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オーディオ : 月刊STEREO誌 付録 LXU-OT2
STEREO誌の付録 ヘッド・フォンアンプ付きUSB−DAC <LXU−OT2>を確認する

<LUXMAN ヘッド・フォンアンプ付きUSB−DAC <LXU−OT2>を確認する (2013.01.19)>


 月刊の「STEREO」誌に今年(2013年)の正月も実に嬉しい付録が付いた。ヘッド・フォンアンプ付きのUSB−DACボードである。

 その剥き身の基板ままの状態で、動作確認(パソコンの通電、ボードの認識化、ソフトでの再生)と回路のエージング(のんびり行こうよ: <月刊STEREO付録 「LXU-OT2」を聴く>)が一通り済んだので、誌面で紹介されていた改造を行うことにした。

 雑誌付録のボードはパソコン用のオーディオボードで、私は据え置きのパソコンではなくノートパソコンへ接続して利用している。据え置き版のパソコン(のんびり行こうよ: <HDオーディオという潮流>)はオーディオに特化した機能を持っていて、格段に優れた性能であると思われるDAC回路の基板を装備していたため、そこに接続しても意味がないためだ。

 本来ノート・ブック型のパソコンはモバイル(携帯)用なのだろうけど、私のHPマシンは15インチの大型のもの。だから、結局のところそのパソコンも据え置き状態に成り果ててしまっている。そうした経緯を考えると、このボードの利用についてもやはり、据え置きという状態になってしまう気がしている。

 付録USB−DACのボード、企画の上ではモバイル利用を想定してもいるのだろうと思っている。電源はUSBのバス・パワーになっているところが、そのあたりを狙ってのものと思われるからだ。しかし、そうした意図とは裏腹に、私はまったくの「据え置き」状態で利用している。まあ、笑うしかない。

 さてボードについてだが、USBケーブルでパソコンに接続後、OS側で無事に自動認識がされて利用環境があっという間に整った。そのあと、その基板でのオーディオ再生を試聴した結果は実に良好なもので、基板上に実装された回路に関して敢えて何かいじる必要はないな、というのが最初に抱いた感想だった。


 関連ページ;

  ・のんびり行こうよ: <月刊STEREO誌 付録  「LXU-OT2」を聴く>
  ・のんびり行こうよ: <月刊STEREO誌 付録  「LXU-OT2」を手当てする>
  ・のんびり行こうよ: <月刊STEREO誌 付録  「LXU-OT2」を改造する>

  ・のんびり行こうよ: <TA1101Bボードで「LXU-OT2」を拡張する>
  ・のんびり行こうよ: <月刊STEREO誌 付録  「LXU-OT2」を収納する> 新規更新のページあり
  ・のんびり行こうよ: <月刊STEREO誌 付録  「LXU-OT2」で応募する> 新規更新のページあり

特別付録が付く2013年1月号

記念すべき、2013年1月号   定価は2800円。

「フル活用マニュアル」として特別付録の特集記事が14ページに渡って展開。
特別付録の特集記事(14ページ分)
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<今、そこにある危機 について>

 実は最近、というよりも各人の入手直後からなのかも知れないが、当初よりはじまった騒動がひとつある。

 少し長くなるので恐縮するが、改造(パーツの追加と交換)作業に入る前にその辺りに関しての考察をしてみたいと思うのだ。まずは、「今そこにある危機」を回避する方策を立てたうえで、もやもやした部分をスッキリしておかないと、と思うからだ。

 ちなみにその騒動は沈静化すること無く、さらに高まりつつあるようだ。最近になって、ネット上で喧しく取り沙汰されている「異音」の存在がそれだ。

 ボードの固体差にもよるらしいが、音声再生すると本来の音声とは別に高い周波数の発振音がするのだという。しかもそれは、ヘッド・フォン出力だけに限らずライン出力においても等しく発生するのだ、と書かれている。

