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2008.07.21
川辺の花散歩 (与野 鴨川)

アクセス;
 与野;JR埼京線―北与野駅

カメラ;
 PENTAX K10D

レンズ;
 PENTAX DA50−200mm F4−5.6 ED
 PENTAX DFA100mm F2.8 マクロ


 (画像添付時に約30%程度に圧縮)


 季節は二十四節句でいう「大暑」だ。

 例年通り、与野の旧市街では、「与野 夜祭(2008.07.20 「夏の入り口 与野夜祭」)が土曜・日曜で開かれて大変な賑わいだった。昨夜の喧騒が嘘のような、一転して今日は静かな休日だ。

 3連休の最終日、日帰り温泉の「清河寺温泉」とセットで花の咲く鴨川の河原を散歩した。

道脇の花
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エノコログサ ムラサキツユクサ

 まずは、いつもの「水辺の里」公園へ行ってみることにした。花の咲く河岸を散歩しようと思う。

 稲田の明るい緑が日を受けて眩しく輝いている。田の畦は河原に向かう小道になっているが、厳密には「遊歩道」ではない。脇に稲田や花畑があり、そのため何時も散歩気分で歩いているが、本当のところはどうなのだろう。道路から続いてこの土の小道になるが、ひょっとすると公道ではなく私有地かも知れないがはっきりとしない。

 小道にはエンコログザ(ネコジャラシ)や小さくて可憐なムラサキツユクサ、アカツメクサなど、夏の野草が咲いていた。日差しは今日も強烈で、容赦なく照り付けているが、河原に近いし水田もあるので風がよく通る。日陰になっているという訳ではないが、この小道は案外に涼しい。

稲田 アカツメクサ
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鴨川を泳ぐ魚影

 草花の写真を撮りながら、稲田の横の小道を通って河原の土手に出た。このあたりの鴨川(かもがわ)の土手はコンクリートでの護岸をしていない。予算をつけて整備した自然観察路で、公園の外郭を担うものなので全体としての「景観」を意識しているためだろう。自然観察のための整備事業という名目が幸いして、河岸の芦原や藪などの環境がそのまま残されている。観察者自体はほとんどいない状態なのだが、この際それは問題ではない。

 土手の上から川を覗くと、水面に黒い魚影がゆっくりと動く。大きな鯉が沢山泳いでいる。

 対岸に双眼鏡を向けている散歩中と思われる人がいた。その人から「クロサギがいますよ」と声を掛けられた。彼が指差す対岸の茂みを注意してみると、確かに藪の中に鳶色の姿が見えた。丁度、横を向いていたので特徴のあるくちばしが見えてはっきりと鳥がいる事が判った。「五羽ほどがいる」と言われたが、残念ながら私には、横を向く一羽しか見つけられなかった。

クロサギ(営巣中だろうか) さて、クロサギはどこにいるでしょう?
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サクラの古木

 話をしてみると、その人は三橋(みはし)の総合運動公園に近い住宅地(2007.03.31 「霧敷川の桜(与野)」)の方からやって来たということだった。

 近所の川でカワセミを見つけて観察していたが、不意に巣立ってしまったという。それで、川筋を辿って、ここまで見つけに来たのだと言う。

 我が家の近くの「霧敷川」でも散歩の折にカワセミを見つけて(2008.01.20 「冬茶を味わう(さいたま新都心)」)、何度目かで写真に撮ることが出来た話などをした。そうしてみると、あの美しい鳥は、三橋総合公園横の調整池の営巣地(一帯の葦原が保護区域になっている)から、川筋をたどって方々へ進出しているようだ。

 なんだか、嬉しい話を聞いた。

 営巣地の保護やこの辺りの鴨川の環境のように、出来る限りの努力を払って「自然を残すこと」は、実は、跳ね返って私達の豊かな生活という部分にしっかりと戻ってくる。ここで言う「豊かさ」というのは、環境という直接的な物質面もあるし、精神的な潤い、という面もある。効率が悪い面があると、すぐに経済的な効果を目指す方向(未舗装路をアスファルトに変えたり、岸辺を護岸したり、川底にコンクリートを打ったり)で整備が進んでしまうが、直接、経済的な恩恵が無くても充分ではないか。

園芸種 鴨川の水面
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早咲きのコスモス 野鳥観察用のトーチカ

河岸の野鳥観察用のトーチカ

ウッドデッキから土手を登った高みにある。

建てられただけで、補修や整備がされていない。
そのためか、設備としては大分痛んでいる。

 遊歩道は河岸から一旦離れて桜が植えられた土手道を通り、そこからまた河岸にある葦原へと降りていく。すると、葦原の入り口に自然観察の案内板が用意された木道が現れる。案内板は若干色あせているが、環境の説明やここで見られる植物や鳥達の説明が書かれている。この木道も何度もの冠水などによって大分痛んで来ている。河原までの間は、鴨川からの水を引き込む形で沼や湿地が保存されているが、今は勢力を伸ばした葦原に覆われてしまっている。

 「関沼」といっても水面は見られない。多分、整備の一環として川岸の藪や木立を取り払ったためだと思う。一面の葦原になってしまっていて、湿原は失われてどんどん乾燥化が進んでいる。

