ハイキング・低山歩き のインデックスページへもどる ハイキング・低山歩き の ページ      Top Pageへ移動Top Pageへ移動       このページを閉じる 閉じる

2008.03.23
武蔵野の小京都(小川町)

アクセス;
 東武東上線―小川町駅 よりパークヒル方面バス(伝統工芸会館バス停下車)、徒歩60分

コース;
 小川町より パークヒル行き(伝統工芸会館バス停下車);乗車時間約10分
 往路;
  伝統工芸館バス停〜大寺橋〜西光寺;8分、〜カタクリとニリンソウの里;15分、〜柳町橋;5分、川原にて休憩
 復路;
  西光寺〜カタクリとオオムラサキの林;20分、〜青木橋〜小川町駅;45分

カメラ;
  PENTAX K−10D
  RICOH CAPLIO GX−100 24−72mm F2.4

レンズ;
  PENTAX DFA 100mm F2.8 マクロ
  PENTAX DA 50−200mm F4−5.6 ED

三脚;
  ベルボン ULTRA STICK50
  (画像添付時に約80%程度に圧縮)



 小川町は1300年の歴史を持つ「和紙の里」として名高い。秩父往還沿いに位置している埼玉の山間部が始まる入り口にある小都市だ。

 この町から東武鉄道(私鉄では路線距離が日本一)の東上線を使えば、都心や川越・大宮などが通勤圏となるため、再開発もされていてベットタウン化が進んでいる。

 両側を小高い丘に挟まれ、「兜川」・「槻川(途中、大寺橋あたりで川の呼び名が変わる)」の流域沿いに発達している。古くは鎌倉古道や秩父往還上の要衝であり、江戸開府以降は宿場町として栄えたらしい。清流にめぐまれたため、生糸や製紙業を初め酒造業が発達し、いまだに埼玉の酒どころだ。

20080323:「和紙の里」に咲くカタクリ

JRさいたま新都心駅 東武東上線
ページTopへ移動
  しかし、街が開かれたのは思いのほか古く、大同年間の「慈光寺」創建(都幾川村;天台宗)に伴う写経の勃興からこの地に製紙業が確立したのだという。

  「大同年間」と言えば平安京遷都直後の805年から809年だ。これは確かに、大分古い。


 さて、小川町。

 駅前の路線バスのロータリー正面には洒落た観光案内所がある。外見が普通の喫茶店のようで一見すると気付かないが、 内部はジュースやアイスをオーダーできるカウンター、地域一帯のガイドマップやパンフレットのラック、手軽に楽しめる足湯、などがある。地酒や梅製品など土地の名産品(お土産)の直売所でもある。

駅前の案内所 気になる足湯

 カウンターに居た親切な係りのご婦人に尋ねると、めざす「西光寺」までは歩くと50分ほど掛かるとのことで、 路線バスで行くことを勧められた。 すぐにも足湯に入って寛ぎたい気持ちであったが、ようやく我慢して、帰りにまた立ち寄ります、と言いおいてまずは目的地へ向かうことにした。

 「カタクリ」がどうとか「ニリンソウ」がどうのとかと話していたら、 「次は伝統工芸会館前」というアナウンスが流れてきた。

 もう少し先で降りるのか或いは終点まで行くのか判らなかったが、そんな私達の話を耳にした向かいの席のお婆さんが「ここで降りるのですよ」と教えてくれた。

 私達が何時まで経ってもボタンを押す気配が無いので心配になったらしい。ボタンを押す事を知らなかったわけでは勿論無いが、別のお婆さんも「ボタンを押さないと停まってくれないよ」と教えてくれて、私達は無事に目的地で降りることが出来た。

 「伝統工芸会館」で掲示されていた地図を調べると、そこから程近くが「カタクリとニリンソウの里」だった。その場所は、何年か前に車で訪れた「西光寺」からもすぐのところだった。
ページTopへ移動
伝統工芸会館(道の駅) きつね蕎麦

