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カメラ : 35mm 一眼レフ
M-35 SMC−M35mmF2.0の絞り羽根の油浮きを落とす  (2009.01.02)

レンズ;
  SMC−M 35mmF2.0


 時代の流れを決定付け、「マイクロ一眼」と命名されたカメラがある。ASAHI−PENTAX Mシリーズ・カメラの<MX>と<ME>だ。フルマニュアルのMXと、AE機のMEは露出機構が異なる。このため多様なユーザーニーズを捉える事ができたので、かなりヒットした製品だ。MEはその後、お手軽撮影ユーザ層を的確に捉えてMEーSuper、Super−A、ME−Fと進化を続ける。

 その小さなMシリーズボディに合わせて開発されたのがMシリーズのレンズ群だ。M40mm50mmF1.4、85mmなど素晴らしいレンズが多いし、30mmや100mmなどいまだに人気の高いレンズがある。

 Mの前にある「SMC」はSuperMultyCortedの略で、すべての使用レンズの両面に7層のマルチ・コーティングを施したものだ。レンズ自体も小型軽量を身上として開発されたので、携帯性は抜群だ。

 Mシリーズの中でも人気の高い35mm広角のF2.0レンズを手に入れた。年末の30日にいつもの新宿。仕事ついでの気分転換に昼に寄ったらこのレンズを見つけてしまったのだ。ジャンクではないが「多少難あり」の注意書きがあり、「レンズ内ごみ多数」と併記されている。普通の中古製品だということを了解の上でご購入ください、ということだ。
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M−35mmF2.0

<Mシリーズ レンズの仕組みの基礎講座>

 MシリーズのマウントはKマウントという名称のバヨネット・マウントだ。基部に5本のネジで留められている。絞りリングなどを取り外す場合など内部まで手をいれる場合には、このネジを外してステンレス製のマウント金具を開放する。結構なトルクで締められているので、上からちからを入れて押しまわす様にしないと「ねじ山」をなめてしまうので注意が必要だ。

 絞りリングやヘリコイドなどまで手を入れないのであれば、マウント基部ではなく、その保護用のプレートのみを取り外す。側面に3本の精密ネジがあるので、これを外すと絞り以降にあるレンズ後群を開放できる。このプレートは絞り羽根制御ピン保護用を兼ねているが、これを外すと、後群のユニットのマウントネジ(カニ目)があらわれるのだ。このプレートだけを外すというところがミソ。

 絞りリング、ヘリコイドリングなどまで外す事が出来るが、絞り羽根のユニットを取り出して分解・清掃する場合には、ヘリコイドリングまでのアクセスが必要となる。何度かやったことがあるが、絞り羽根連動用の制御機構があり難易度が高い。小さなステンレス製の連動ピンやそのピンを開放側へ引き戻すための羽根や回転プレート金具などがあって、経験が無い状態で一度外すと取り付けは難しい作業となる。

 前群レンズは、レンズ前面の名盤プレートを回して外す。プレートにはネジ穴は無いので圧着して回す必要がある。専用のレンズ・メンテナンス工具があるが、固着したビンの蓋などを回すためのシリコン製のキッチン用品で代用できる。後群同様に、レンズユニットを保持している筒があるので、そのユニットをカニ目でまわせば、群全体が開放できる。
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M−35mmF2  1/4000 f2.0 M−35mmF2  1/1250 f2.0

 SMC−Mシリーズレンズは、私がときめく大学生であった頃の製品で古いレンズだ。発売は1970年代後半の製品だ。

 実は SMC−Mの35mm広角レンズはF2.0の同じ製品を持っている。10年ほど前、銀塩カメラが終焉する前で中古レンズも人気が高かった頃に購入したものだ。F2レンズには憧れがあり、このレンズはその期待を裏切らないものがあった。

 Mシリーズのレンズはデジタルの<Ist−D><K10D>へ「マウント・アダプター」なしで接合できる。ボディ側の設定(「絞りリングの使用許諾」)を変えることでレンズ側での任意の絞り値操作によって絞り優先露出となるのだ。

 マニュアル・フォーカスなのでピント確認はフォーカスエイドとなるが、現行のレンズから比較しても小型・軽量で操作性は悪くない。リミテッド・シリーズのDAレンズはこの伝統を引き継ぎどれも小型軽量だが、絞りリングの機構は付いていない。今後PENTAXがマウント形式を変更することは無かろうが、他社ボディへ接合した場合には開放でしか撮影できない。

 難点は「絞込みプレビュー」でのボケ味の確認が出来ない事くらいだ。それと多分割測光ではなく中央重点測光となるので、シビアな露出設定(補正)が必要となるのがすこし厄介だろうか。ちなみに銀塩で出来てデジタルで出来ないのは、絞込みプレビューだ。Aシリーズ以降は連動するのだが、デジタル・ボディにMシリーズを装着した場合には何故かシャッターレリーズの瞬間しか絞り羽根が動かない。
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M−35mmF2.0 M−35mmF2.0

