ポタリング のインデックスページへもどる ポタリング の ページ      Top Pageへ移動Top Pageへ移動             このページを閉じる 閉じる

2011.09.25
さらなる 高みへ(今回も辛抱ができませんでした)

カメラ;
 PENTAX K10D

レンズ;
 PENTAX FA50m F1.4

 (画像添付時に約30%程度に圧縮)


 「人間、辛抱だ」は少年の頃に刷り込まれて、今も私の中で脈打っている貴重な言葉だ。

 「土俵の鬼」と呼ばれた横綱 若乃花(二子山 勝治さん 今の若貴の伯父さん)が部屋の若手への戒めとして口にしたものだそうで、正方形に近い画面一杯に大きな関取が並んで出てきたテレビコマーシャルでの言葉だ。回し姿でしっかりと立つ若乃花関が弟の貴乃花関(若貴のお父さん 藤島親方になる前だったか・・)を横にして力強い声質で諭していたのだった。その後もシリーズの別バリエーション版が製作されて、子供の頃の若貴兄弟が父親の貴乃花関に諭される場面などもあった。少年時代の一時期に盛んに流されていたものだ。

 なにかを決断する時など(ちょっとした迷いを伴った際などだが・・)、比較的軽めの決心を必要とする時などに、その言葉がふと浮かんでくる。そうした際は様々な葛藤が渦巻いていて私の気持ちは散々に乱れているのだろうが、心の奥の方で親方の太い声が響いてくるのだ。

20091107:秋の武蔵野を走る

荒川SC、県央ふれあいんぐロードを走る

走行距離; 65km

往路;
さいたま新都心>与野>浦和>西浦和
  「荒川サイクリングロード」にて
    西浦和>与野>大宮
  「県央ぐれあいんぐロード」にて
    大宮>上尾>桶川

復路;
  桶川>上尾>川越>大宮
  >さいたま新都心

(写真:ワンゲルメンバー撮影)
ページTopへ移動
 テレビ少年だった私の中では、実を言えば他にもいくつかの声とそのセリフがある。「腕白でもいい、たくましく育ってほしい」という言葉もよく浮かんでくるものだ。こちらは言葉だけに留まらず、厳つい雰囲気の父親と可愛らしい子供が水辺のたき火を前にして豪快にハムを切って炙る、という子供のころに憧れ、あんなハムだったらさぞや美味しいに違いないという深い羨望を含んで見つめた画面の、その鮮明な映像までが浮かんでくる。

 「逞しく育て」というメッセージ。

 ・・・力を尽くして失敗してもいいけれどその失敗を乗り越えて進める大きさを持て、というこの処世訓は、私の中では割合に大きい影響を残したといえよう。

 本来はその力を尽くすという苦しい部分において、「辛抱」や往時の若乃花が土俵際で見せた粘り強い踏ん張り(絶頂期には足裏が土俵に吸いつくと形容された程の粘り)が必要なのだと思う。

 だから当然そうした苦しい場面に直面した私の中では、それを励ますような、先の「人間、辛抱だ」の言葉が浮かんでこなくてはいけないのだろう。

20091128:荒川を極める

走行距離;55km;走行時間:4時間50分

往路;
「荒川サイクリングロード」
  西浦和>戸田>赤羽>西新井
  >千住>堀切>平井
復路;
  平井>新小岩>青砥>高砂
  >葛飾柴又>金町>水元>八潮

つくばエクスプレス「八潮」駅より輪行
(「南流山」にてJR武蔵野線、「西浦和」駅にて解散)

(写真:ワンゲルメンバー撮影)
ページTopへ移動
20091219:江戸の情緒を味わう

走行距離;62km;走行時間:4時間50分

往路;
「荒川サイクリングロード」にて
  西浦和>戸田>赤羽>西新井
  >千住>町屋

隅田川に沿って都心部へ
  町屋>三ノ輪>根岸・谷中
  >根津・池之端>大手町>飯田橋




(写真:ワンゲルメンバー撮影)

 さほど深刻ではないが、それでも様々に苦闘を繰り返してきたし、そうした状況に耐えてもいる、さらには、それらをやっとの思いで乗り越えてもいる、と思うのだ、私自信としては人並みほどに・・・。

