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オーディオ : 月刊STEREO誌 付録 LXU-OT2
最終仕上げ USB−DAC <LXU−OT2>で応募する

<最終的な仕上げ USB−DAC <LXU−OT2>で応募する (2013.03.09)>


 月刊のオーディオ専門誌「STEREO」付録のヘッド・フォンアンプ付きUSB−DACの音声ボード、いつの間にかライフワークのように趣味の主体を占め始めて、今ではとうとう3ヶ月が過ぎようとしている。

 パーツ変更や機能追加の作業が一区切りとなって、そこからさらにボードを収納するためのケース作成に本腰を入れたのだが、そのようにしてもう随分と愉しんで来たわけだ。

 勿論、本業の音楽再生においても、この3ヶ月というもの、ほぼこのボードでの音に漬かって過ごしている。だからパーツの交換や改造や収納といった<加工や工作>が主体化してしまってはいるとは言えども、本道の「音楽再生」は違えている訳ではない。

 ケースに対してだが、私なりに柔らかさを加えてしなやかな外観にすることが出来たと思う。そこで、今回の作業では更にもう一工夫、使いやすい環境という観点でそこに手を入れてみた。


 関連ページ;

  ・のんびり行こうよ: <月刊STEREO誌 付録  「LXU-OT2」を聴く>
  ・のんびり行こうよ: <月刊STEREO誌 付録  「LXU-OT2」を確認する>
  ・のんびり行こうよ: <月刊STEREO誌 付録  「LXU-OT2」を手当てする>
  ・のんびり行こうよ: <月刊STEREO誌 付録  「LXU-OT2」を改造する>
  ・のんびり行こうよ: <月刊STEREO誌 付録  「LXU-OT2」を拡張する>
  ・のんびり行こうよ: <月刊STEREO誌 付録  「LXU-OT2」を収納する>

特別付録が付く2013年1月号

記念すべき2013年1月号    定価は2800円。
ヘッド・フォンアンプ付きUSB−DAC LXU−OT2

<LXU−OT2>

ヘッド・フォンアンプ付きUSB−DAC
(パソコン用のUSBオーディオボード)
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シールド素材(アルミ)のシャーシに収納 電解コンデンサーを交換(ライン増幅回路)

 ところで、私に関しての付録利用法、ヘッド・フォンで音楽を聴くような利用は少ない状況だ。

 けれどこれは「ヘッド・フォンアンプ付き」であり、それが機能的なアドバンテージとなっているボードだ。だから改修作業においても、その部分の機能は改めて削ぎ落としてはいけないだろう。

 実はヘッド・フォンアンプ回路のパーツ、交換や移動では大分苦労した。両面基板の手強さを存分に味合わされたといえよう。

 ボリュームやジャックなどの基板からの離脱作業であるが、これには大いに苦しんで、とうとうボードを一枚犠牲にしてしまったのだった。そもそも、はんだ付けが下手という事がすべての要因なので仕方がないが、それらのパーツを抜くのには大部手こずった。

 はんだの溶解に関しては、増盛りして融点を下げると意外にすんなりパーツを抜くことが出来るわけだが、勿論、それだけではなく他にいくつかの道具がいる。当初、私は「吸取り線」しか持っていない状態で、ランドの崩壊や銅箔の剥離、パーツの損壊などの幾つもの惨事が発生してしまった。このため、ひどく後悔して、改めて武器を調達した。低価格の「吸取器」がそれだが、やはり充分ではなく巧くいかない場合が多かった。そこで、さらに吸い取り装置つきのはんだゴテを入手して作業を行ったのだった。

 その新兵器の投入でやっと思うようにパーツが抜ける様になって、作業性を格段に上げることが出来た。以来、悲惨な災害は起こっていないので、本当に道具は大切だと思っている。

 学習過程を紹介すると、まず、パーツを抜くための技術の再調査を行って、そこから工具を次第に整備した。さらに加工用の道具としてケース・カッターなどを登場させて様々な手を入れたわけである。そうする内にいつの間にか「手業(てわざ)」も付いてきて、そうなると面白いもので新しいアイディアも浮かんできた。基板側の設えでの工夫がそれだ。

シャーシ改造のケースへ収納した状態 シャーシ改造のケースへ収納した状態。

そこに更に手を入れて、少し柔らかさをだしたもの。
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ソケットの利用

