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2007.07.01
新座・黒目川;越生への寄り道

アクセス;
 JR武蔵野線 新座駅 、東武東上線 朝霞駅

カメラ;
 PENTAX Ist−D

レンズ;
 PENTAX DA18−55mm F3.5−5.6 AL
 PENTAX DFA100mm F2.8 マクロ

 (画像添付時に約30%程度に圧縮)


 越生へ行こうと思った。紫陽花の写真が撮りたい、と・・・。

 それに、去年の虹鱒(2006.08.14 「涼を求めて、黒山三滝(越生)」)を思い出したのだった。涼しい渓流(2008.05.01  「奥武蔵、顔振峠から黒山三滝へ抜ける(吾野、越生) 後半:大平山から黒山三滝」)で、山女(ヤマメ)や虹鱒の美味しい塩焼きを食べる自分の姿が脳裏に浮かんだ。それだけで、少し幸せな気分になってきた。

 紫陽花の写真(2007.07.06 「あじさい街道(越生)」)が撮りたいが、一人で美しく咲く紫陽花を楽しむのはもったいないので、子供には「虫が捕れる」(トンボやバッタを観察したいらしい)といって一緒に出掛けることにした。

 今回は、車ではなく電車で出掛ける事にして自宅を出発した。埼京線で川越へ行って乗り換え、東武東上線で坂戸へ出てそこから東武越生線へ乗り換える、というのが順当なコースだろう。何を思ったか、京浜東北線で南浦和、武蔵野線で新座、そこで東武東上線に乗り換え(北朝霞)坂戸、越生というコースを選んでしまった。乗り換えの回数は多いが、待ち時間が少なくて済むような気がしたためだ。

 この選択が、そもそもの間違いだった。

黒目川
黒目川は、荒川の支流だ。
何の花だろう?
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 朝霞(あさか)駅での乗り換えでは、JRの駅に隣接する東武東上線の朝霞台駅へ、一旦それぞれの駅の外へ出る必要がある。ただし、駅前のロータリーは一緒で、ほとんど同じ場所といってもよい近さなのだが駅舎はまったくの別になっている。JRと東武線の駅では、川越駅と本川越駅や足利駅と足利市駅、日光駅と東武日光駅など、駅同士が連結していない、しかもちょっと距離があるところが多い。伊勢崎線・日光線の久喜駅や栗橋駅、両毛線の伊勢崎駅、のように構内が一緒だと助かるのだが・・。目的地の「越生駅」もそうだ。JR八高線と東武線のホームが並び、連結している。

 一旦改札を出たついでに、駅前で食事をすることにした。食事の店を迷ったり、駅前にあった古本屋さんで道草しているうちに、なんだかこの後に電車を乗り継いで越生まで行くのが面倒になってきた。

 新座には有名な「野火止(のびどめ)用水」や紅葉の名所として賑わう古刹の「平林寺」がある。新座なら、まだ自然が残って楽しめる場所があるに違いない。そんな場所をみつけてみるのも楽しいではないか、と思えてきた。

 駅前の本屋さんで地図やガイドを探したが、あいにく新座周辺のことは記事になっていないのだった。それでは街をぶらぶらするか、と駅前に掲示されている地図を見いていたら、すぐ近くに川があることに気が付いた。「新河岸(しんがし)川」と「黒目(くろめ)川」がそれだ。「新河岸川」は赤羽でも目にするし、川越でも目にする。江戸時代の内陸への主要な川運の舞台となって整備された川だ。
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河岸の朝顔 砂の城

 地図によれば、黒目川のほうが駅から近い。そこで私達は、黒目川へ向かい岸辺で遊ぶことにした。
 
 さあ、そうと決まれば食糧の買出しだ。

 お誂え向きに駅前には「ローソン100」があった。(ローソン系列の100円ショップ)、普通のローソンより品揃えが多い気がするが、置かれた商品の価格はすべて100円だ。色々な生活用品も置かれている。気のせいかも知れないが、いつもの有名な100円ショップのチェーンの店より扱っている品物が上等な気がする。

 飲みものとお菓子、それにお腹が空いたときのための蕎麦と冷やし中華(例のパックのお弁当だが、これらも100円)を買い込んだ。皆嬉しくなる均一価格なのだが、ただ、お酒だけは100円ではなかった・・・。

ムラサキ? あるいは タチイヌノフグリか? アカツメクサ
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清流(小鳥たちが水あそびをしている) 魚が泳ぐ

 黒目川は新河岸川同様、荒川水系の一級河川で、東久留米市から新座市を流れ、新河岸川に合流する。(新河岸川は川越へ行く途中(2007.05.03 「川越ポタリング」)に出会った、あの川だ。)

 駅から住宅街を抜けてしばらく歩くと、静かな河岸の散歩道に出る。川沿いの遊歩道はバラス道で、並木として植林され、各処にロータリークラブが寄贈したベンチが用意されている。川底は細かい砂礫で、静かな流れの水は綺麗に澄んでいるし、いやな匂いやごみがない。まるでオアシスに出会ったようで、こんな都会に驚くほど綺麗な流れがあることが、はじめは夢の中での出来事に感じられた。工事が進む霧敷川(2007.03.31 「霧敷川の桜(与野)」 )から比べれば、この様子はまさに「夢」そのものだ。

ひんやりとして気持ちがいい クランベリー

 帰宅してから、色々調べてみると、この川の清流化には並々ならぬ取り組み(NPOを中心とした市民活動)がある事が判った。

 勿論、新座市も条例の整備や予算化でバックアップしていて、官民が一体となって地域の緑化と川の整備を進めているようだ。特にこの川の素晴らしいのは、護岸工事が極力行われていない、という事だろう。何を考えているか理解できない行政の巨大な力での、「河川改修工事」と言う名の破壊がどこにも無いのである。

 ブロックやコンクリートで土手や岸辺の斜面や川底を固めて再起不能な状態まで追い込んでしまっては、いくら自然の力が大きなものであると言っても再生はできなくなってしまう。(我が家周辺の鴨川や霧敷川は、段々とひどい状態になっている。)

 Web上での情報によれば、この川では夏の間、街の子供達が川遊びをするためのイベントが開かれるらしい。河岸を散歩する人も多いし、川の横でバーべキューパーティーをしている若者達もいる。

 まず、川に親しみ、自分達のものとして大事に思うことから始まるのかもしれない。川が生活の一部を占める場所と成れば、誰だって、そこを台無しにしようとは考えないだろう。
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紫陽花 咲き残っている紫陽花

 しばらく歩いたが、淵は見当たらず瀬ばかりが続いている。この状態なら、川に入っても大丈夫だろう。

 子供はトンボとバッタを捕まえるために持ってきた補虫網で、川を掬い始めた。魚がいるのか?と思っていたが、何人かの釣り人がいる。浅瀬のところで釣りをしていた人の傍まで行ってみることにした。

 釣り人自体が水中に入って、長い竿を流れに合わせている。利根(とね)川や渡良瀬(わたらせ)川で見かける「鮎釣り師」の正当的な姿だ。なんと魚籠には何匹かのアユが泳いでいる。見ている間に若鮎を何匹も釣っている人がいる。私は少し羨ましくなってきた。鮎の塩焼きは大好物で一番の旬の愉しみなのだが、今年はまだ天然物を食べていない。

 羨ましさが悔しさにならぬうちに、少し冷たい気持ちの良い流れで火照った足を冷やして、買ってきた蕎麦と缶チューハイで一息入れることにしよう。
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