 けれど、人生の中では必死や懸命ばかりでは気づまりで、やはり「和み」や「緩み」といった傾向の緩衝材が必要な要素なのではなかろうか、と心弱い私としては感じてしまうのだ。更に近年は緊張を維持できない「集中力の欠如」とでも呼ぶべき状態、それはまさに老人力の発露に相違ないのだが、そんな状態まで露出してきて、心なしか趣味に没頭する時間が徐々に増えつつあるようにも思える。

 焦る心から離れて、趣味に没頭する。それが平常心へ戻る手立てだと感じての事なのだが、そのためには様々な用具や道具が必要になってくる。

 いきおい、普段よりも購買活動が活性化するわけだ。改めて「決心を着ける」と身構えるほどの大した場面ではないのだが、そうした様々な局面でも同じ言葉がぽっかりと浮かんでくるのであった。


復路;
水道橋より白山通り、中仙道
  飯田橋>水道橋>巣鴨>板橋
  >戸田>浦和>さいたま新都心










(写真:ワンゲルメンバー撮影)
ページTopへ移動
 いや、この際なので言い訳をさせていただくが、あれやこれやのモノは皆、私にとっては買う必要があるモノたちだ。だから決して、欲するがままに無駄に買い込んでいる訳ではない。さらに言わせてもらえば、私なりに買う買わないを含めて精一杯の選択をしたうえで購入を決めている部分もある。所有欲の赴くまま、その飢餓状態を埋めるために手当たり次第に次から次へ買ってしまっている、というのとは訳が違うのだけれど・・・。

 モノを買いまくってないで、少しは我慢や辛抱をしたらどうなのか。

 先日の集会(クラス会 幹事の慰労会)の際に、古い友人たちに戒められた時の、彼らから掛けられた言葉だ。ずっと言い方は穏やかになっているが、要するにその中身は「鬼の人生訓」なのだった。

 鬼の言葉はずっと昇華されていて、例えば「買う」というような限定的な行為ではなく、人間としての「在り方」やその価値といったものがすべて掛っている。だからずっと<凄まじい表現の深み>がそこにはあるのだが、友人たちが言わんとした本意は、それと同質のものなのだろう。

 しかも彼らが私に必要だと言っているものは「辛抱」だけでなく、さらに「我慢」という熟語が追加されているのだった・・・。

20100206:多摩川から青梅へ

走行距離;59km;走行時間:3時間40分

往路;
JR武蔵野線 「府中本町」駅に集合
多摩川サイクリングロード」にて
  府中本町>立川>昭島>福生
  >青梅街道に沿って青梅へ

復路;
 青梅>福生>昭島>立川
 (武蔵野線にて輪行でさいたまへ)



(写真:ワンゲルメンバー撮影)
ページTopへ移動
FELT 2011 F75 FELT F75

2011モデル


随分と長い間に渡って、
納車を待ったが、
最終的には、購入を断念した。

 ところで、スポーツオーソリティから舞い込んだ恒例のDMが切っ掛けで、最初はパーツ交換で進んでいた話が紆余曲折して最終的にFELTのF85に大化けした、その話の経緯や背景は「2011.06.04 「やっぱり、我慢が出来ない」)」に書いた通りだ。

 そのロード車は驚くほどの軽さで、スッと走り出して、少し踏んだだけで即座に加速し始める。モッタリとしたところが少しも無く、鮮やかなレスポンスの良さが際立つ。ハンドルなどの反応(操舵感)も良くて、頭で描く軌跡のイメージと誤差や時間差が無い。さまに乗る人間の思いの通り、欲するままにキビキビと動いてくれるといってよかろう。こうした性質のロード車であれば、かなりの距離でも<楽(軽快)>に走れるに違いない。
ページTopへ移動
FELT 2011 F85 FELT F85

2011モデル

 少年の頃に感じた「これさえあれば、どこまでだって行けるぞ」という期待感がそこから湧いてくるではないか。

 それを手に入れた事で行動範囲は格段に広がるのだろうが、しかしまだ本格的な長距離は乗っていない。先日、友人と(さいたまから)荒川SCへ出て桶川の手前まで往復したのみなのだが・・・。