基板ピン用のソケットで手当て
 基板間はケーブル先端にピンにつけて接続する。
ソケットの利用

TOSLINK端子の3本の足をソケットにダイレクトに挿す

<ちょっとした工夫 ;パーツの設置をひとひねりしてみる>

 電源投入口の対応としてケーブル直付け状態からスイッチ側からのラインを2Pソケットに変更し、それを受けるためのハウジングを利用する形態へ改修した。さらに外部への信号経路として基板ピンを利用してみたり、ボードへの接続の手法を検討し、それを実験して試し、改修・変更して行ったのだった。

 そうした工夫の中で、大分お勧めの部分が積みあがった。ここで改めて、それらを紹介してみよう。

・ケーブルの接続方法
 リード線やコード、ケーブルの設置が必要な場合、それらをダイレクトにはんだ付けしても良いがそのラインの先にあるパーツを着脱する可能性がある場合、やはりその利便性を考えてソケットやそれを受けるハウジングなどを利用すると具合が良い。まあ、これは当たり前のお話。

 ソケットとハウジングには2mmや2.54mmなどのピン間隔の規格の製品が用意されているので、適宜選択してそれらの中から最適なものを利用しよう。

 同じく、ライン工作のポイントとしては「基板ピン」の利用がある。これも規格についてはソケットなどと同じだ。

 RCAターミナルが付いていた跡のライン出力の右・左のチャンネルとグランドの3箇所、既存で用意されているS/PDIF出力用のデータ信号出力とグランドの2箇所のランド、離脱させたボリュームパーツが付いていた跡地の右・左の入力と出力とグランドの6箇所のランド、それらに関しては基板ピンを利用した。

 外部電源の投入口に関しては2Pソケットを受けるハウジングを利用。そしてヘッド・フォンはミニ・ジャックでパネル面へ設置した新たなジャックへと延長させた。

ソケットの利用

ハウジングを利用して、投入口を作成する。
基板ピンの利用
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シールドの作成

インダクターのシールド
ケースアースの接続

・シールドの設置(シールド、アース接続、ケースからの絶縁)
 特定のパーツがノイズ源であったり、ノイズの入り口となっている場合がある。再生音の質を低下させる要因のひとつだろう。

 まず、どのパーツが原因なのかを特定する必要があるが、それが判った暁にはその厄介者自体をしっかりと遮蔽する必要がある。あるいは、ノイズなどが発生している場合、いくつかの見当をつけてそれらを順次遮蔽する。それで効果が現れるかどうかをみるわけだ。そうする事でパーツを特定するという逆手法もある。

 この実践には、家庭用品を流用すると便利だ。私が使ったのはコード結束用の商品で、これをインダクターの遮蔽と基板面へのシールド材として利用した。

 さらに、シールドとは別の方向になるがパーツの「アースを採る」という事とその逆の「絶縁する」という手当てがある。いづれもノイズの回避として有効なものだ。

 ヘッド・フォン用の再生音量調整用のボリューム、これは言うまでもなく再生信号の経路なのだが、そのボディをケースへアースした。当初はボリュームの金属部分にケーブルをはんだ付けしたのだが、すぐに剥離してしまう。そこでボディとノブ芯部分の基部に「すずめっき線」を巻いて、ケースの金属面との緩衝材とした。それによりボリューム本体がケースに密着して、パーツを確実に保持すると共に金属ケースへアースされることになった。

 ジャックに関しては信号の入力経路ではなく出力経路なので、ケースとは絶縁する必要がある。このため、ジャックはそのタイプを利用した。(ヘッド・フォンジャックとライン出力用のRCAジャック、これをどちらも絶縁仕様で金メッキのものを選んで利用した。)

絶縁ジャック(RCA端子) 絶縁ジャック(ヘッド・フォン端子)
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ソケット式 ICソケットをヒントに、抵抗をソケット式に変更した。

基板ピンの基部を利用したもの。

・パーツの交換に対する工夫
 基板ピンの金属部を利用してソケットを作って、これをヘッド・フォン出力用の抵抗の設置に利用した。頻繁には交換しないが、これで、オペアンプ同様にサクッと交換が出来るようになった。

