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カメラ : 35mm 一眼レフ
PENTAX Aレンズ

カメラ;
 ASAHI−PENTAX Super−A

  1983年発売
  (ボディ価格:68,000円 ・・・当時の大卒初任給は120,000円 日産ブルーバード 1,628,000円)

レンズ;
  SMC−PENTAX A シリーズ (バヨネット Kマウント;情報接点付き)


広角;24mm F2.8
    35mm F2.8
標準;50mm F1.4
    50mm F1.7
望遠;100mm F4.0 デンタル・マクロ


 Mシリーズは発売当時世界最小・最軽量を謳ったボディであった。それを受け継いだこのカメラは、システム・カメラなので交換レンズや各種アクセサリーが同じコンセプトで多数開発された。ボディは、マルチモードに対応しているので、レンズもそれに対応した機構が必要となる。シャッタースピード優先モードに対応するためには、ボディ側での絞り設定を制御する仕組みが必要となる。

 各モードを実現するにはボディとレンズと間の情報交換を行う必要がある。連動制御のための電子接点を設けた。そうした新たな機構を盛り込んだ上で既存のMレンズとの互換を保つ新マウントとして開発されたのが「KAマウント」だ。そしてその連動機構をマウント部分に持つのが「Aシリーズ」と名付けらて新たに開発されたレンズ群だ。

 Mシリーズのレンズ構成を基本的に踏襲していて、マウント部にボディとの情報接点の端子と絞り制御用のポジションバーが必ずついている。

 この新しいレンズシリーズでは、絞り環の絞り設定値をクリック付きの「Aポジション」にすると、AE設定時にカメラ側で絞り値を自動制御出来る。とうとうここまで来たか、と驚いた25年前の画期性は、しかし今では当たり前の機能だ。
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Super−A

 シャッター速度は<ME>の改良機の<ME−Super>譲りの小さな上下の2つのボタン(ダイヤルではなく電子ボタン式を考案したのはPENTXが初)で調整する。レリーズボタンのすぐ横にあるので、人差し指を少し伸ばせば難なく操作ができ、慣れるとコントロールし易い仕組みだ。

 プログラムAEやシャッター優先AEとして撮影出来るのは、絞り環にAポジションを持ちレンズマウントに情報接点を持っている機能対応型のレンズを装着した場合になる。勿論、Aポジションの無いレンズであるSMC−PシリーズMシリーズ、リコーやコシナなど情報接点非対応の他社製Kマウントレンズ、などでも「Super−A」で撮影が出来るが、その場合にはレンズ側との情報の受け渡しが出来ないのでボディが提供する多彩なモードは使えない。開放測光での絞り優先のモードのみとなってしまう。

 マウント・アダプター(形式変換をする特殊パーツ)越しの接合となるTAKUMARレンズでは、すべて絞り込みでのマニュアル露出となる。

LX
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24mm F2.8 24mm F2.8

<24mm F2.8 SMC−PENTAX A>

 広角群の中の広角が、このレンズ24mmレンズだ。

 このレンズはデジタルシフトしてから中古で購入したもので、実は35mmフィルムでは利用した事がない。そのため本来レンズが想定した写角での描写の性質はよく分かっていない。

 SMC−TAKUMARの24mmF3.5は彩度が高くてよく利用したレンズで、今でも気に入っているが、そのレンズとは少し性格が違っているかもしれない。キッチリとした描写をするレンズ、というのがデジタルで利用したこのレンズの印象だ。

 デジタルでの利用による35mm換算では35mm相当なので、写角としては使い易いのだが、大胆な逆光撮影ではハレーションが起こる。24mm用のフードを持っていないので、帽子をかざして「ハレ切り」をして撮影している。

A 24mmF2.8
SMC−PENTAX A 24mmF2.8  2008.01.04  K10D 与野一山神社 1/6  f2.8
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<35mm F2.8 SMC−PENTAX A>

 広角群の写角を持つ中でのスタンダードといってもいいのが、このレンズだ。

 Aシリーズでのレンズは開放値F2.8で、MシリーズのF3.5のレンズとは構成が異なる。このレンズでは絞りを開けても絞っても、描写する画像の性質はほとんど変化しない。だからごく普通の描写をするレンズであるといえよう。MシリーズのF2のような味のあるボケ具合はあまり期待できない。

