以前書いたと思うが、この川は大きな鯉や亀、鴨や白サギ、そして「散歩する中高年 ― それは主に私」などなど、さまざまな生き物が生活の主要な場としている。
実は先日、散歩の折にこの川で「カワセミ」をみた。その鳥は鮮やかな青い体で、特徴ある鋭いくちばしがあり、からだの中心にオレンジ色の帯が縦に走っていた。
そのときは橋の上から「もうじき、桜が咲き始めるな」と、咲いている様子を思い浮かべてぼんやりと川を眺めていた。だから別段、何かを探そうとしている訳ではなかった。漫然と川面を視野に入れてたというところだろうか。何気なく橋下の川面を見やったときも、初めは存在にすら気づかなかった。
しばらく見ているうちに、川の木杭の上にいる青い鳥に気づき、それがどうやらカワセミだと認識された。
暫時気づかず、突如としていつもと違っている様子が鮮明に浮かび上がる、そう、今評判の<アハ体験>だ。確かにそれは私の老人力が付き始めた脳にとって、実にリアルな刺激だった。 |