>に向かい、「つり橋」を通り<1号路>へ一旦合流、そこから<琵琶滝コース>へ下っていくことにした。 実はこの選択、山麓の「薬王院(やくおういん)」の参道でもありメインストリートでもある、混雑する<1号路>を避けたかったためもあるが・・。

 「つり橋」周辺は、新緑がもうかなり深く、やはり気分よく歩くことができた。この<自然探求路(4号路)>は、渓谷が下に見えるので深い山に居るような気分が手軽に味わえるし、比較的空いている、山頂からの下山路としてはお勧めのコースだろう。

4号路の降り

 「薬王院」を迂回するような状態で、一旦ロープウェイ駅の手前あたりの<1号路>へ出て<4号路>は終わる。

 その合流から<1号路>を挟んで横切るような状態で始まるコースを下る。このコースは、途中で琵琶滝の横を通る暗い道だ。だが、このコースを採れば、薬王院前からの下山時間は、(ロープウェイは別として)他のコースと比べると最短になる。

 ここでも「シャガ」や「ニリンソウ」が咲いていて、また花が楽しめた。

琵琶滝 ニリンソウ
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ヤマブキ アツモリソウ

 朝の九時から登り始めたが、下山すると夕方の五時近く。かなりの時間になっていてた。

 早く店に入らないと閉店してしまう。でも、同じ考えの人たちで目星をつけていた美味しそうな店はどこも満席だ。仕方なく高尾山口駅に一番近い方にある店に入ったが、あまりしっくり来ないのでまずビールを頼んでペースを落として休んでいた。一遍に注文を重ねず様子見といった趣だ。そうこうしているうちに学生の大集団(30人を越えるほどだろうか)が入ってきて、そばの注文どころではなくなってしまった。

 最初にあきらめた店まで戻って見ると、幸いにも店をでる人たちとの切り替えで丁度入ることができた。

下山後のお楽しみ(焼酎の蕎麦湯割り) 下山後のお楽しみ(美味しかった二八そば)

 名物とメニューに書かれた「おぼろ豆腐」や「地酒」、珍しい「焼酎の蕎麦湯割り」も楽しんで、それで充分満足したのだが、当初の目的も達成しなければならない。

 仕上げはやはり「蕎麦」。

 残念なことに、一軒目で時間を食ってしまったせいか、この店自慢の「十割そば」は品切れであった。一軒目がしっくり来なかったせいか、本当に残念だ。 「十割そば」は次回の課題としてあきらめて、「二八そば」を注文した。

 疲れていた事も関係しているのだろうが、あまり期待していなかったこのそばは、実は逸品であった。しっかりとした腰があるのに、のど越しが良い。つゆも絶妙だ。 また、食べに行きたいものであった。
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