 さらに交換対象のパーツのハンガーを取付けた。これはパーツ保持用のモルト・プレーンをケースに接着したものだ。モルト・プレーンは密度のあるスポンジ状の素材で、ICチップの足を保護するあれだ。一眼レフのミラー部分での緩衝材で、ミラーの跳ね上がりショックの吸収とプリズムからの逆入光を防ぐのが役目だ。それに、フィルムケースの蓋などで利用する遮蔽材でもある。一眼レフの銀塩カメラのメンテナンスには必須の素材で、私にとっては馴染みが深い。

 これでケース内に交換用のパーツを保持することが出来るようになった。ライン信号増幅側のオペ・アンプが3個、ヘッド・フォン用の抵抗が2本、それらを壁面に付けておける。これで予備パーツの紛失の心配は消え去った。

 さらに、「交換」作業とは少し違うが、TOSLINK端子の設置についてもひと工夫してみた。

 最初は基板を小さく切って、そこに0.1μFのコンデンサーと基板ピン用のソケット、それに光出力のTOSLINK端子を置いた。しかし、色々とやっているうちに、ソケットと接続ケーブルだけでも充分にそれをこなせることが判ってきた。端子とコンデンサーといったパーツの設置と接続ケーブル用の基板ピンの設置といった基板での実装、それに加えて接続ケーブルの手当てをしていたものが、最終的には3Pの深型ソケットそのものを基板の代わりに利用することに落ち着いた。
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インシュレータの作成 作成したインシュレータ

ボードを収納したケースが跳ね上がらずに具合が良い。

ケースの底面にあわせて切断し、角を面取りしたもの。

切断面や面取り部分は、スピーカのエンクロージャ工作で利用する小さなカンナを持っているので、それを掛けて仕上げている。

<インシュレータの作成>

 収納に使ったケースの足はゴム製だ。(シャーシに収納した物件の方、それには足がなかったので別途用意して底面へ装着。)

 足のゴム面に両面テープを付けて、別途作成した木製のインシュレータ上に設置する。テープは屋外用では厚くなるので、屋内や事務用のもので、「強力タイプ」というものを利用する。これだと異なる素材(ゴムと木材)同士でもきちんと接着することが出来る。

 STEREO誌面では「筐体のケース収納による重量加算で振動が抑制されて、音が変化した」という話が掲載されていた。

 そこで用意されたケース程度の重量が功を奏して、発生していた振動が抑制されることは無かろう。しかも回転や振動する部品が存在しないような素の基板で、再生に影響を持つような振動自体が発生することも無かろうし、振動がさほどに悪く影響するという事もなかろう。そうしたものが理由で再生音が変化するはずがない。誌面の記事は概ね評価しているが、このくだりだけはちょっと大袈裟すぎるし、要因としての分析が浅いように思える。

 さて、このボードだが、そのままではあまりに軽量。金属棒の付属する足をつけても、重量加算という面ではあまり効果がない。USBケーブルを挿すと直ぐに跳ね上がってしまうのが、困ってしまう筆頭だろう。

 誌面で「是非、付け替えて利用して欲しい」と書かれていた付録のUSBケーブルはLUXMANのロゴもケーブルに入り、金メッキも施されている素敵な品物。特にその伝送性能は素晴らしいのだが、思いのほかケーブル(あるいはケーブルのカバー素材のためか?)にしなやかさが無い。それが硬いという事が接続したボードが跳ねる大きな理由となっている。

 金属ケースに入れても、私が選んだシャーシや実用ケース程度のお安い品物では、そのアルミ材が軽量すぎて重石にならないようだ。最低限の強度が確保できる厚みでしか部材が加工されていないからだ。だから、密度の高い木材を利用してインシュレータとしてこのケースを固定して、跳ね上がりを押さえ込もうと考えた。

 さてこの板材、木目の美しい「黒檀(こくたん)」を素材にしている。

 今では仏具などで見るだけだが、高級な指物(さしもの)をはじめとした家具や小道具(物入れ)入れなどで利用する素材だ。木地が密なため、素材自体に重量がある。ケースのゴム足をそこに固定すれば、もうケースごと持ち上がって困ることはなくなる。

タイプA(一体型)

一体型へ固定する。(右は分離型)
タイプB(分離型)
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<オペ・アンプの置換えについて>

 STEREO誌面で紹介されていたのは、付録デフォルトで設定されたオペアンプと同一メーカー製の「NJM5532」への置換。推奨のオペアンプとしてインプレッションが掲載されている。

