ポタリング のインデックスページへもどる ポタリング の ページ      Top Pageへ移動Top Pageへ移動             このページを閉じる 閉じる

2007.09.17
中仙道 蕨(わらび)宿を歩く

アクセス;
 JR京浜東北線 蕨(わらび)駅 、JR埼京線 戸田駅

カメラ;
 PENTAX Ist−D

レンズ;
 PENTAX DA18−55mm F3.5−5.6 AL

(画像添付時に約30%程度に圧縮)


 3連休の最終日、自転車(GIANTのESCAPE R3)に乗って、赤羽まで出掛けた。

 途中の浦和 別所沼(べっしょぬま)では、思いがけなく「小さい秋(2007.09.17 「秋を感じて(別所沼)」)」にめぐり合えたが、浦和の先にある蕨(わらび)でも楽しい道草をした。

 蕨(わらび)は荒川沿いの低地に広がる日本一の人口過密の住宅都市だ。

 中仙道の宿駅で、日本橋から板橋、蕨、浦和、大宮と続く、2番目の宿場だ。戦国期は城があり統治者がいた城下町で、町としての下地は元々あったらしい。宿場として整備されたのは1612年というから、徳川の江戸入府直後に中仙道の整備と共に体裁が整えられたのであろう。

 「戸田の渡し」が荒川にあり、江戸時代には渡し船による交通が行われていた。増水時には江戸に向かうのを足留めされるので、渡しの手前にある蕨宿は繁盛したらしい。蕨宿には本陣が2軒と脇本陣が1軒あり、規模の割りには賑やかな宿場だったのだろう。

旧中仙道、蕨宿  浦和からそのまま国道17号線を東京方面へ行くと、
 戸田に近いあたりで旧中仙道の道筋への入り口が現れる。



 国道と平行して「錦町三丁目」から一丁目までに渡って、
 宿場の面影が色濃く残る旧道が残されている。
ページTopへ移動
 大宮で「新国道」と呼ばれる国道17号。それが蕨市の幹線道路で、交通量が非常に多い。

 浦和からそのまま国道17号線を行くと、「錦町三丁目」で旧中仙道の道筋への入り口がある。宿場の面影が色濃く残る旧道は、国道と平行してその裏筋に残されている。

 比較するのも変だが、この旧街道は幹線から一本入り込んだ状態となるため車通りが少なくなる。さらに道を穏やかに蛇行させ、スピードが出せない構造にしている。住宅地の狭い道路を緩やかにカーブさせたりわざと蛇行させたりした状態を最近見かけるが、あの規模を大きくした状態になっている。

 その上で広い歩道が整備されていて、安心して歩ける環境が整っている。古い家並みが随分残っているので、タイムスリップしたような、ちょっとした散歩が楽しめる。

街道入り口 古い町並み

 蕨宿の名産としては、「別所沼(べっしょぬま:浦和の南部にあり公園化されている)」産の鰻で、今でも旧中仙道沿いでは鰻屋が目に付く。フリー百科事典の「ウィキペディア」によれば、江戸の昔、浦和と蕨を最後に当分は鰻の食べられる宿が中仙道に無かったらしい。

 また、物産としては「錦織物」でも広く知られていたとのことだ。

宿場の反対側の古い町並み 古い町並み
ページTopへ移動
 国道と交わる街道の入り口とは反対側にも、写真に写した古い家や蔵が何件も残っている。

 街道の入り口間近の何件かの古い家も見事だが、反対側(「錦町三丁目」の交差点の向う側)に残った何件かの家並みもかなりの風格がある。 スケッチブックを持ってこなかったのでスケッチすることができないが、蔵や重厚な切妻屋根は絵になることだろう。次回は是非スケッチ道具を用意しよう。

民俗資料館
市立歴史民俗資料館
本陣
ページTopへ移動
 通りには可愛らしいコミュニティ・バスが走っていた。

 路線を確認しなかったので想像になってしまうが、JR京浜東北線の蕨駅からこの旧街道へ回ってこられるものと思う。この通りは埼京線の戸田駅と蕨駅の中間にあり、どちらの駅からも少し距離ある。散歩慣れしていないと駅から歩くのは苦しいだろうが、バスを利用すれば手軽に移動ができるだろう。