 そのWeb上での多くの報告を読んだ際に、私は「あれっ」と思った。

 先のページ(のんびり行こうよ; 月刊STEREO付録 「LXU-OT2」を聴く」にて紹介している) にも書いたように、私は3枚の基板を保持している。だから、懐かしきカルビーのライダースナックのように本分の雑誌自体(残りの2冊)はもうすっかり無駄になってしまっているのだが・・・。(おまけで付くカード欲しさにあのお菓子を食べる事無く、随分とそのまま捨ててしまったものだ。)

 でも報告されているような異音(異常な高音の発振音)については、私のどちらの基板(3枚中の2枚のみ確認済み)においても、共に発生がなく、なんら問題がなかったのだ。

 再生音に現れるホワイトノイズの類も「気になります」というほどのレベルではない。何せ私はソノシートやレコードで鍛え抜かれたノイズ世代の人間だから、元来ノイズには耐性が高く、嫌な物に対しての反応が疎いのかも知れない。ましてや騒がれるような高周波(基板からの発振音)の異音もない。ヘッド・フォン出力からもライン出力からも開発者が意図しない余分な音はまるで漏れてこないのだ。

ヘッド・フォンアンプ付きUSB−DAC LXU−OT2 <LXU−OT2>


ヘッド・フォンアンプ付き
USB−DAC

パソコン用の
USBオーディオボード。
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電圧増幅回路

電源系の電圧増幅回路。


L1のインダクター(写真左下)を遮蔽するとノイズが低減されるとのこと。

コイルが剥き身でケーシングされていないところが、どうもよろしくないらしい。
電源系の回路を俯瞰する

 電源系の電圧増幅回路にUSBバス・パワーの5Vが投入される。

 電源系エリアの一連の回路で、各種の電源を造り出している。まずは5Vを受けて、3端子レギュレータで3.3Vへ降圧して搭載された流れをIC<U4>で安定化させてDACチップ(PCM2704)の動作に必要な電源を作り出し、5Vと共に供給している。

 バスパワーを源に投入された5Vはさらに使いまわされて、増幅回路として搭載されたIC<U3>を主体として6Vと12Vが作られる。昇圧側では共にオペアンプの動作供給用(6V及び12V)を賄っている。

 写真は昇圧用のIC<U3>や3端子レギュレータからコンデンサーや抵抗、整流用のダイオードなどを俯瞰したところで、基板上にも基板実装チップの小さなパーツがところ狭しと設置されている。

 <U3>のICから接続されている電圧増幅用のインダクター、あるいは周辺回路からの異常発振が話題になっている根本の発生源ということらしい。

 こうした究明結果は、優秀な先達の血の滲む調査によって得られたもの。内容を書いている私が確認したものではない。そうした検証の結果、<L1(インダクター)>と<C11(コンデンサー)>のふたつのパーツが多くの問題を含んでいることが明らかにされている。

 この課題に関して、改めて踏み込んで触れることにしよう。
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<ボードの固体差>

 さて、手持ちの3枚中の1枚に関しては未確認だが、実は2枚あるボードの基板実装されたパーツには違いがある。

 ヘッド・フォン出力用のペア(右Chと左Ch用の2個)のカーボン皮膜抵抗のカバーの色(抵抗値を示すカラーコードではなく、その背景色:全体色)が相違していたのだ。外見だけでなく内容を比べると、両者の再現する音には透明感の違いがあるように感じられた。

 その背景色(全体のボディー・カラー)で言うと「青い着色の抵抗」が実装された基盤の方が好もしく感じられて、緑色の抵抗が付いたものの方とはほんの少し差があるようなのだ。試聴の感触や再現性などの確認のための比較、さらにそうした両者の違いがあるとこなどについては、先のページの「<LZU−OT2>を聴く」で触れているので、ここでは省略するが・・。

(双方のボードでLSIやICのチップの確認をした写真を以下に掲載しておこう。)

青抵抗のボード 緑抵抗のボード

2枚のボード上のカーボン皮膜抵抗(ボリューム、LEDの間にあるパーツ色に着目(青と緑の相違した皮膜色になっている)

 どちらの基板であっても、またラインあるいはヘッド・フォンのどの出力方式であっても、Web上で報告されているような事象は、私のところでは発生していない。さらにヘッド・フォン側での出力音声に関していえば、実際に利用するどの増幅レベルでも、高音のノイズ(例のキーンという音)などは皆無なのだ。