 これは例えばONKYOのサウンド・ボードやアクティブ・スピーカ(アンプやデジタル変換回路が内臓されたブックシェルフ型の小型スピーカ)でも使っているものだ。私が使っているONKYOのデジタル製品の音を決めているのはこの石。低歪で高能率、しかも低価格。市販されたONKYO製のオーディオ機器の中では、どの製品の音色も、実はこの優秀な石が効いているのだった。

 勿論、誌面を読んで堪らなくなって、早速このオペアンプを購入して取り替えてみた。すると明るい元気な盛り上がりに音が変化して、具合はかなりいい。そこでさらに同社製のいくつかを入手してみた。それはデフォルトの4580の選別品(低ノイズ品)、それに推奨された5532からの改良品になる「NJM2114DD」。

 他にも2種類、「OPA2134PA」と「MUSE8820」。ちなみにこちらは、付録入手と同時に、最初に確保しておいたもの。

 2114DDはとてもクリアーで、色が何も着いていない状態の音が響く。モニター的な音といっても良かろう。音源に極めて忠実で、妙な味付けは皆無で、品位の高い秀逸さがある。透明感に溢れていて大変素晴らしいピュアな感じが広がる。価格は少しも高いものではないのに、付け替えただけで、製品全体のランクが数段上がった感じがする。もう、付録とは誰も判らない、流通製品の音像がそこからは浮かんでくる。

 同じ傾向でいて、しかも音にいま少しキラメキが欲しいとなったら、2134PAに切り替える。こちらもノイズ感は皆無の、定位の良い音像が明確になって現れる。輪郭が切り立ったクリアーな音が響く。聞き比べてみたら、この集積回路が私の好み(ノート・パソコンとアクティブ・スピーカの再生環境)としては一番しっくりするものだった。


 私は少年時代からオーディオに傾倒し、今も盛んに触手だけは広げている。経済状況に起因してとても「オーディオ・マニア」と呼べるレベルではない状態だが、それでも同世代の友人達の無頓着さからすれば、割りと<音>に関しては気にしている部類のユーザといえるだろう。

 そうした想いがあったが、いかんせん経験知が乏しかった。オペアンプ交換に関しては、これほどの世界が広がっているとは夢想だにしなかったのだ。だから実のところ、その効果を味わって嬉しさもひとしおなのだが、その深い世界をこの歳になって知ってしまって、少し面食らっている。

 そこには際限のない豊かな世界が開けている。その深みのある遥かな地平の入り口に、私は今やっと立ったところなのだ。
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<STEREO誌の改造コンテスト>

 実は付録を付けたオーディオ専門誌、創刊50周年を向かえる月刊STEREO誌では、近くこのボードでのコンテストが開催される予定だ。

 作品や改造事例は5月号の誌面で紹介されることになるのだが、優秀な内容のものにはさらに懸賞がつく。その商品は協賛会社の自慢の製品と思われるものばかりだ。いくつも用意されていて、どの賞品も良い選択のもの。ファンにとってはどれも魅力的に溢れている。

 付録のUSB−DACボード「LXU−OT2」へ、私はいままで様々な改修や改造作業を行ってきた。そこでこの際、折角なのでこの懸賞に応募してみようか、と考えている。

 高品位な再現性を求めるための手当てとしては抵抗を金属皮膜にしたこと、ライン出力増幅用の電解コンデンサーを置き換えた2点の措置だけなのだが、ケースへの組み込みやパーツの移動といった標準化は別のページで紹介してきたような内容を行っている。更に拡張機能の実装としては、TOSLINK(光)端子の設置や同軸によるS/PDIF出力用のバッファ回路などを追加した。

 それらは性能改善であったり機能の改造や追加であったし、さらにケースの収納状態にも手を加えてみた。そうした内容は逐次、私のHP(ホーム・ページ)上で紹介を進めてきたのだった。

 その内容には有効な事柄もあるのではなかろうか、と考えた。さらに広く認知されればオーディオに親しんでいる身としては嬉しいことだし。

 まあ、専門誌のコンテストとなるとそこでの評価基準は非常に厳しかろうから、とても私の事例では通用しませんでしたという予感が強い。しかし、これは編集担当やラックスマンの方々が粉骨砕身して頂いた結果として実現した企画。付録が付いた雑誌が発売されて終了、ではなかった。その取り組みや企画者側の動きは、まだ継続していたのだった。