 湖などの広がる風景を撮るとイメージ通りの絵になって、周辺光量の低下などの問題も無く、安心できる安定した性能のレンズだと思う。

35mm F2.8





SMC−PENTAX A 35mmF2.8
  2008.01.04  K10D 与野円乗院 1/125  f3.5
35mm F2.8

A 35mmF2.8
SMC−PENTAX A 35mmF2.8  2006.10.22  Ist-D 上尾 丸山公園 1/500  f2.8
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50mm F1.7 50mm F1.4

<50mm F1.7 SMC−PENTAX A>

 SMC−TAKUMARの55mmF1.8は、カチッとした緻密な描写をする標準レンズだった。

 シリーズとしては、その他にF1.7とF1.4の50mmが標準レンズの高性能タイプとして用意されていたのだ。TAKUMARレンズからMシリーズへ引き継がれたのは、ふたつの50mmレンズであった。

 Aシリーズでも、同じスペックのレンズがそのまま採用されている。内容やレンズ構成は、Mシリーズと変わらないものだと思うが、どうなのだろうか? 私は、AシリーズのF1.4の描写の方が好きなのだが、Mシリーズと比較すると少し色が違うような気がする。気のせいかも知れないが、Mシリーズのレンズの方が若干アンバーが強い気がする。

 50mmの開放F値が異なる2本を比べると、風景を撮る場合にはF1.4よりもむしろF1.7のほうが向いていて、カリッとした「しっかり感」のある絵が撮れる。

50mm F1.7
A50mm F1.7  1/500 f2.8  2007.04.07 与野霧敷川の桜
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50mm F1.4 50mm F1.4

<50mm F1.4 SMC−PENTAX A>

 <MZ−3>を購入したときには最初その便利さからズームレンズを使っていたが、何かの拍子に50mmF1.4をつけたことがある。

 上がってきたプリントのその描写に驚いて、改めてこのレンズの素性のよさが理解できた。ボディのコンセプト同様に小型高性能のこのレンズをしばらく着けたままにしたもの。

 その後のFAシリーズでも同じスペックの標準レンズが引き継がれているが、FAシリーズでは少しレンズの仕組みが変わったようだ。


 50mm標準レンズは、その昔はメーカーの顔であった。オールラウンドに利用できしかも高い性能が期待できるので、何本もは必要ないが、一本は持っていていいものだと思う。

 特に、このF1,4は素晴らしい。開放近くでのボケ味とF5.6位に絞った場合の緻密な鮮鋭感という、異なった性格を持っていて、二つの面(味)を楽しめる。

50mm F1.4
A50mm F1.4  1/125  f8.0  2008.10.11
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50mm F2.8 マクロ


こちらは、同じ標準でもレンズ構成がまるで違う。
50mm F2レンズはPENTAX標準レンズとしては異質のレンズだ。
小型・軽量のSuper−Aボディは世界最小・最軽量だが、このレンズもすこぶる小型・軽量に仕上げてある。

多分F1.4の半分ほどしか重さが無いだろう。


フィルム撮影においては絞り込んでの風景専用レンズであったが、デジタルでは75mmF2の堂々たるポートレイトレンズとなる。写し方にもよるが、近接撮影でのボケ味が自然であり、開放F値が低いだけで描写自体は決して悪くない。
A 50mmF2.0
SMC−PENTAX A 50mmF2.8
  2006.10.22  Ist-D 1/125  f2.0
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100mm F4 デンタルマクロ 100mm F4 デンタルマクロ

<100mm F4.0 デンタル・マクロ SMC−PENTAX A>

 SMC−Mの100mF4.0のマクロ・レンズと同じ構成で、Aシリーズ仕様(ボディとの情報接点の端子つき)となったものだ。

 このレンズでは等倍の撮影はマクロ用の中間リングを接続しないと出来ない。でも、私の場合には等倍の撮影には縁が無い。現行のマクロレンズDFA100mmでもFA100mmでもTAMRON90mmでも未だに撮ったことが無い。利用しないとすれば、ヘリコイドの繰り出しが少なくて済む分、レンズ長をコンパクトに出来るわけだから、むしろこの仕様のほうがありがたい。

