ハイキング・低山歩き のインデックスページへもどる ハイキング・低山歩き の ページ      Top Pageへ移動Top Pageへ移動       このページを閉じる 閉じる

2007.05.04
東吾野;天覚山からの縦走

アクセス;
 西武秩父線―東吾野駅 より 武蔵横手駅  JR線―高麗川
コース;
 東吾野駅 〜天覚山(445m);50分、〜東峠;20分、〜久須美坂;65分、〜武蔵横手駅;45分、
 〜五常の滝(200m);30分、〜物見山(375m);25分、〜高指山;25分、
 〜日和田山(305m);15分、〜巾着田;30分、〜JR川越線:高麗川駅;60分

カメラ;
 PENTAX Ist−D

レンズ;
 PENTAX DA50−200mm ED F4.0−5.6
         A100mm デンタルマクロ F4.0

三脚;
 ベルボン ULTRA STICK50

 (画像添付時に約30%程度に圧縮)


 去年の同じ時期に歩いた、西武秩父線の南稜線の縦走だが、「東吾野(ひがしあがの)」駅の近くの「天覚山(てんかくさん)」までで中断していた。

 そこで今回、同じ時期にその続きをしてみようと思い立った。東吾野駅から「天覚山」へ、そこから飯能(はんのう)へ向かって稜線上を歩いてみる、という内容」だ。

セリバヒエンソウ
ページTopへ移動
 ただし、前回考えていた「多峯主山(とうのすやま)」・「天覧山(てんらんさん)」から飯能へというコースではなく、途中、「久須美坂(くすみさか)」から「武蔵横手」駅へ抜け、そこから「物見山(ものみ)」・「高指山(たかさし)」・「日和田山(ひわだ)」を経て「高麗(こま)の里」へ抜けるコースを取ることにした。

 前回の撮影の続編となるので、参考までに以下にその様子をリンクをしておこう。


 前回の 2006・05・04;吾野ハイキング のページ を表示します。

カノコソウ
ページTopへ移動
モリアオガエルのようなタマゴ
 2007・05・04;吾野:天覚山からの縦走
 スライドショー

 
 を表示します。

 (画像のダウンロードに
 若干の時間が掛かるのでご注意願いたい。)

 東吾野(ひがしあがの)駅から「天覚山(てんかく)」へ向かうには、前回の下山路の<尾根コース>と、もうひとつ <沢コース>がある。

 今回は天覚山を反対側から(前回の下山側から)登るため、下山路としても急なザレ場できつかった<尾根コース>を登るのは止めて、花が咲ていることを期待して<沢コース>を登ることにした。

 最初は低木の間を登っていくので楽な感じがしていた。谷に沿ってウグイスが鳴いて渡るのを楽しみ、「スミレ」などを写しながら登っていたのだ。しかし、稜線との中間くらいにある鉄塔を過ぎると、にわかに道が険しくなって来た。沢沿いにきつく登っていき、最後は尾根へ出るための急登が待っていたのだった。

 だが、その沢沿いの登り道には「シャガ」が咲き誇っていた。場所によっては群落といってもよいほどの密集状態だ。

 見事な状態だが、あまり派手に咲いている(暗い沢に純白の花が浮かぶ)ので、稜線に出る頃には慣れてしまった。

シロスミレ チゴユリ
ページTopへ移動
天覚山
天覚山
今年は案内板は木杭に立てられていた
シャガ

 「天覚山(てんかくざん;445m)」からは、足場の悪い土の急な坂道を降りて行き、何度か小さな登り返しを繰り返す。

 しばらくすると「東峠(あずまとうげ)の分岐」に出るが、案内板がなく判りずらい。地図上での道では直進するような記載だが、直角に近い状態で曲がっていく。誰もが迷うためか、その直進路にはしっかりとした踏み跡がある。私も20mほど直進してなぜかふと疑問に感じ、引き返すことにした。

 鉄塔(後で調べるとこの「鉄塔70号」はあるガイドマップでの目印となっているらしい)を越えて狭い尾根道を藪漕ぎに近い状態で降りていく。そこから微妙な上下を経て舗装路に出るのだが、道路脇への降り口には壊れた木梯子が掛かっていて、3mほどの落差を降りる。梯子自体が一塊の棒状になっていて役に立たず、少し大変だった。(「天覚山」からはここまで50分ほどか)

 道路を横切って、また登山路に戻る。一旦、道路面まで斜面を下って、またそこから斜面を登る。

 杉のつまらない植林で視界が無く、しかも狭い尾根が続く。そこを少しウンザリしながら登り降りして30分ほど行くと「久須美坂(くすみざか)の分岐」に出た。途中、「かまど山への分岐(三差路)」があって、ここにも案内板がなく不安に思う場所がある。少し先に行っても二分岐路は登場しない。地図上に示された「久須美坂」の四差路(三差路と少し先の二又の分岐)を目当てとしよう。