 これからの季節、秋日和の中、静かな河川敷を風を感じながら爽快な気分で走り抜けられるだろう、と思って期待を膨らませている。
ページTopへ移動
GT社製 GTR−4 ハンドル交換 GT社製 GTR−4 ハンドル交換

 さて、先日のお話になる。


 行きつけの北浦和(大戸)にある自転車屋さんへ行ったのだった。


 サイクルパンツ(レーシング・パンツ)のインナーを買おうと思ったのだ。インナーとはメッシュ地のパンツにフェルト製のパットが付いているものだ。レーパンそのものにはあらかじめ内側にパットが付いているが、さらにその中にインナーパンツを履くと、ゴワツキ感はあるが長距離・長時間での乗車が格段に楽になる。

GT社製 GTR−4 ハンドル交換 GT社製 GTR−4 ハンドル交換

 昔、モンベルやジャックウルフスキンの自転車用のショートパンツのラインナップには、アウトドア用の普通のデザイン(サファリパンツのようなダボっとした感じ)のものがあって、内側に簡単なパットが付いていた。しかしながら、今流行の(最近になって私が使い始めた)丈の短い比較的細身のパンツにはパットが付いたものが無いのだった。

 街を歩いても違和感が無いようにデザインされたそれらのパンツは、大筋で伸縮性がなく、大体が生地も薄めに出来ている。だから、そうしたパンツの時には別にパットの手当が必要になる。ペダルを踏み辛くないように立体裁断が施されて動き安く仕上がっているが、そもそもそれらは降車時の行動でのファッション性を重視しているものなのだった。長距離の走行を想定したウェアではない、と言えよう。
ページTopへ移動

 最近はレーパンだけでなくそうした仕様の八分丈や六分丈などの今風パンツも使うようになったが、それで長い時間を走ると「とんでもなくお尻が痛い」状態に襲われ、最終的には<立ち漕ぎ>の状態でしのぐ事になってしまう。

 秋冬用のパッド付きのインナーは持っているが、生憎と夏場から秋口に掛けてに使うような薄手の設えのインナーを持ち合わせていないのだった。そうした訳で、この際薄手のものを手に入れようとかねて馴染みの店に行ったのだった。

 店内を見渡してウェアが置かれた辺りを物色しつつ、ついでなので「例えばFELTのF75、新しい2012モデルの入荷は、いつぐらいになるのでしょう」という質問をしてみた。去年からの私のFELT注文 (この店ではなく別の店での出来事だが・・)での一連の騒動が念頭にあって、今年はどういう状況になっているのかちょっと興味があったのだった。

 その好奇心がふと質問の形で出てきたのだった。なぜ急にそんな事を聞いたのか、そのあたりの心の動きをよく覚えていないが、それは何気ない世間話としての只の質問だった。

 ご主人は「今年は遅れるという話は聞いていない」といい、そして笑顔で<混乱の裏話>を教えてくれた。
ページTopへ移動
 2011モデルの前フォークは異型ヘッドといって上部と下部で口径を変えたもの(安定性・剛性の追及のためか)が付くが、メーカの仕様どおりの形状で納品されて特に問題はなかったが、しかし強度の面で不安があったらしい、ということだ。

 米国が定めた安全基準内であっても、メーカはレース仕様車にも同一のフォークを使っていて、しかもそのフォーク仕様は今回の各ラインナップのフルモデルチェンジの目玉でもあったので、事故発生などで起きる様々なデメリットの方を考えたのだろう、というのだ。

 米国の基準に類する日本での「安全係数」となるような規制数値 ― 強度などに関する数値基準 ― というものが存在しているのかどうか、を聞き洩らしてしまったが、日本でその交換前のパーツが付いた状態の完成車を販売することに関しては、そもそも何ら問題が無い。そうした中で、全世界に対し一律に「デザインよりも性能を」という今回メーカがとった方針や対応内容は、いかにもドイツらしい素敵な企業理念だと思うのだ。