 「最大方向にボリュームを開放していくと、あるポイントから異音が発生し始める」という報告例もあるが、普段使いもしないレベルで事が起こったとしても何ら問題はないのではないか。そう考えて、せいぜい最小に絞った7時から1時の位置程度までしか私は確認していない。

(このため、ボリュームを開放した爆音状態での再生に関しては未確認である。)
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PCM2704(DACチップ:青抵抗のボード) PCM2704(DACチップ:緑抵抗のボード)

<PCM2704(DACチップ)> の相違
(左の写真は青抵抗の乗った基板)

 ところで、私の購入した2枚の基板は、どちらも「さいたま市」の書店で購入したものだ。

 ひとつは新都心駅前にあるショッピングモールの「コクーン」に入っている大規模チェーンの書店で年明けに手に入れたもの。残る一方は年末に、住居の近所にあるイオン・モールの3Fに入っている小さな書店で見つけたものだ。

 雑誌を購入した時期は異なるが、流通地区は同じさいたま市の中央区内になる。製造ロットの通りに供給(配本)地区が統一されて出荷されているのだとすれば、両者は同じロット製品なのかも知れない。

 先に書いたとおり基板上の抵抗が明らかに違うし、DACコアのLSI(PCM2704)も電源回路のICも両者で異なっているので、実は製造ロットがそれぞれ別という可能性もある。(製造時期や製造外注先の相違など、いずれにしてもそうした製品の個体差に関する情報が無いので判りようがない状況だ。)
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電源系IC(青抵抗のボード) 電源系IC(緑抵抗のボード)

<電源系IC> の相違
(左の写真は青抵抗の乗った基板)

 しかし、幸いなことに多分にロット違いと思われる状態にも関わらず、そのいずれの基板(ボード)からもキーンという高周波の気になる発振音はまるで聞こえて来ないのだった。

 運の良いことに、私の手元には至って満足のゆく<優良なボート>が確保できたようなのだ。だから、私は「幸福者だ」と胸を張っていえるのかも知れない。時代モノの台詞(白波 五人男?)でいえば「こいつぁは春から 縁起がいいや」といったところだろう。

3.3V電源用 3端子レギュレータ(青抵抗のボード) 3.3V電源用 3端子レギュレータ(緑抵抗のボード)

<電源系 3端子レギュレータ> は同一
(左の写真は青抵抗の乗った基板)
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LXU−OT2のボード実装 <誌面掲載の回路図と実装の相違>

<C2>の電解コンデンサーの容量が10倍になって実装されている。(100μF)

設計途上で回路が変更されたのではなく、雑誌に記載した回路図の校正ミスだろう。

<異常発振の原因は、なに?>

 これほどまでに執拗に繰り返しネット上で指摘されている状況からしてみれば、確かにそうした異常発振をしている固体は幻であるはずはなく、明らかに存在するのだろう。だが、最初にその事象の報告記事をWeb上で読んだ時は、眉唾ものだろうと感じたのは確かなことだ。

 各人のパソコン設置状態に起因して発生した問題なのであろう、と最初は考えたのだ。

 たとえばパソコンから電源系のノイズが入ったか、あるいはUSBで供給されるバス・パワーが不足していて、電圧低下や非安定状態が再生の不具合に作用しているのではなかろうか。そうした設置環境的な要素に事象は起因するものなのだろう、と思ったのだった。

 だから発振音が盛大に聴こえるという異常事態は一時的に発生した問題に過ぎないもののだろうし、それは特異な事象であり、極まれに発生する症状なのだろう、と当初は考えたのだった。
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PCM2704 チップ 異常な発振音の対策を立て、
すでにその対応による有効な効果が先達により確認されている。