鉄塔70号
鉄塔70号

西武秩父沿線の山では、
鉄塔下になぜか熊ん蜂が多いので注意が必要
案内版
久須美坂の分岐上の案内版

見落とせといわんばかりの表示(長辺で15cmほどか)
ページTopへ移動
沢

久須美坂から武蔵横手への下山路
(美しい沢に沿って降りる)
ひっそりと咲くアマドコロ

 「久須美坂」から「武蔵横手(むさしよこて)」駅に向かって降りるが、この下山路は美しい沢沿いに、50分ほど行く道だ。

 道沿いには「ムラサキケマン」や「タチツボスミレ」、「シロスミレ」、「アマドコロ」など植物が豊富だ。平坦なほぼ直進路なのだが、そんな平凡な道にも関わらず、道脇の多くの山野草のために飽きることがない。

 「久須美坂の分岐」から降りてすぐのところに、ほんの小さな流れがある。道を降りるにつれて、この小さな流れは、やがて「高麗川(こまがわ)」へと注ぐ明確な渓流へと変わっていく。私は消えてしまいそうなまだほんの小さな流れ(川幅は30cmほどか)の状態で、もうたまらずにその水を500mlほど汲んだ。(高尾のときと同様にこの水でお茶を飲むためだ。)
ページTopへ移動
ヤマメ

 そして、水を汲んだ少し下あたりの「溜まり」で、この渓流の女王をみた。端麗な姿の<山女(ヤマメ)>だ。

 ヤマメは非常に敏感で用心深い魚だ。人の影を感じると逃げ去ってしまうと聞いたことがある。

 幸い、その溜りは道から5mほど下にあり、私の影は差し込まない状態だった。そのため、上部から望遠のズームレンズっで姿を捉えることが出来たわけだ。

 近くにあった花弁を投げ入れて試してみた。彼女は捕食しようとして悠然と近づき、そして信じられない速さで攻撃した。そのすばやい動きに、瞬間を写し撮ることができなかった。

ヤマメ
ページTopへ移動
武蔵横手の里 東吾野から天覚山、東峠、久須美坂、
武蔵横手へと抜けた。

約3時間のコースだ。

 二回目の(正丸)、正丸峠、伊豆が岳、古御岳、高畑山、中ノ沢の頭、天目指峠、子の権現、滝不動、(吾野)。
 三回目の(吾野)、前坂、大高山、天覚山、(東吾野)。

 今回の(東吾野)、天覚山、久須美坂、(武蔵横手)。

 そして最初の(飯能)、多峯主山、天覧山、高麗峠、(高麗)。


 秩父から飯能までの西武秩父線の南側の稜線が三年、四回の縦走で繋がった。

 この日、三時間のこのコース上ですれ違ったのは、僅かに三人(三組ではない)のみであった。この南側の稜線は静かなコースだが、その静かさは指導標などの整備が悪いことや、途中でのスギの植林ばかりとなる眺望の悪い尾根道など、人気が無いせいもある。

 私はこの稜線が嫌いではないが、もし行かれるとしたら、やはり正丸峠・伊豆が岳・子の権現などをめぐる、メジャーコースが安心だろう。
ページTopへ移動
 「武蔵横手(113m)」駅まで降りてきたら、まだ12時少しだ。さほど疲れも無いので、そこからまた、登ってみた。

 高麗(こま)伝説のある清冽な滝と紹介されている「五常の滝」(ごじょうは仏教用語;200m)をとおり、駒高(こまだか)の山上集落に出る。そこから、「ヤセオネ峠」、「物見山(ものみ;375m)」、「高指山(たかさし)」、「日和田山」(ひわだ;305m)」へと続く<関東ふれあいの道>を通るコースだ。

 私は、歩いたコースを地図上に赤のダーマトグラフでなぞっているが、この試みで、西武秩父線を挟んで、「正丸峠」から飯能までの南の稜線と、西吾野を起点として高麗川いたる北の稜線とが赤い線で繋がる事になる。

五常の滝への登り
シャガの群落
稚魚の群れ
ページTopへ移動
 さて、「五常の滝」では水場があり給水が可能だ。先の渓流の水もあったが、せっかくなので、この滝の水も汲む事にした。

 この日は真夏並みの暑さで、冷たい水が体に染みとおるほどだ。爽快なのど越しに気を良くして、お茶を沸かし、ラーメンを作り、そして1リットルのボトル(プラティパス)に詰める。まさに「水、使い放題の幸福」を味わった。

 滝自体は落差12mほどの小規模なものなので、さほどの壮観さはないが、なにより美味しい水のご馳走がある。「武蔵横手」駅の標高は113mで滝は200mなので標高差約90m、徒歩にて30分ほどのゆるい登りの、お勧めの場所だ。