フレーム

 日本のメーカであればきっと次のように考えたのでは、と思える。

 販売を規制する「安全基準(強度などの基準が日本国内にあったとしてだが・・)」を満たしているのだから、いくつかの車体とのデザインの統一性を考えて納品されたフォークの状態のままで何の問題があろうか、と。そのままで流通させてもまったく大丈夫ではないか、と。しかも別の会社に製造依頼をしていては、販売の機会を著しく喪失してしまうではないか・・・、という志向が働いたに違いないのだ。

 しかし、FELT社はそうは考えず、デザインの統一感が損なわれても性能を満たす別のフォーク(新たに別の製造メーカへ発注して生産させたもの)を用意したのだった。

 そして、複数のシリーズの自転車(F4,F5,F75)の初期出荷分のフォークを交換し、今後の出荷分に関しては全て共通の新しく製造されたフォークを付ける選択をしたのだった。
ページTopへ移動
20100313:荒川から行田へ(古代史の町を走る)

走行距離;78km;走行時間:4時間40分

往路;
「荒川サイクリングロード」にて
 浦和・与野・大宮>上尾>桶川>北本
 >鴻巣>行田

復路;
  行田>北鴻巣
 (高崎線にて輪行でさいたまへ)



(写真:ワンゲルメンバー撮影)

 しかも、そうすることが私たち消費者にとっての利益に繋がる、という強いメッセージを載せて。

 そうした決定や行動が、最終的には企業の側へ確固とした評価として戻ってくる、と彼らは判断したのだろう。実に素晴らしい姿勢だと、改めて感じ入ってしまう。

 他者による要請や強制によってではなく、まさに今回のフロントフォーク交換は自主回収というものであった。「CPSC(アメリカ消費者製品安全委員会)の安全基準」を満たしているが、より厳しい「自社内の安全基準」に達していなかった為だ、と公報されている。

 いかにもドイツ人らしい質実剛健を旨とした実に硬質な考え方だと思うが、どうだろう。
ページTopへ移動
20101002:深川で江戸の街並みを愉しむ

走行距離;55km;走行時間;3時間1分

往路;
「荒川サイクリングロード」にて
  浦和>戸田>川口
  >足立(鹿浜・小菅・堀切)
  >江戸川(四つ木)
  >葛飾(新小岩・北葛西)>清新

復路;
  清新>南砂>木場>深川>森下
  森下より 輪行
(地下鉄 大江戸線:森下−新宿
 JR埼京線:新宿−さいたま新都心)

(写真:ワンゲルメンバー撮影)

  そんな話を店のご主人と交わしつつ、インナーの在庫を私は確認していた。

 ところが、棚にも用品を吊ってあるラックにも、置いてあるのはLサイズのみだった。改めて、気さくなご主人に聞いてみた。「在庫は別に置いていないので、そこにないとすればMサイズはうちにはない」ということだ。「取り寄せで一週間ってとこだけど、どうします?」という話になって、私はちょっと悩んだ。次の23日から始まる連休は前橋へ帰省し、その折に友人と軽く走る予定だった。私はそこで新しいインナーを利用したい、と思っていたのだ。
ページTopへ移動
 どうしようか・・・と思って、対応を考えるためにふと視線をあげた。(めったにはないが、ちょっとものを考える際に首をもたげて天井に視線を移すという癖がでるようだ。)


 その時、視界の端に黒いフレームが目に入った。しばらくして、それが印象に残っていたカーボンフレームだと俄かに気付いたのだった。「あれ」っと思った。

 とうに在庫切れとなっているはずのFELTの<F5(2011モデル)>がそこに吊られていた。悪い場所で、首をもたげる妙な癖が出てしまったようだ・・。

 驚いて尋ねると、「ああ、それは去年注文したのを忘れていて、8月末になってメーカーから納車されたものなのだ」という事だった。発注から納車までの待ち時間はおよそ10カ月。今、2012モデルが発表になったばかりなので、そこに吊られていたのは2011年のバリバリと音を立てるほど新鮮な現行モデルなのだが、すでに現時点で旧モデルとなってしまっている。