彼らは、基板面上に実装された<C11>のコンデンサーがその対策の主要な対象だ、という。

この規定値を下げる(”220pF”のより小さな値を持つコンデンサーに交換する)と電源系の回路上のノイズ発振周波数が上がるのだという。

*交換によって回路上の異音周波数(発振周波数)が
 従来の可聴帯域から90KHzほどに移動するのだということ。



その結果として、盛大に聴こえていた発振音が可聴帯域から外れるのだという。



しかしながら、利用者サイドに「老人力」という大きなフォースが備わっていれば、すでに存在する発振音なも取るに足らない存在だ。

その気になる音は多分、
もうすでに可聴帯域外にあるはずなのだから。

 しかし、それにしてはネット上に現れた報告数が多すぎるのが気にかかる。まるで愛好家が保持するすべてのボードがそうした不具合を持っているのではと考えてしまう程に、ネット上はその報告で騒がしいのだ。

 しかもその発生事例中の多くの場合(報告してきた人達において)は、複数枚ボードを購入して持っているがそのすべてで症例が発生しているのだ、と言うではないか。

 そうした報告例がネット上で賑やかに挙がっている一方では、私の持っている2枚のボードはどれも共に無事という状態なのだった。いずれの固体(それぞれの使用パーツに違いはあっても)においても、そこからの再生音には何の問題もないという状況なのだ。

 さてこれは一体どういうことだろうか。いわば私のボードに関しては、ひとつの小さな奇跡が起こっているということなのだろうか。


 そこで、ボードへの改修の前に、あらためてそのこと(異音、ノイズ)を考えてみた。
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 話題の<L1>インダクターと<C3>コンデンサー

<U3>のIC”MC34063”に接続された
話題の<L1>インダクターと<C3>コンデンサー
L1インダクター

<異常発振音 に関しての私の仮説>

 これは私の考えている仮説にしか過ぎないが、私が使っている安物のイヤ・フォン(定価が4000円ほどだったと記憶しているパナソニックの製品)による恩恵かも知れないぞ、と思い浮かんだのだ。

 なぜなら、彼ら報告者の事例と私との差異はその辺りに顕著にある様に思われたからだ。

 普段ヘッド・フォンを主体に音楽を聴いている人達の製品と私が利用している製品とでは、両者の性能差は計り知れないものがあるだろう。想像するに、そこで掛けているコストが比較にならないものだと思われるのだ。

 ヘッド・フォンやイヤ・フォンに使われる振動版の性質や筐体(共鳴や振動抑制)の構造や材質(木製のボディで作られたイヤ・フォンなんかもありますね、高いモデルになると・・)、さらにノイズの量など、あるいは再生される音質や音場や音の品位や再現性(プレゼンス)という肝心な味付けなど、すべてに渡って比較する事自体が成り立ちようが無いほど、まるで違うものと思われるからだ。実用車とスポーツ・モデルとの比較は成り立たないものだが、両者はそのそも別のものだからだ。

 判りやすい例でいえば、自動車であっても、自転車であっても、たとえばそれがスキーの板のようなスポーツ用具だったとしても、ハイエンドの製品と実用品の間では、注ぎ込んでいる技術要素がまったく違うし反応や効果がそもそも別の次元にあるからだ。
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ノイズ対策の本命 C11 ノイズ対策の本命
  <C11>コンデンサー

写真中央の小さな基板実装チップを交換し、
規定値を220pFへ変更するのだということ。

 そうした高能率で高品質を持った高インピーダンスの製品でのみ発生する事象なのだろう。その製品があまりにも高い再現性能を持っているがために拾ってしまい、それを忠実に音声として再生してしまうという事なのかも知れない、と考えたのだがどうだろうか。

 たとえば、私が確認した2枚のボードに繋いだノート・パソコンは同一品だ。だから場合によると2枚の接続先をそれぞれ別のパソコンに切り替えると、状況は違うものになるのかもしれない。しかしこれはパソコンが原因であると言う仮定に立った場合の確認事項だろう。(この件については繋げば良いだけなのだが、それが面倒で未確認の状態のままである。)


 当初はそれが原因とも考えたが、どうも制御側のパソコンによるのノイズの混入といった内容によるものではないらしい。
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12Vのオペアンプ供給の改造 <R30>の抵抗値を合成して変更し、
<C4>の耐圧を16Vから25Vや50Vへ変更する。