・・いま、その水で淹れた台湾の中国茶を飲みながら、これを書いている。

五常の滝 
五常の滝
ニワゼキショウ

駒高の集落でみた、ニワゼキショウ
ページTopへ移動
 途中、滝つぼに行くために渓流沿いの趣きある沢道に降りられるが、「武蔵横手」駅から滝までは一応観光目的の舗装路が通っている。(楽な道だが、途中にも滝周辺にもトイレはないので注意が必要だ。)

 滝での充分な休憩後、さらに登っていくと五差路の分岐となるが、物見山方面の表示標識にしたがって進む。舗装路をすこし進み、大きなカーブで分かれて、戻るような感じで続く山道へと入っていく。この道を15分ほど行けば「関東ふれあいの道」に合流する。

 林のなかの九十九折りを抜け、尾根脇の巻き道のような登山道を緩く登って行くと、急に視界が開ける。「駒高の山上集落」に出た。

レンゲ
ページTopへ移動
 樹林の間の僅かの斜面に畑が広がる。梅林や菜の花畑も見える。

 登山道がいつの間にか民家の庭先になっている。

 斜面に棚田のような状態で段差がきってあり、道の地平面とその上部に家の地平面、その下は畑地や梅林などに、分かれている。

 庭先と書いたが、実施には庭の下に位置する細道を、庭の生垣を見上げながら沿って進む。風呂の用意だろうか、昔見た記憶があるブリキの煙突から白い煙が上がっている。薪の燃える懐かしい香りに包まれる。庭脇の「ニワゼキショウ」や「レンゲ」、「さくら草」などを撮らせて頂き、その家を抜けて「ヤセオネ峠」への道に向かうことにする。

 サクラソウ 駒高の集落に咲く
さくら草
ページTopへ移動
 物見山へ山道 物見山からの眺望

 「ヤセオネ峠」から「物見山(375m)」への道は快適に整備された道だ。

 山頂は眺望もよく、南に広がる山々が一望できる。丹沢まで見えるなどどパンフレットに書かれているが、案内板の類がないので、山々を同定できず判然としない。

 「物見山」からは、ほぼ降り道で「高指山」へと向かえる。

 20分ほど下ると広場のような高台に出る。この高台では何組かの人がピクニックに来ていた。高台までは車道が通っているので人数の乗れるワゴン車で移動し、家族でゆっくりと眺望を楽しむことができる。

 高麗川河川敷や巾着田の喧騒を考えると、この場所はかなりの穴場で、よい選択に違いない。この高台の横には、公共の休憩用の東屋とトイレがあり、飲み物などが買える峠の茶屋的な店もある。

 舗装路を進むとやがて高指山だ。山頂には、中継用の巨大アンテナが2本立っている。芦ヶ久保の「丸山」の展望台同様、多摩方面からこちら(奥武蔵)を見たときに遠方からも目印になる。

日和田山頂へ  日和田山頂へ続く道
ページTopへ移動
 舗装路から登山道に入り、また下っていくと「日和田山」の山頂下にでる。

 日和田山頂から「高麗(こま)の里」へは30分ほどで降ることができる。下山コースは複数あり、日向方向に向かえば有名なロッククライミングの練習場を脇に見ることができる。オーバーハングした巨岩で2人の岩屋が取り付いていた。見ているだけで怖いので、すぐに通り抜けてしまった。

 日向方面へ降りると、滝を抜けてしまうので、注意が必要だ。暑い一日だったので下山前に滝で体を拭いたかったのだが・・・。


 高麗(こま)川河川敷は周辺では有名な観光地で、バーベキューや川遊びなどのデイキャンパーでいっぱいだ。

 そんな様子を見ながら、JR高麗川駅へ向かった。以前、ここから由緒ある霊験あらたかな「高麗神社(こまじんじゃ)」を経由してやはり駅に抜けたことがあった。 そのときは寄り道したせいもあって少し時間が掛かった記憶があり、正味35分ほどではないかと予測した。

 いやどうして、疲れていたせいもあるのだろうが、たっぷり一時間を消費したのだった。


 初回の(高麗)、巾着田、日和田山、高麗神社、(高麗川)
 二回目の(西吾野)、高山不動、関八州見晴台、虚空蔵山、顔振峠、阿寺、ユガテ、(東吾野)
 今回の(武蔵横手)、五常の滝、物見山、高指山、日和田山、高麗元宿、(高麗川)

 飯能から秩父までの西武秩父線の北側の稜線が南側と同様に3年、3回の縦走で繋がった。

 北側のコースはどちらかというとメジャーなコースだ。そのため、滝までは40人ほど、山中でも10組以上の人たちとすれ違った。休みのためか、わけのわからないおばちゃんたちも多かったが、頑張って元気に歩いているいる子供たちも多かった。

 次は、梅雨のはじめ、紫陽花が咲く頃に、吾野から顔振峠、そこからさらに黒山三滝へ、そして途中アジサイの里で写真を撮りつつ越生へ抜ける。その静かな道を歩こうと思っている。

高麗の茶畑
高麗の茶畑;
遠くに見えるのが
高指山



遠い姿に、
少しめまいがした。
ページTopへ移動