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2007.12.01
TAKUMAR(タクマーレンズ)を染める

アクセス;
 さいたま市中央区;

カメラ;
 PENTAX K10D

レンズ;
 PENTAX SMC−TAKUMAR 28mm F3.5
 PENTAX SMC−TAKUMAR 50mm F4 マクロ
 PENTAX SMC−TAKUMAR 105mm F2.8
 PENTAX SMC−TAKUMAR 120mm F2.8
 PENTAX SMC−TAKUMAR 135mm F3.5
 PENTAX SMC−TAKUMAR 150mm F4


三脚;
  K10D:カメラの手ぶれ補正ONにて、三脚は不使用

 (画像添付時に約70%程度に圧縮)


 先日、古いタクマーレンズをIst−Dにつけて撮影(2007.11.25 「氷川神社をめぐる」)したが、考えていた以上の色がでた。

 逆光ではフレアーが盛大に発生してしまうし、コントラストも高くは無い。現行レンズに比べるとそんな欠点もあるが、豊かな階調やその柔らかな表現には、なんともいえない「味わい」があるように思える。
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ホトケノザ(50mmマクロ) 野の花(50mmマクロ)

 先日の試みに気をよくして、今回もアダプターを使って、今度はIst−Dではなく新しい<K10D>に装着し、秋の色を「TAKUMAR(タクマー)レンズ」で撮ってみた。

 そもそもデジタルカメラの受像素子・APS−Cサイズの画像素子では、イメージ・サークルが小さくて35mm用レンズの中心部だけを利用することになる。通常、レンズは周辺部よりも中心部の方が解像度や収差などの面で数段に性能が良い状態となっている。だから、銀塩用のレンズをデジタルで利用すると、35mmフィルム判のときに持っていた性能以上のものが発揮される。言いかえれば、通常撮影で絞り込んだ場合と同様に、レンズの一番いい部分だけを利用することになるからだ。

 そこでは、色収差以外の「さまざまな歪」が少なくなる。だから、逆光でのフレアーを避けて光を上手く集めれば、ゆがみの少ない豊かな絵になるのだと思う。

菊(50mmマクロ)
SMCタクマー50mmマクロ F4 1/60 f4

 家の近所にある田の畦を見ると、早春の野草で小さい赤い花を着ける「ホトケノザ」が、もう咲いていた。北与野駅の方へ散歩に行ったが、途中の民家では、イソギクのような小さな丸い花の菊が咲いていた。

 もう晩秋といっていい時期なので一斉に咲くというような華やかさはなかったが、散歩道の足元ではそれなりに咲いている野の花があった。


 小さな花達や落ち葉は、端正な写りをするSMCタクマー 50mmのマクロレンズで撮ってみた。その後、SMCペンタックスレンズへと設計(だから性質も)が受け継がれるのだが、1/2倍までの近接性能でF4と少し開放F値が暗い。

 だがその分、無理の無い設計でコンパクトにまとめられている。非常に良いレンズだと思う。
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桜の葉(50mmマクロ) 上落合公園(35mm)

 散歩に出て写そうとしているのは、紅葉(もみじ)の葉だ。

 この秋はだいぶ楽しませてもらったが、もみじの色付きもそろそろ終わってしまうだろうから、今年の紅葉をこうして撮影しするのはもうこの日が最後になるだろう。

 ご近所の秋の色だが、北与野駅前の郵政宿舎の見事な紅葉と、駅を挟んだその反対側にある小さな公園(与野ハウスの横)の紅葉が、今回のモチーフだ。

 以前、フィルムで写真を撮っているが(SMCタクマーの135mmレンズでこの紅葉を撮っていた)、その鮮やかな色は納得のものだった。デジタルカメラでも、銀塩で写した時と同様に、このレンズを使えば同じ感じが表現できるだろうか・・・。
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郵政宿舎のもみじ(150mm) 郵政宿舎のもみじ(150mm)

