長く伸びる草があると幾本かを束ねて二つにし、その両方を縛ってアーチ型の罠を作って遊んだものだ。そ知らぬ顔をして、あらかじめ仕掛けておいた束の部分に友達を誘い込み、ひっかかる所を楽しむのだ。
でも、その罠ではあまり成功はしなかったので、次第にエスカレートしていって、悪戯の最後は落とし穴などに発展したように思う。
今はどうだろうか?子供に聞いたことが無いので判らないが、もし、土の地面がある空き地があったら子供達は昔の私達がしたようにそこに「落とし穴」を作るのだろうか・・・
やがて成長して大人になってから、実は往時よりずっと危険に満ちた落とし穴が方々にあることを思い知った。うっかりと過ごしていると、そんな穴のひとつにいとも簡単に捕らえ込まれてしまう。そうして改めて考えると、子供時分のあの罠は大人になるための用心であり、ひとつの模擬的な演習だったのかもしれない。 |