 レンズ鏡筒は金属製でエンジニアリング・プラスチックではない。そのため最新レンズなどと比較する少し重量がありときわめて頑丈なつくりになっている。そんな経験は実際には無いので心配の必要は無いが、草原の上に落とすなどというアクシデントに対しても安心だ。金属の分だけ若干重くなる訳だが、マクロ撮影ではむしろ不要なブレを防ぐためにはこの重量が必要だ。「若干重い」と書いたが、この重さであれば野山で一日持ち歩いても頚椎の痛みにひびくほど重いという実感が無い。

 往年のPENTAX・Aシリーズではマクロ関係の豊富なオプションがレンズと共に充実していた。各種の中間リングやヘリコイドやベローズ、アングル・ファインダー(ペンタックスではレフ・コンバータと呼称)などが用意されていた。接写用のレンズやそのシステム展開は、メーカーのブランドコンセプトのあらわれであり、看板だったのだ。

 レンズのつくりを細かく見てみよう。対物側では反射防止用の溝が切られた金属環が付ついている。その奥に対物レンズがある形だが、この鏡筒の部分が簡易的なフードの役割をしている。ヘリコイド筒の外面上には、像倍率を示す指標が掘り込まれている。たしか、このレンズはアクロマート処理されたアタッチレンズが用意されていて49mm径のフィルター枠へねじ込めば等倍撮影が出来たと思う。その場合の繰り出し量からさらに、、現在の倍率を判断するための学術接写用の仕掛けだ。

 レンズのマウント側を観察してみると、非常に手をかけて作っている事が理解できる。反射防止のためのつや消し黒塗装がされているだけではない。乱反射防止用のプレート(ミラーボックス内部のフィルム受光面からの反射を角型フードのような形状で防ぐもの)が付いているし、起毛素材で筒の内側が不要な反射から守られている。さらに、ピント位置で移動する最終レンズ群から受光面へ向かってもう一段、反射防止溝が彫られた内部環が付いている念の入れようなのだ。

100mm F4 デンタルマクロ 100mm F4 デンタルマクロ
A100mm F4 デンタルマクロ  1/125  f4.0
  2007.05.02 北本自然観察公園
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 銀塩フィルムでは開放絞り値がF4と大きくて、ボケの発生量はもう一つだ。この数値のレンズではFAやDFAマクロのボケの味には太刀打ちできない。だから、モチーフとしては、細かい縦線が背景に無いような状態を選ばなければいけない。暗いバックで背景を落としてしまうとか、逆光で主題のコントラストを高めるとか、あるいは回り込んで広い色にじみとなるような背景位置を探すとか、なんらかの対策と工夫が必要だ。

 デジタル・ボディでの利用について触れておこう。

 APS−C(デジタル)画像素子では、35mmへの焦点距離換算で150mmマクロとなる。完全な望遠レンズの特性なので、上に書いたようなボケに対する杞憂は不要だ。それにこのレンズなら、絞りをAポジションにすればボディ側のダイアルで絞り操作が出来る。コンパクトさは勿論このレンズの大きなメリットだが、肝心の描写に関してもなんら不満は無い。

 同様の構成のMシリーズ・レンズではAポジションでの操作が出来ないので、デジタルボディに装着した場合には「絞り」はレンズ側リングでの固定操作となってしまう。なぜかMシリーズの中古は、第2群レンズの張り合わせ面の劣化、いわゆるバルサムの曇り、が出ているものが多く、程度の良いものが少ない。だから、近くの中古屋さんなどでAシリーズの100mmマクロで程度の良いものがあったらお勧めの選択だ。2008年11月の時点では<DFA>の中古価格が49000円程度なので1/2以下で購入できるだろう。勿論、絞りに関連する機能(ボディとの連動)や操作を割り切ってしまえば、Mシリーズの曇りなしがあればよりお勧めだ。

100mm F4
A100mm F4 デンタルマクロ  1/90 f9.5  2007.05.02 北本自然観察公園
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