 ST−135mmのメンテナンスはお盆休みで仕事であったが、今回も状況は同じだ。長い冬休みのはずだが、仕事だった。

 12月は頭から土曜・日曜と仕事が続き、そのまま冬休みとなったがやはり仕事だ。そして、とうとう30日だ。新宿のいつもお世話になっている「カメラのキタムラ」へ気分転換に寄ってみた。

 ショーケースの中に、「レンズ内ごみ多数」の注意書きが付いた「SMC−M35mm F2.0」を発見した。仕事に疲れてすさんだ心に明かりが点った。折角の冬休みなのだ。何とかしようではないか・・・。

 すでに所有している35mmF2.0は購入時の価格が2万を越えた記憶があり、PENTAXでのオーバーホールをお願いしたので結構な金額となった。しかし、今回のものは「訳あり」なので1万円ほどだ。しかも年末セールで一割引であった。
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カビの状況(銀色のピンの横) 保護プレート

 レンズをチェックさせてもらっていたら、「ごみ多数」よりもむしろ問題の点が見つかった。絞り羽根だ。

 油が浮いているのだ。

 前面から見ると何も無く清浄な状態だが、後ろ側から確認すると、羽面に油が浮いている。このため絞り羽根が粘る。俗に言う「絞り油浮き」または「絞りねばり」という状態だ。F11以降の絞りでは開放状態に戻るのに若干時間が掛かる。それに、設定絞り値の状態まで絞り込めない場合がある。F11より浅い設定であれば問題が無い。

 私の撮影ではF11より深く絞ることはないので、実用上の問題は無い。だから、すこぶるお買い得であった。

 絞り羽根の油が飛び散ることは無いが、気温が高くなった場合にはレンズ前面側まで浸透してしまう可能性もある。だから、これは油を清掃しなければならない。その作業時にレンズ内部の埃や塵をとりされば良いのだ。

 このあたりでは除夜の鐘の音が響く。与野本町にある円乗院の鐘だろう。除夜の鐘を聴きながら、レンズをメンテナンスしながら年をまたぐなんて、考えてみれば素敵なことではないか。そんなことを考えて陶酔していたが、しかし実際に作業したのは元旦になってしまった。
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マウント部 後群ユニット

 まず、レンズマウントの側面にある3本のネジを外す。すると、絞りピン保護用のプレートが取り外せるようになる。これをマウント金具から引き抜く。最終レンズを押さえている留めリングの外側に、後群レンズのユニット全体の筒がある。これをトルクを掛けて取り外す。カニ目用の切り欠きを「かに目レンチ」という専用の工具でまわすのだ。工具の形状はカニの目の部分の様で、ボディから飛び出た二本の目の部分がドライバーの歯となっている。歯先は、デバイダーのようなピン状だったり、マイナスドライバー状であったりする。その「カニ目」でリングネジにある二本の切り込みを回すのだ。

 ST−135mmのメンテナンスで前にも書いたが、実は私がいつもレンズの分解に使っているのは、紹介した「かに目レンチ」では無くキッチンバサミだ。握り部分の底に平らなドライバー状の張り出しがある。もともとハサミなので中留めから任意に広げて幅を調整できる。それでうまく使うと「かに目」と同様の働きが出来るのだ。

 レンズ面にキズをつけないように注意して、リングネジをゆっくり回す。一遍に力を入れると、山(切り欠き)をナメてしまう場合があるのだ。

 「後玉」ユニット全体がこうして取り外せる。ちなみに今回は対象としていないが、このユニット内のレンズを個別に取り外す場合は順番に見えてくるリングネジを外していく。すると一枚ずつだがレンズが順次外せる。
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絞り羽根

 筒を外して、後群レンズユニットを取り出す。

 確認すると、このレンズ群の絞り側に糸状の塵が付いていた。ブロアで噴いて取り除く。油が飛んではいなかったが、念のためクリーニング・クロスで清掃しておこう。

 絞り羽根が現れた。これを開放側にして、前群レンズ面をやはりブロアで噴く。まず塵を飛ばしておくのだ。

 絞り羽根を開けけたり閉めたり調整しながら、羽根の表面に浮いた油を拭く。絞り羽根のユニットは薄いので、力をいれて拭いてはは絶対にいけない。ゆっくりと慎重に作業をしよう。全体に浮いていた油が上の写真のように綺麗になった。

 最後にブロアで埃を飛ばして、後群のユニットを戻す。焦点距離に影響するので、トルクを掛けてユニットをねじ込む必要がある。
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M−35mmF2  1/25 f2.0 M−35mmF2  1/500 f2.0

 油浮きと「ごみ多数」が無事に除去できたので、早速にテスト撮影をしてみよう。

 元旦のさいたまは温かかったが、午後になって少し風が出てきた。与野七福神で混んでいるが折角なのですぐ近くの与野氷川神社へ行ってみた。

 写真を撮ったボディは<K10−D>だ。絞り込みプレビューが効かなかったので、連動不調と思って絞りを設定しなかったので、すべて開放で撮っている。帰宅して色々調べたら、連動不良ではなく、単に絞りこみプレビューが出来ない機構上の妙な仕様であった。

 絞った状態でレリーズすれば、しっかりと羽根が連動していた。撮った写真では関係なくなってしまったが、絞り羽根自体の動作はまったく問題が無く、スムーズに動作している。
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