ネガフィルムに階調豊かに写った紅葉の写真をプリントする。
印画紙で見る風景は、そのとき体験した実際の時間を切り取って鮮やかに保存している。
定着されたのは、何百分の一秒の世界。
光が通った一瞬の、そんな時間は感じることすら出来ないが、写真にはしっかりと定着されている。
まあ、別にネガで無くとも良い。リバーサルでもデジタルでも同様だ。
ただ、フィルムの場合は「感光と定着」という行為がある。そこに化学反応とその制御があるので、不思議さに深みが出る。
だって、三次元の風景を写しとめられる事そのものが、充分に不思議なことではないか。
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