FELT F5 FELT F5

2011モデル

 ご主人によれば、客からの注文ではなく店の在庫として一台くらいは必要だろうという判断で確保した注文なのだ、という。店舗としては時にリスクを冒して在庫を確保する場合があり、人気モデルに対してはこうした読みをした上で先手を打つ、という事が必要なのだろう。しかし、何である。客からの注文であったとすれば10ヶ月待ちでの納車など、とても耐えられないだろうと思う。そしてその遅延に対してどれだけ販売店が注文者へ平に謝らねならないか。

 それを先の騒動で知っていたので店舗在庫のための注文で本当に良かったと思うが、あえて販社にキャンセルをしなかったのには訳があるらしい。それは、あまりにも長い期間音信がなく(客注でないから督促もしないため、納期回答などの連絡も特に無かったのだろう)、しかもご主人は注文を出した事を忘れていたらしく、8月末に車体が届けられて初めて思い出し、改めて驚いたらしい。
ページTopへ移動
マイペース

さいたま市 (浦和:大戸) の「マイペース」
マイペース

 なんとものんびりした話なのだが、それもそのはず。この愛すべき店の名前は「マイペース」というのだった。

 名は体を表す、という言葉があるが、まさにそういった事なのだ。

 店に大きな看板は無く、ヨーロッパの店舗のような小さな表札のような看板が壁に出ているだけというシックな店構え。だから、存在を知っている客しか店を訪れる事はないだろうと思う。そのため、逆に誰が行っても気さくに話が出来るので、こちらにとってはありがたいのだが・・。

 ロード乗りが来客の主体で固定客も多いが、私のようにハンドルバーやサイクルシューズや替えのクリ―トなどといった半端なものしか買わない客も大切に扱ってくれる。

 他では得難い律儀なご主人が、その思い通りに自由に経営している小粋な店なのだった。
ページTopへ移動
 その黒いフレームに付いていた手書きの値札は193,000円。

 定価(希望小売価格)から1万円値引きといったところで、人気車種の<F5>だ、という事を考えれば小売店としての標準的な対応だろう。

 FELTの<F5>は、最上位車種のF1(105万円!)を先頭にして始まるフルカーボン・レーシングモデルシリーズの最下モデルに位置するものになる。

 カーボンフレームにカーボンフォーク、シートポストもカーボン製という訳で、軽量と高剛性を両立させた状態でその精悍な車体を完全武装している。価格から考えると飛びぬけたコストパフォーマンスを持っている完成車なのだ、といえよう。しかも付いていないパーツはペダルだけ、というものだ。

フレーム(トップチューブ) FELT F5(2012)
ページTopへ移動
 F5グレードのメインコンポとして設定されているのはSHIMANOの105シリーズのパーツ類。ただし、BB(ボトムブランケット)は新規格(次世代規格と呼ばれている)の「BB30」の大径の仕様のものが手当されている。これに合わせてクランクセットはFSA製になっているが、このパーツ設定はSHIMANO社がBB30規格を採用していないためだ。

 FSA(Full Spead Ahead ;全速前進)のクランクセットなので安いパーツなのだろうと考えがちだが、こちらは「ゴッサマー・プロ」というクラスの製品で、SHIMANOの105より軽量で高額(クランクセットで2.6万円、シマノ105は1.4万円)なパーツである。 素材も6061アルミと7075アルミ製で、クランクは105と同様に冷間鍛造によるものだ。強い粘りと高い剛性を備えている。


 他のパーツはすべてブラック仕様のSHIMANO105で構成されている。さらにそれらは新モデルとして今期変更された105シリーズなので、シフターなどはモデルチェンジされたニュータイプのものが付いている。このため、ハンドルバー回りはアウターケーブルが出ていない美しさを持っている。

 ハンドルとステムとシートはFELTのオリジナル製パーツで、これらはF85に付いているのと同じ(とすれば、F85にはかなりの上位グレード用のパーツが奢られているという嬉しい事になる)ものだ。こういう部分でコストを抑えて、フレーム代と主要パーツ代を確保しているのだろう。実にうまい戦略だと思う。

 モデル間で同一のパーツを設定して大量発注すれば、コストを下げられる。しかもある程度の性能やデザイン上の高級感を確保でき、低位のシリーズ用でもそれを利用することが出来るメリットが生まれる。