 まず、はじめは、SMCタクマー150mmレンズだ。

 135mmレンズは精細な描写だが、150mmはそれとはまた別の写りをする。発色は穏やかで、なんとも言えず柔らかな描写なのだ。

 APS−CサイズのCCDを持つデジタルのK10Dに着けると、その焦点距離は1.5倍の220mmになる。手持ち撮影としては限界の焦点距離なのだろうが、三脚は持ってこなかったのでそのまま写してみた。「手振れ補正」が効いてはいるが、スローシャッター(いずれも1/30秒以下)なので「振れ」は防ぎきれていないようだ。

 手振れが無く、ピントが先鋭であれば、またすこし違った感じの写りになったかも知れない。

郵政宿舎のもみじ(150mm)
SMCタクマー  150mm F4   1/15 f4
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池(135mm) 池に映る(135mm)

 JR北与野駅前には国道17号が通っているが、駅のすぐ前の、道を挟んだ反対に小さな公園がある。

 北与野で一番古いマンションの与野ハウスの付帯公園なのだと思うが、居住者以外の規制はされておらず一般の人も入ることができる。築山から流れる山水があり、小さな池があって、どちらかと言うと公園と言うよりも日本庭園といった感じだ。(小さなブランコと砂場、ベンチがあるので、公園ではあるのだが・・)

 その池のほとりにもみじがあって、いい状態に色付いている。このもみじを135mmや120mmの望遠レンズ、それから葉に近づいて28mmの各レンズで撮ってみた。

木漏れ日ともみじ(135mm)
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もみじ(135mm)
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池の落ち葉(120mm) 鮮やかなもみじ(120mm)

 池に浮かぶ落ち葉が、暗い水面に広がっていた。

 池の横の紅色のもみじの葉の間から池を覗くと、そこに沈んだ葉も見えて、深まる秋を一層感じさせる。鮮やかな葉を端正に写すのではなく、すこし柔らかな色も出したかったので、SMCタクマー120mmのレンズに付け替えて何枚かを写した。

紅葉(120mm) 落ち葉(120mm)
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紅い色(28mm)
SMCタクマー 28mm F3.5   1/13 f5.6

 さて、望遠レンズばかりではなく、広角レンズも使ってみよう。

 SMCタクマー28mmは、非常にコンパクトな設計のレンズだ。広角レンズとしては、ごくオーソドックスな造りで、開放F値は3.5、絞込むといい色が出る。

 開放のF値が明るくないのは、周辺光量の低下で画面周辺の四隅が暗くならないようにするためだ。本来が、スナップマーク周辺(F8にてほぼパンフォーカスとなる)での利用や絞り込んで使うことを想定して設計されたレンズだが、今回は開放周辺(F3.5や せいぜいF5.6)で利用してみた。

 デジタルでの35mm判換算では焦点距離は42mm位なので、広角ではなく標準レンズの写りとなる。そこで、あまり絞り込まずに一歩踏み込んで背景をほどよくぼかして撮ってみた。(サイズ縮小で色の感じが変わってしまったが、思っていた通りの紅色がでた。)

池面に映る(28mm)
池面に映る(28mm)


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木漏れ日と紅葉(120mm)
SMCタクマー 120mm F2.8   1/25 f2.8 露出補正+0.7

 やはり、SMCタクマー120mmレンズの魅力的な柔らかな色が出したくなり、帰り道ではこのレンズに付け替えた。

 15時を過ぎた晩秋の午後の木漏れ日や、16時近くの淡い光を写し取りたかった。

銀杏(120mm) 公園のもみじ(120mm)

 「秋が来た」、と思って秋の花 (2007.09.23 「秋を感じて」)などを撮っていた。

 秋の紅色(2007.11.23 「深まる秋に」)を追いかけていたが、散歩の帰りに注意してみると、秋はもう通り過ぎようとしているようだ。桜の木の根に集まる落ち葉や、冬枯れた枝に残る柿の実など、気がつけば、晩秋というより「初冬」という雰囲気が漂う。

 鮮やかな色たちが去っていこうとしているが、冬にはまた、冬ならではの色がある。

桜の木(120mm) 市目柿(120mm)
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