すると、12Vのオペアンプへの供給電源のボルト数を高めることが可能。

これは誌面で紹介されていた正統派の改造。


しかし、確認してみるとオペアンプの対応量の多くは2V−19V程度で動作する仕様になっている。

だから、そのままでも問題ないといえよう。

 報告者の利用するOSや再生ソフトは、勿論それぞれ違っているだろう。

 32Sの人もいるだろうし64Sのものを使っている場合もあるだろう。さらにはWINDOWSのOSのバージョンで言えば”VISTA”や”7(セブン)”、これはどうかと思うがいまだ”XP”だという場合だってあるかも知れない。あるいはMacであるとか、Linuxであるとか・・。

 それにOSの差異だけでなく、パソコンへの電源の供給環境も随分と違っているはずだ。

 私のように横着ではなく、彼ら発生者(何だかウィルスのキャリアみたいなので、発生機保持者としたほうがよろしかろうか)においては、各人それぞれの可能な限り、様々に環境を替えて確認しているようだ。その中で等しく発振する事象が起きるのだとすれば、その原因が基板の持つ回路上の問題(あるいは選定したパーツの性能問題)に由来していることは間違いがないだろう。
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L1インダクターとC3電解コンデンサー <L1>インダクター
<C3>電解コンデンサーのペア



<L1>のインダクターは特に問題らしいので、
ここはケース付きの遮蔽タイプへ変更したいところだ。

けれど、アルミ板を絶縁して加工し、
インダクター本体(のコイル部分)を覆ってしまっても充分に効果があるという。

 そして、有難い事にそうした多くの報告例の中には、現にノイズをひろって分析して発生源を究明したサイトもあるし、ノイズそのものをあいまいな言語表現(「ピー音」なんて記述が多く書かれている)ではなくオシロスコープの波形によって明確に報告してくれたサイトなどもある。

 だから発振してしまう基板においては、ボード周辺の環境改善や外部要因の排除などの手当ては通用しないようだ。

 その耳に障る異音は、回路へ手を加えて改造を加えなければ取り除けない事象であり、発生機保持者の方達にとってはこの上なく切実な問題なのだろう。

L2インダクターとC4電解コンデンサー

<L2>インダクターと<C4>電解コンデンサーのペア
C4電解コンデンサー

本当はこの辺りに手を入れて”C3”のコンデンサー同様に220μF位へその容量を増加させたいところだが・・・。
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ボリューム本体のアース化

ボリュームもノイズに関係するので、VR本体のアース化を図りたい処だ。
アースのポイント


例えば、USBジャックの本体が基板面に固定されている。
ここを基板裏面上のアースポイントに利用出来るだろう。

 そうした多くの検証結果が導き出した結論からすれば、ノイズが載った状態のボード(基板)からその発生原因を根本から取り除くには、基板上の回路の一部(電源系)に手を加える手術をするしか回復のすべが無い様だ。

 それが発振現象が発生している固体なのだとすると、一部分のパーツや基板面へのシールドの設置である程度はノイズの発生を回避できるのだという報告例もある。基板左端下側に実装された<L1>のインダクター表層全体の遮蔽、それに基板奥に実装されたクォーツ(水晶)発振子の基板裏面側の遮蔽の2点の対処が有効だという話が紹介されている。

 また、私が考えるには、シールドと共にアースの対応も効果があるだろう。ボリュームのボディ・アースやボード自体のアースなど、アンプ工作での標準となる諸々の対処などだ。

 しかし、信号系のアースと電源系のアース、基板、ケース、などそれぞれを接続してよいかどうかはまったくの未確認の状態。私が取ろうとしている基本方向としては、まず外部電源の供給を選択できるように改造するつもりの電源アースは別とし、信号系でいうと入力側はケースにアースするが出力側の諸信号はシールドするつもりである。

 つまり、ヘッド・フォン端子、RCA端子、デジタルアウト端子(S/PDIF対応時)などはケース・アースを採らず、ケースからはシールドするつもり、という事だ。


 どうも報告を読んで感じたことは、最終的なノイズ(発生時の)対応としては部品置換(表面実装パーツの<C11>コンデンサーの置換;220pFの小容量化策)を行う大胆な改造をする以外に方法がないらしい。
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ノイズ対策のシールド位置