 道に面した両側だけが商店でその裏からはすぐに住宅地が広がるが、基本的にはこの通りは商店街だ。とは言うものの繁華街が広がっているわけではなく、宿場であった頃と同じ様に街道沿いだけに商店がある状態だ。店ばかりでは無く普通の古い家も多く残っている。川越と違い団子屋さんは見かけなかったが、鰻料理のお店や美味しそうなうどん屋さんなど、食べ歩きも楽しそうな道だ。


<09.22 追記>
 コミュニティ・バス「ぷらっと わらび」は、蕨市内の福祉施設を巡回する設定で定額料金(中学生以上100円)で利用でき、市内を循環する西・東の2ルートがある。それぞれは交差していて、乗換券をもらっておけば途中で料金追加なしにルートの乗り換えができる。乗車定員20名の小ぶりではあるが、市民期待の足ということだ。

可愛らしいコミュニティバス
街中を走るコミュニティ・バス
可愛らしいコミュニティバス
美味しいメンチ

 道にそって家並みを楽しんで歩いたが、丁度信号待ちで立ち止まった交差点の角に肉屋さんがあった。ショーケースに並んだメンチに心引かれて、歩きながら食べようと一枚買うことにした。

 食べてみると、見た目ほど脂っぽさがなく、でもジューシーで気に入った。

 肉が多くて厚さがある。だからガブッとかじった時にボリュームがある。ソースが無くても美味しく食べられたが、今度来るときはSBのウースターソースを用意しようと思う。以前楽しんだ谷中メンチ(2006.05.06 「谷中散歩:夕焼けだんだん」)」といい勝負ができるかも知れない。
ページTopへ移動
歴史民俗博物館 歴史民俗博物館

 通りに面して歴史民俗資料館があるが、あいにくと月曜日休館で入ることができなかった。

 本館と別に、そのもう少し先に分館がある。当然のことだが、分館も本館同様に休館日で見学は叶わなかった。普通の民家を改造したような様子ガ珍しく、再訪して是非入ってみたいと思っている。
ページTopへ移動
蕨宿(戸田の渡し)
中仙道 蕨

 通りの広い歩道の足元には、中仙道の宿場の浮世絵が陶器製のパネルになって埋められている。

 道の両脇の家並みを見るために自転車を降りて歩いたが、足元で変わっていく鮮やかな絵を一つずつ見ていくと楽しめる。古い町並みに残る趣ある家を眺め、浮世絵を眺めすると、短い距離にも関わらず旅の気分が充分に味わえる。

浦和 大宮
ページTopへ移動
蕨宿(戸田の渡し)のあたり 荒川河川敷にキバナコスモスが咲く

 蕨宿を後にして、国道17号沿いに赤羽に向かう。

 荒川を「戸田の渡し」跡あたりの橋で対岸に渡るが、そこからは、河川敷のサイクリングロード沿いに河口方向へ進んでいく。河川敷の自転車専用道路は爽快だが、気温が高く、強い日差しで瞬く間に日焼けしてしまった。サイクルジャージとサイクルパンツなので、腕とひざ上10cmほどだけ日焼けして赤くなっている。

 菖蒲町へ自転車で出かけた時と同じですぐに黒くなって来るだろう。
  (2007.06.16 「花菖蒲・あやめ・睡蓮・紫陽花; 丸山公園 と 菖蒲城跡あやめ園」)

 すねの表側は白くひざ上が黒い、ひざの裏側は白くふくらはぎ側は黒い、上腕は白く袖から下の腕は黒こげという「まだら人間」の復活だ。この時期で日焼けをするとは思っていなかったので、つい油断してしまった。
ページTopへ移動
 夏のような日差しだが、自転車用道路の脇ではキバナコスモスが咲き始めていた。

 (河を越えているので)対岸に川口の高層ビル群が見えてきて、京浜東北線の橋脚あたりで河川敷から岸に登ると、もうすぐ目指す赤羽の街だ。

青空を見上げて
ページTopへ移動