さて、「よみせ通り」だ。
この通りは「谷中銀座」よりもぐっと店の数は少ない。幾つかの店が営業を止めているし、道幅も多少あるので、「谷中銀座」より静かでゆったりとしている。
肉屋さんを見つけた。コロッケを買ってみる。「谷中コロッケ」は名物で、「肉のサトー」や「すずき」の2店が激しく競い合っている。
一方、この昭和5年創業の老舗店、「ヤマネ肉店」の地番は千駄木なので正確に言えば谷中コロッケではなく「千駄木コロッケ」なので、独立種となろうか。谷中を中心に考えれば、「谷中コロッケ:番外編」といったところだろうか。
季節によってジャガイモの産地を変えていて、国産の挽肉と生たまねぎ、味付けは塩と胡椒だけで無添加、という「こだわりの素材」で仕上げられている。「すずき」などは等級の高い牛肉をメンチに使い、そのため上質のラードで揚げているが、この店の油の使い方が、むしろ私には丁度良い。
美味しいコロッケだった。谷中の2店のものは大振りで確かに「旨い」のだが、メンチではなくコロッケとして考えると多少油がきつい気がする。この店のコロッケにはコクがあるが、あっさりしている。その辺りの加減が絶妙だと思う。
メンチが130円なので、両方で丁度百円玉が2枚で済む。よく考えられている。
食後だったのでやめて置いたが、今度は是非メンチも試してみよう。
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