 そうした苦労が結実して付録化が実現し、活況を呈した。しかも、それはまだ続いている。となれば、ここは一番、開催されるコンテストに参加して、そうした盛り上がりを助ける小さな力のひとつになろう、と考えたのだった。

サイドウッドを付けた状態 最終形のLXU−OT2

ボリューム・パーツを外して収納た一号機。

下手なはんだの洗礼を受けたがためか、あるいは、何らかのショートがあったか、あるいは回路にサージが奔ったか・・。
突然のPCM2704のご逝去により損壊してしまった。(原因は、静電気であったかもしれない。)


だからこのケースの中身、2号機のボードを実用ケース側から取り外して収納し直したものだ。

取り外したパーツなどは、再度、設置し直している。
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2号機内部の様子

上部のアクリルパネルから、内部の様子を見る。

オペアンプはOPA2134DDに置換している。
サイドパネルの状態

インジケータ用LEDは、当初外部電源の投入時のみ点灯とした。
今はボードへの通電で点灯するように変更している。
外部投入にスイッチを切り替えて、DCプラグが刺さっておらず、電源供給がない場合のみ消灯する。

「USB−DAC S/PDIF端子付きバージョン (TOSLINK型)」

 実用的な「シャーシ」を利用して収納し、そこに柔らかさを加えたものがこの例(一号機;ヤヤコシイが中身は旧二号機のもの)だ。

 この事例は「USB−DAC S/PDIF端子付きバージョン(TOSLINK型)」というものだが、仕上げとして、アクリルのパネルが乗るシャーシ部分に、黒色のクラフト紙を切って、貼っている。この部分がシャーシのままのアルミの剥き身の状態だと、浮き上がってしまうので、モニターのフレームのように枠を着けた訳だ。

 基板上のパーツは電解コンデンサーと抵抗のみを交換しただけで、ターミナルやボリュームは再度設置し直したので、ほぼ流通状態のままのボード物件となっている。オペアンプを交換して、TOSLINK用の送信端子を追加したくらいのもの。

 ケース加工としても、デフォルトのパーツがある収納位置に穴を穿っただけなので、加工・工作は容易なものだ。それに利用している収納部材のコストが何より魅力的ではなかろうか。シャーシが300円弱、サイド・パネルのチーク材が200円強、上面カバーのアクリルパネルが200円弱、といった程度。

 外部電源の投入などの手当てを考えなければ、裏面パネルに設置したDCジャックや前面パネルのスイッチとインジケータ用LEDは不要となる。

 そうすると、他に使うパーツはTOSLINK用の光端子と基板ピンやソケット、それにボリューム用のつまみくらいのものだ。選択できるモノが制限されるが、巧く調達すれば合計して辛うじてワンコインで済んでしまう。

 ほぼ付録のデフォルト状態であっても、普通に置いて違和感がないような外観を備えたものが出来上がる。

 さらにワンコインを費やせば、ライン信号増幅用の電解コンデンサーの4個、それに上で紹介したオペアンプ2種類(5532や2114など、2134も比較的安価に済む)が賄える。

 総額として休日に費やすランチ代程のコスト投入で充分な楽しみがもたらされることになる。

 僅かな出費でここまで品位の高い音の再現性を追えるのだから、本当に嬉しくなってしまうではないか。音色を楽しめ、工作や工夫を楽しめ、そうした満足感を遺憾なく味わえるのだ。

パネルから内部の状態を見る リアパネルの状態を見る
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旧2号機だが、基板は3枚目のもの 旧2号機の基板は
シャーシ側へ回したので、このケースの内容は3枚目のボードという事になる。

ふるさとの前橋に保持していたのでしばらく未確認だったものだ。

ボードを確認したら、
この3枚目も関してもまるで高周波の異音は発生していなかった。

 ・・・残念ながら、「はずれ」物件ということらしい。

「USB−DAC S/PDIF端子付きバージョン (コアキシャル出力用バッファ回路型)」

 そして、先の例からの発展系が以下のものになる。

 この例では「実用ケース」と呼ばれるアルミ製の自作用ケースを利用し、あたかも計測器のような印象を醸し出すケースの上蓋部分とサイドパネルの一部を取り外し、ここを工作して硬質なケースにしなやかな外観を与えたもの。