フォークの基部

このヘッド部の異形チューブが問題の発端か・・・
(上下で口径が異なる形状)

交換後のフォーク
(オリジナル仕様と異なって紅いラインが無い)
フォーク

 フロントフォークの形状は、交換後のものなので当初のデザインとは違うが、F5ではそれほどの違和感が無い。F75ではカラーリング(およびグラフィック)が台無しで、グロスネイビーのフレームと同色に塗装された細めのブレードで、ラインなども全体的に統一されていたが、それが、このフォークと同じものが付けられた。ラインの構成も違うし、表面は塗装無し(クリア塗装がされている)のカーボンメッシュの状態だし、何よりF75にとってはブレード幅が広い感じが否めない。

 その違和感たるやなんとも言いようが無いものだったが、F5はもともとフレーム全体がカーボンメッシュが浮いたサテンブラックの仕上げで、フォークの形状も交換後のものとほとんど変わらない。

 ほぼ、ラインに赤が入っていないことが違うだけという状態なのだ。これであれば、まったく問題が無い。

 仕様をカタログを借りて確認したが、2012の新モデルとの変更点はカラーリングだけ。ジオメトリーもパーツも変わらず。要はFELTのロゴとラインの太さだけが変化しているのみで、2011モデルと2012モデルは全く同じ内容なのだ。

 「・・線を変えただけですね、両方の違いは」とご主人も言う。
ページTopへ移動
<さらに新たな決意>

 「いいでしょ、それ」と悪魔が囁く。・・・胸の中で親方の声がドカッと響く。「人間、辛抱だ!」

 さあて、どうする。

 という気持ちに今度はご主人がとどめを刺す、いや、後押ししてくる。「それ、在庫になっちゃうから、値引きするよ・・」と。

 手の届きそうな憧れのフルカーボン車を目の当たりにして、私は目が眩みそうになった。

BB周り FELT F5(2011)の
BB周り

新規格 BB30仕様
ページTopへ移動
<フレーム、フォーク>

 フレームの素材は「UHC Performanceカーボン」製。トップ、ダウン、シートなどの各カーボンチューブを専用設計(部位によってその基本の厚みを変化させて剛性を出す等)し、次にそれを接合してフレームを成型するといった製法がとられ、各部分に求められる役割が果たされてフレームとしての全体的な機能が最適化されるという。

 外見上は一体成形と区別できない状態で、それぞれのチューブの接合部は判らない状態だ。それはもう見とれるほどで、大変美しい仕上げになっている。

 しかもチューブの内部を強度に問題が無い状態まで削って、大胆な軽量化を行なっている。そうした仕上げの結果、前モデル(2010モデル)のフレームよりも100gの軽量化(なんとフレームが907g、フォークが370g)となっている。

 ジオメトリは、この2011モデルから変更になって、F85などと同様に大分乗りやすいものになった。フレーム形状は、剛性を求めてダウンチューブは太く扁平でスクエアに近い断面形状になっている。さらに、トップチューブはホリゾンタルではなくスロープの仕様に変わっている。

フレーム(トップチューブ) FELT F5(2011)の
トップチューブ
ページTopへ移動
 素材の「UHCパフォーマンス」の性能はというと、T700カーボンをベースにブレンドされたフレームだそうだ。引っ張り強度はチタン素材の約8倍、剛性は6061アルミの3.34倍の性能緒元を持っている、という。愛車、GTR−4のフレーム素材は6061アルミなので、その3.3倍の高剛性となる強度をこのフレームは持っているというのか・・・。

 店に置かれたF5のフレームのサイズは510mmだ。なんとも偶然なのだが、私が選ぶべきサイズで、まさにジャストフィット、なのだった。

 フロントフォークはストレート形状で「UHCアドバンストカーボン モノコック」。「UHC アドバンス」は高弾性ファイバーを樹脂成形することでフレーム素材の「UHCパフォーマンス」より20%の軽量化に成功。さらに高い性能を発揮するというもだ。