ノイズ対策となる基板裏面ののシールド添付位置
水晶発振子の裏面基板を遮蔽することで、
ノイズを対策できるということだ。

丁度写真の中央部に2個の半田があるが
その辺り一体をシールドするのだという。

勿論そのまま張ってしまっては導電体であるシールド板で回路がショートするので、その板をテープ等で絶縁した後に、改めて貼り付けることになる。

 Web上に溢れる報告の中にあって、私は幸運にも(あるいは偶然にもというべきか) ―いや逆に不幸なのかも判らないが― 異常発振や高レベルの雑音(ホワイトノイズの発生)などの我慢ならないノイズ発生現象がまったく起こらないボードを(奇跡的に?)引き当てた。

 繰り返すがヘッド・フォン出力からもライン出力によるスピーカ再生においても、何らの異常も発生していない。異音や雑音は、何処からもまったく聴こえて来ないのだ。

 しかし喜ぶのは筋違いで、私のところでノイズが発生しないのはひょっとすると別の原因があるのかもしれないという事に最近になって思い至ってしまった。
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美しく仕上げられたLXU−OT2のボード実装 美しく仕上げられたLXU−OT2の
ボード実装の様子

<「老人力」を装備する (仮説に基づく対策)>

 随分遡った話であり、今もそうした手当てがされているかは判らない。(だから、以下の内容は「話半分」と思って読んで頂きたい。)

 私の原因(要因)と思う要素となるその話を紹介しよう。

 少し前のことになるのだが、公園などに設置された公衆トイレの入り口の上部にモスキート音を発生させる機器が取り付けられた、という話がそれだ。都市伝説なのかどうか、さいたま辺りの私の住環境の周辺ではその装置らしきものをまるで見かけない。果たしてその装置が実在するかどうか・・・。
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 さて、この仕組み。

 若者世代がトイレの前に長々と陣取って「たむろ」するのを防止するという重要な役割を持っているという。

 たしか、コンビニエンス・ストアにおいても、長時間店先で座り込んで居続けている若者達を迷惑であると思って、この種のノイズ発生器の設置が考えられたのではなかったか、と思う。

 およそ40代以上という中年層からそれ以上の高齢者の間ではその異音を聞き取れないのだが、耳の性能に劣化のない若者には高い周波数の発振音が極めて明瞭に聴こえるのだという。私達の世代(半世紀を生き抜いた世代)にとっては無音の世界なのだが、そうした装置がついたトイレの前に立った若者達にとっては常時鳴り続ける盛大なモスキート音が聴こえているという。彼らはそのキーンという高音に長時間耐えられず、とてもその場に居続けことなど出来ないのだそうだ。

 今回のネット上での多くの書き込みを読んでいたら、その話を思い出した次第。

美しく仕上げられたLXU−OT2のボード実装 美しく仕上げられたLXU−OT2のボード実装
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 盛んにレポートされている障害が私の手持ちの複数の基板では皆無という事態は、実はそうではなく、実際にはそこから異音が発生しているのではないか。

 しかし私にはその異音が高周波過ぎる。歳を経て機能がて劣化した我が耳では、それを聴き取れないだけなのだといったことが、ことの真相かもしれないではないか。

 その異音(高いノイズ音)が発生しないという話の裏側には、実は私の年齢に大きな要因がある、という「落ち」があるのではあるまいかと少し心配している。敢えてそのノイズを聴こうにも、私自身の年齢が邪魔をしてしまう、といったことが起こっているのではなかろうか・・・。

ノイズからのシールドを狙ってケースを作る ノイズからのシールドを狙ってケースを作る

ノイズからのシールドを狙ってケースを作る
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 そこにこそ、今回の根の深い課題に対する回答がある。

 あるいは対応の手立てといえようか。決定打となる「解決策」の出現、と呼んでも良いかもしれない。

 最近遭遇する機会がつとに増えている、何か事が発生した際にその原因を問うたびに頻繁に返される「加齢」という言葉で表現される事象、それこそが今回の異常発生への対応策である、と改めて表現し直してもいいのではないか。