 そこに収納するボードの改修状態は最初の事例と同じ内容で、ライン出力信号の増幅回路用の電解コンデンサー、ヘッド・フォン用の抵抗、オペアンプを置き換えたもの。

 ところでDAC回路のチップ「PCM2704」に搭載されたS/PDIF仕様に則った信号の出力回路だが、これは信号の出力のみで出力バッファは回路化されていない。だから出力信号をコアキシャル(同軸)端子で行うことは出来ない。

 そのため、追加としてバッファ回路(S/PDIF バッファ基板)のキットを設置している。これは既製品で、回路基板と利用するパーツ一式がパッキングされた状態のものだ。

*3月10日 追記;
 さらに先日、電源系のパーツを交換した。3.3V電源供給用の<C33>と12V電源供給用の<C4>のふたつの電解コンデンサー。<C33;既存は25V・10μF>を耐圧35Vで容量100μFの長寿命・低インピーダンスのルビコン製の電源用コンデンサー(ZLHシリーズ)へ交換した。それに<C4;既存は16V100μF>を同じシリーズの耐圧35Vで容量220μFへ。これでC33は10倍、C4は2.2倍の容量ということになる。大分余裕を産出せたのではなかろうか。
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実用ケースへ収納 パネルから内部の状態を見る


内臓する基板は上下の2層になっている。

このため、その様子が外からも判るように、右側面のパネルはちょっと工夫をしてみた。

サイドパネルの上半分をアクリルパネルへ切替たのだ。
下半分は左側面と同素材のウッドを残している。

 追加したパーツはそれだけなのだが、更にボード上からは既存パーツを離脱させている。

 ケースへの収納問題を解決させるために、ライン出力用のRCA端子ターミナル、ボリューム、ヘッド・フォンジャックの3つのパーツを抜いているのだ。

 これらの離脱パーツは再利用しても良いし、同一規格のお気に入りの別パーツを調達して置き換えても良い。

 この事例では、ライン用のRCAジャックとヘッド・フォンジャックはケース絶縁型の金メッキを用いたものへ交換したが、ボリューム・パーツはそのまま利用している。

全体像 パネルから内部の状態を見る
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リアパネルの様子 パネルから内部の状態を見る

 ボリュームの離脱は苦労する作業だ。失敗した対策として「はんだ吸い取り機能を装備したこて」をWeb上で見つけ、これを購入した。

 パーツ抜きでの問題点、つまりランドの崩壊や銅箔の剥離、さらにはパーツの損壊(電解液の沸騰、切片の剥がれ、チップ内回路のご逝去)などと私が経験したいくつかの災害や事件。それによるイライラと絶望などの一切のものは一瞬で解決してしまった。

 さて、離脱したボリュームと基板との接続に関しては、6Pの基板ピンとそのソケットを利用している。この工夫によって両者の分離やボリュームパーツの交換は、ひどく容易に行える。

 なお、この機能ではバッファ回路という付属機能があるため、USBバス・パワーだけではなく外部電源の投入を選択できる状態にしている。さらにバッファ回路への通電も選択できる状態。このふたつの選択のためにそれぞれにスイッチと通電インジケータ用のLEDをパネルに設けた。

パネルから内部の状態を見る 上部のアクリルパネルから、内部の様子を見る。
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パネルから内部の状態を見る
上部のアクリルパネルから、内部の様子を見る。
パネルから内部の状態を見る

 さて、両方の作例であるが、ともに上面のパネルは接着していない。

 簡単に上面に置いたアクリル・パネルが取り外せる状態になっている。これであれば、オペアンプの置換や、置換できるように手当てしたヘッド・フォン回路用の抵抗などの、パーツ交換の作業が容易に出来る。

 アクリル・パネルや木材では外部とボードとのシールド効果はないのだが、それでも、天面がアクリルで内部の様子が見える状態の方が置いていて気持が良い。いかにも自作で改造しています、という雰囲気がそこから醸し出されてくるし、それになにより柔らかさが出る。

 ケース内側の壁面にモルト・プレーンを付ければ、交換用のパーツをそこで保持できる。透明な上面カバーからパーツが並んだ基板と共にそれが見えて、ちょっとイイ感じになっている。

交換パーツの保持 置換えパーツの保持の工夫

ケースの壁面にモルト・プレーンを接着。
そこにオペアンプと抵抗を保持する。

ケース内なので、紛失もなく、
上部の透明アクリルのカバーがあるので、
埃なども着かない。


いつでも、私が誇り高き男でいられるのは、この仕様にしたお陰といえよう。
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