 工芸館は「道の駅」の敷地内にあり、広い施設だ。

 紙漉きや木工などの体験教室があって、ここだけでも楽しめるが、今日は寄る予定では無い。

 敷地に模擬店が出ていてたくさんの人で賑わっていた。

 そのまま通り過ぎるつもりだったが、せっかくなので温かいきつねそばを食べた。近く(国道254線上)で営業する「武州めん」だが、 模擬店のそばは手打ちではなく、店舗で振舞われるものとは全く別とのことだった。いわゆる「立ち食いそば」なので、仕方が無いが、今度訪れたときには店に行ってゆっくりと食べることにしよう。

武州めんの出店

 子供は以前、ドライブでこの街に来て、この「道の駅:おがわ」で休憩したことや、ここから見える「仙元山」の中腹にある「見晴らしの丘」で滑った長いローラーコースター (斜面上の全長203m)のことを覚えていないらしい。

 視界が開けているために、まるで、眼下に広がる下界へ飛び出してしまいそうな感じになる。スリル溢れる滑り台(ローラ−コースター)だった。丘の斜面を利用した長いコースなので、そのまま滑るとお尻が痛くなるため、乗り場では特製のダンボール製のシートが売られていた。

 それに乗ってご機嫌で滑ったことをまるで忘れてしまったらしい。 段ボールのシートは土筆の生えた荒川の土手でも活躍したのだが・・・。
ページTopへ移動
六地蔵(西光寺まえの大寺橋の袂) 西光寺の鐘楼

カタクリの花 カタクリの咲く様子は、
このページとは別に公開している。

20080323:「和紙の里」に咲くカタクリ


アズマイチゲやイチリンソウなども
林床で咲いていた。
ページTopへ移動
カタクリ

 カタクリは今ではほとんど見かけることがなくなってしまい、そのため自生地はどこも地元の人たちに手厚く保護されている。

 観光化されてしまった場所も多いが、ここでは、ほぼ自然の状態で楽しむことが出来る。

林床に咲く

 敷地の奥には、池があり、そこから裏山へと続く斜面には、一面のカタクリが咲き誇る。
ページTopへ移動
舞うように咲く 舞うように咲く

 「西光寺」では、地元の人たちによって『カタクリまつり』が開かれていた。例年、この時期に行われるイベントらしい。

 「まつり」と言っても、プロのテキヤさんが仕切っているわけではなく、地元の人たちのボランティアで模擬店をだしているだけの素朴なものだ。ポップコーン、甘酒、焼きそば、みそおでん、豚汁などが作られているが、どれも値段は取ってつけたようなもので、儲けを出すつもりなど最初から微塵も無いようだ。実に良心的なものだった。

 カップ一杯で50円(映画館で売っている大きなサイズと同じ紙コップ入り)のポップコーンなどはレジ袋に入れて倍もおまけをしてくれた。

 初めて味わったのだが本物の片栗粉(カタクリから精製した粉)で溶いたカタクリ湯の無料の振る舞いもあった。軽く砂糖や細かく刻んだショウガを入れるらしいが、私は本物の片栗粉が珍しかったので、ほんの少し砂糖を入れた状態で飲んでみた。

やきそば カタクリから採った片栗粉
ページTopへ移動
竹林の小径

 さて、縁日気分を少し楽しんだ後は、目的の撮影だ。

 お寺の奥の自生地からは、丘(里山)の斜面の中腹沿いに道が続いていて、そのまま、「カタクリとニリンソウの里」へ行ける。斜面の中腹の細い道を行くので、ちょっとした低山散歩の気分が味わえるが、気持ちの良い道だった。

 林の中の暗い道が少し開けて明るくなると、道脇に「アズマイチゲ」が咲いていた。

 そこをしばらく進むとやがて回りは竹林となる。竹は家屋の補修や道具などに利用したので、里山のような入会地(集落での共有地)には多くみかける。多分、この竹やぶも丘の土砂崩れに対する備えと共にそうした意味があったのだろう。

 竹林は長く続くが、途中で一旦広場のような場所に出る。そこには梅の木が何本か植えられていて、どの枝も丁度満開だ。

 そこから、さらにまた竹林が続く。

ニョイスミレ アズマイチゲ
ページTopへ移動
アズマイチゲ

 竹林の小径を進むと、やがて長く続いた竹林も終わり、今度は先程よりもう少し広い場所に出る。

 そこは「ニリンソウ」が咲く場所らしいが、まだ一株しか咲いていなかった。その代わり、ここでも「アズマイチゲ」が多く咲いていた。その他にも「イチリンソウ」や「キバナノアマナ」などが明るい日差しを受けて美しく咲いていた。