ノイズからのシールドを狙ってケースを作る これは、
USB-DACボード「LXU−OT2」のジャストサイズ。

W100 * D65 * H40 (単位mm)
のアルミ製シャーシがその正体

富士シャーシ販売の「FL−1R(改良版)」だ。

パーツ類は、真空管アンプのように上面へ取り付けるべきなのだろうが、丁度、裏返すと上面が開いて、ボードが見える状態になる。

なお、上面へはアクリルパネルを付ける予定。
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 もし仮に、「加齢」こそが大切なキーワードで最後の切り札、迷える我々の救世主なのだとすると、私は今後においては同様の事象からは一切開放されるということになるのだが、どうだろう。

 しかも、それが有効な対応策だとしても、若い世代にはその対応を実現するすべが、残念な事にまるで無い。

 彼らの世代が「加齢」を獲得するには気の遠くなるような膨大な時間が掛かる。だから彼らはそれが耐えられずに、そうした人生における周到な研鑽を積むことなく、真っ向から問題へ立ち向かっていってしまい、てっとり早い解決案(策)を探ってしまうのだろう。


 たとえば、その事象(異音の発生)に対抗する策としては「加齢」を加えていけば自然に解決するのではないだろうか。しかし、若い彼らにはそれが出来ない。「我慢して待つ」なんてナンセンスなまねは出来ない相談なのだ。だからフッと力を抜くことが出来ずに、かえって一層、すっかりと力み返ってしまう。そして全力で突き進んでいって、挙句は基板そのものを改造してしまうのだ。

 「加齢」として指摘されるベクトルについて、別の言葉で表現した達人が居る。作家の「赤瀬川源平(あかせがわ げんぺい)」である。氏が提唱した「老人力」がその決定打なのだ。「老人力」は実に<偉大なちから>で、負の方向に向かったもの。それは人類を救うような輝ける可能性を秘めている大いなる力なのだが、その獲得は一朝一夕では成し得ないものだ。

 皆さんも氏の「老人力」「続老人力」の2冊の鋭い考察が展開された偉大な著作を研究してみると良いのでは、と思う。是非、ご一読あらん事をお勧めする。

ケースはリベット留め(アルミシャーシ) サイドを留めているリベットを外す。

シャー巣のリベットを外す
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<感謝の気持ち>

 話はまるで飛んでしまうが、考えてみれば今のご時勢、本当にデフレで良かった、と思う。

 新しく始まった政府は、現状の経済環境を変化させてインフレ化させようと躍起になっている。最近ではテレビの報道特番でもすっかりそれに乗っていて、その媚様は見苦しいほどだ。どの状況の市民にとっても完全にデフレであることが悪い影響をもたらすのだ、というようなキャンペーンが盛んに張られている。

 通常のインフレ下の経済状況にあったとしたら、僅かに3000円弱の投資で、これほどの教材や改造の余地のある素材は入手できるものではなかろう。その一点だけを捕らえても、今の経済状況は、殊に私にとっては歓迎できるものだ。

ケースはリベット留めのアルミシャーシ シャーシ内(天地反転)に収納した状態。

TOSLINK端子のみ、増設していて、あとはノーマルの状態。
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 無駄口はさておいて、本当にこの企画の実現には感謝している。この付録によって素晴らしい世界が展開されたと思うからだ。私のように何の問題も起こらない状態であれば、手放しで開発サイドで意図した音質を享受できるのだから。

 そこでは、不具合を終息させるためという意味とは別の、高品位な素材としての得難い価値を持ったこの付録を利用して、さらに改造して音の変化を愉しむことが出来るのだ。そしてそれは本来以上の性能の追求(そのための改善)を意味している。

 それはスペックの向上というものではなく、質的なものの改善へのアプローチだ。そのための充分な余地が、この小さなボードのなかには大きな情熱の表れとして凝縮されているのだと思うのだ。

 なぜかと言えば、いやもう言うまでも無かろうが、(障害が発生している人を含んで)これほどまでに購入者を惹き付けて、その魅力の虜としてしまう<粋>な製品なのだから。

ケースはリベット留めのアルミシャーシ シャーシ内(天地反転)に収納した状態。

サイドパネルは切除している。このシャーシの上面と横面にアクリルパネルを取り付ける。
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