 木道は途中でウッドデッキとなり、途中でベンチが用意されている。そのベンチ脇には、近所の人が植えた沢山の花が咲いているので、そこで花を眺めて休憩が出来る。斜面を巧みに活かした大きな花壇なのだが、デッキの脇がすぐに普通の人の敷地になっているようだ。環境観察用にこの場所を整備した趣旨とはまったく無関係なのだが、背を越える高さに伸びた葦原ばかりで、川面も草花も水鳥もまったく見えない状態なので、どう見ても花壇がデッキの主役のようになっているのは仕方があるまい。

 私がここに来る大きな目的の一つは、実を言えば葦原での観察ではなく、この花壇の花が楽しみなのだ。もう暫くすると、一面が私の好きなコスモスで溢れる。毎年、お世話になっているお気に入りの場所といえる。

ウッドデッキの花壇 ハナムグリだろうか?
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頂点を目指す 小さなアマガエル

 木道を登って、また土手に出て、野鳥観察のトーチカがある場所まで行く。そこで一休みして、暫く川面を眺めてから、また来た道を戻る事にした。

 途中の稲田では可愛らしいアマガエルが沢山いた。我が家の近所の田にも沢山のオタマジャクシがいる。やがてカエルとなって、稲を植えてすぐの頃まではひとしきり盛んに鳴くが、稲が30cmほどの高さになるとまったく鳴かなくなるし、姿も見えなくなる。同じ頃に畦を埋めていた草も見えなくなる。

 稲の成長に合わせて散布される農薬のためだ。

 この辺りの稲田は、勿論、我が家の横にある田のように住宅地のただ中にポツンと取り残されたものではない。減反の助成を受けるための作付けではなく、しっかりと「食べるための米」を生産している訳だが、農薬の散布や耕作への取り組みの姿勢や方法がまったく違うものなのだと思う。

稲田のカエルを観察する
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ハルジオンだろうか?
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アブラゼミ アブラゼミ

 夏の頃、この辺りを散歩すると夏草が旺盛に茂り、沢山の花や野草や小さな生き物たちに出会える。

 だから、毎年、夏に限らず同じような時期に何度も繰り返して(2007.09.24 「秋を感じて(コスモス)」)ここに来てしまう。 里山ではないのだが、それに似た要素があるここが、私は好きなのだ。

ヒマワリ ボタンクサギ
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ムラサキカタバミ トンボ

 さて、「水辺の里」を後にして、「清河寺(せいがんじ)温泉」に向かう。これも気に入っている、露天風呂が沢山あって竹林に囲まれる天然掛け流しの日帰り温泉施設だ。

 まだ日は高く、写真を撮るには少し余裕があるので、温泉を楽しむ前に上尾の「丸山公園」へ行くことにした。結局、今年は花菖蒲の時期(2007.06.16 「花菖蒲・あやめ・睡蓮・紫陽花(丸山公園)」)に公園を訪れなかった。珍しいことなのだが、なぜか行きそびれてしまったのだった。

 公園の隅には「ホタル」を保護する「湧水池」が整備されてる一角がある。水中に草が生えていて、砂の底をゆらゆらと揺るがす湧き水の様子が良く見えた池だったが、底には石が敷き詰められて、多くの草は取り払われ、周りは柵で仕切られた状態に変わっている。一見すると綺麗なのだが、神秘的な池の様子がなくなってしまったように思う。水底の砂を軽く巻き上げて湧き出る水の様子がわからなくなったからだ。

円山公園の湧水 睡蓮
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ミソソバ ?

 湧水池の奥にあるコナラの森や睡蓮の池の周りを回ってみた。

 時間のせいだろうか、睡蓮はあまり咲いていなかった。(「ひつじ草」の仲間は15時過ぎには蕾んでしまう)

 お茶を沸かして飲もうと思ったが、日差しが強いので止めにした。森の中なら涼しいのだが、水を沸騰させる状況を考えたら、台湾茶を淹れるのをちょっと敬遠したくなってしまった。その代わりと言っては変だが、池の水を汲んで行くことにした。その辺りも考えて「携帯用のろ過装置(浄水器)」を持ってきているので、それでろ過しながらボトルに水を入れればよい。

コナラの森
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湧水
池の周りは苔や草が生えた土の地面。
場所によっては30cmほどの丸い石がごろごろしていた。
砂状の水底からこんこんと水が湧き出す様子が見られた。

写真のように整備される前の話だ。
湧水

 丸山公園の湧水池の水は、帰宅後さらに煮沸して、お茶を淹れて飲むとしよう。

 睡蓮といえば、丁度今頃は「行田(ぎょうだ)の古代蓮」(2007.07.22 「さきたま古墳群と古代蓮(行田)」)が見ごろだろう。蓮は睡蓮とは様子がまるで違うが、大振りな蓮の花も美しい。帰りに清河寺にある蓮の田んぼに寄ってみようと思った。

 蓮の田についてみると、蓮の花がまったく無くて、少し拍子抜けした。花期はまだ、なのだろうか・・・。

 澄んだ水面を透かし見ると、湧き水を集めた田の中を、沢山の「メダカ」がすばやく泳いでいた。

清河寺の蓮池 清河寺の蓮池(ヒメダカ)
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