 「ヤマエンコグサ」や「ニョイスミレ」などが静かに咲いていた。「スミレ」は一株だけ咲いていたのだが、もう幾日か経つと、丘のすそを薄紫色に染める一面の菫が楽しめそうだ。

カタクリとアズマイチゲ

 広場状になった一画では、アズマイチゲとカタクリが競うように咲いていた。
ページTopへ移動
カタクリ カタクリ

 気持ちの良い広場から少し松林の中を進むと、川へ掛かる丸太橋があった。

 そこから中洲のようになった川原へ降りることが出来るが、水かさが増せば水没してしまう、「沈下橋」だ。

 丸太橋は公園のフィールドアスレチックのようで楽しいものだが、水が澄んでいて川底までしっかり見えるので、橋の上から覗いてみるのもく楽しいものだ。もう少し水温が上がれば、泳ぐ魚が見えるかも知れない。

川面を見つめて ヤマエンコグザ

林に咲くカタクリ
ページTopへ移動
 子供には、CAPLIO GX−100を渡していたが、そのアングルが楽しいので、少し紹介しよう。
 ここからの4枚の写真(コスモス)は、子供が撮影したものだ。フィルム用のコンパクトカメラは4歳位から渡していたので、操作自体や写真を撮るという行為には慣れている。

 センスというか、私では、ちょっと考えられない構図になっている。

カタクリの中の花 「花の中にもうひとつ花がある。
桜が咲いている」といって
何枚も撮っっていたもの。

カタクリ カタクリ

カタクリ
ページTopへ移動
渓流 渓流

 一旦、遊歩道が尽きる場所まで歩いてみた。山裾を巻く道に出るがそこから立派な橋(柳町橋)を渡って戻るのではなく、また歩いてきた小径を戻ることにした。同じ歩くなら土の道がいい、ということになったからだ。途中にあった丸太橋を渡って、対岸へ行き、そのまま川原を歩けるだけ進んで戻ることにした。

渓流 満開の桜
ページTopへ移動
 「伝統工芸会館」から「西光寺」へ向かう途中の大寺橋のすぐ傍まで川原を歩くことができた。そこから道に上がると、土手には桜が咲いていた。

 何本か並んで植えられているが、その中の一本だけが早くも満開であった。(他の木は、まだ全く咲く気配が無い状態であった)

 そこからは、一度「西光寺」まで戻り、いま歩いた遊歩道とは逆になる「カタクリとオオムラサキの林」側を歩いて駅に向かうことにした。ここでも、斜面に咲く「カタクリ」を写したが、こちらの方が花弁の色が濃いような気がした。

 道脇では、地元の人が農産物や植木などを即売していた。覗いたら、梅ぼしがビニール袋に入れられて売られていた。一袋で100円という信じられない値段で、思わず買ってしまった。

サクラソウ 自家製、梅干を買う

突然、現れた30名ほどの大集団。
おば様達の大きな話し声で、
静かな里の様子は一変した。

どうにかできないものか・・・
ページTopへ移動
約束の足湯 「水が美味しい」という生活は

なんと豊かな時を
与えてくれるものなのだろう。

 歩き始める時に約束していた「足湯」。ここでは、ワンカップの地酒や梅酒やソフトクリームを売っているが、足湯に浸かりながら楽しむことが出来る。

 私達が足湯を使わせてもらっていたら、先のカウンター係りの人がグラスに冷たい水を勧めてくれた。一口飲んで驚いたが、非常に美味しい水だった。さすがに三軒の造り酒屋がある街だけのことはある。普段飲んでいる水がこれほど美味しいのなら、お茶も料理(蕎麦やうどん)も美味しいだろう。

 もてなされた水の美味しさに、思わず売っていた梅酒(地元xxさんの手作り梅酒、とラベルにあった)と地酒を買った。地酒(帝松)はお土産に持ち帰ったが、梅酒は気持ちよく足湯に浸かりながら飲ませていただいた。

お土産1 お土産その2
ページTopへ移動