 ブレード全面はカーボンメッシュの状態で、フレームと同様にクリア塗装のみが施されている。

フォーク フレーム(チェーンステー)
ページTopへ移動
<シート、シート・ポスト>

 シートは、FELTのオリジナル製。硬めで乗りやすいものが付いていて、デザインも良い。

 フレームとのカラーリングの統一感はもちろんなのだが、良く見るとF85と同様にシート表面にFELTのロゴ(文字)が浮き出している。普通に見るとただの白いシートなのだが、こういう辺りが所有心をくすぐる。

 シートはウレタンだが、そのベースはカーボン製で、シートを支える2本のパイプは、クロモリ(クローム・モリブデン鋼)製だ。硬い反発を粘りのあるバネで下支えする仕様になっている。

 フレームのカーボン素材に合わせたのだと思うが、ポストは同じくUMCパフォーマンス・カーボン製だ。

シート シートポスト
ページTopへ移動
<ハンドル>

 FELTのオリジナルのバーが付く。アルゴノミック・ハンドルだが、それ程リーチが大きいわけではない。コンパクトな形状で使いやすい。素材はやはりアルミの6061。センター部分にステムと統一されたデザインが施されている。これがまた、スピード感があり安物っぽくなくて良い感じだ。このトータルデザインは何度見ても秀逸だ。(CCで400mmである)

 実は先日、池袋のY’sのディスカウントワゴンにこのハンドルが置かれていた。同一デザインでCC380mmがあったので、迷わず確保した。このため、グラフィックの統一性を損なわずにハンドルは幅の狭い状態へ変更が可能だ。

ステム
ページTopへ移動
<ステム>

 ステムと同様にオリジナルが付いている。F75やF85と同じく、他のパーツやフレームとデザインやカラーリング(グラフィック)が統一されていて素晴しい。

 このフレームサイズ(510mm)でのステム長は90mm。アルゴノミック・ハンドルが付いているので、私には80mmでも良いかもしれない。

 軽量で、表面は梨地仕上げになっている。素材はマグネシウムのようだが、調べてみるとアルミ製(6061アルミ)だった。天地は当初よりダウン状態。だからF85のようにアップライトになっていたのをユーザ側で切り替える必要はない。

ステム
ページTopへ移動
<ブレーキ・キャリパー>

 シューにメタルハウジングが付いたダブルピボットのキャリパーブレーキで、SHIMANO105のブラックが付いている。

 このブラックは、実はキャリパーフレームの部分の黒が漆黒ではなく、すこし青みがかっている。なんとも格好が良い。以前の105ブラックはフレーム外側も含めて、すべて同じ焼き付けの「黒色」で塗装されていたように思う。

 たしか、SHIMANOのカタログでは単なる黒ではなく「ロードスター・ブラック」と出ていた。

キャリパーブレーキ
私は105の渋い銀(スターリングシルバー)が大好きだ。
なんとも言えず精悍で、都会的なセンスのいい色だと思う。

でも、今度の黒なら、このままで良い。
ページTopへ移動
<タイヤ>

 リムはMAVICのもの。グレードは「CXP−22X」で末尾がF85のNとは違う。若干は軽いのだろうか。

 手組みのリムで、オリジナルのハブにスポーク(Swiss ステンレス)、それにブラスニップル(メタルレッド塗装)で仕上げられている。前後で、スポーク数が異なるが、本数は多く、昔風のデザインだ。前輪はラジアル組みで仕上げられている。(後輪はリジット組み)

 タイヤはVittoria製で、グレードは Zaffiro PRO。サイズは700X23Cの標準的なもの。

 GTR−4もF85も、グレードは Zaffiro だったが、いずれにしても低廉なタイヤである。ただし、こちらはPROに変わっている。タイヤのトップ部分はF85のUと同じく白色の帯になっている。

 ホイール交換は資金的に難しいが、タイヤであれば何とかなろう。軽量のモノに変えるだけでかなり印象が変わりそうだ。店にはかなり軽量でちょうどお手頃価格のタイヤが置かれてした。次回のお楽しみだ。

タイヤ
ページTopへ移動
<ギヤ、ディレイラー>

 前2段、後ろ10段の20速仕様。フロントディレイラーとリアディレイラーはSHIMANO105を利用している。

 クランク、BB、フロントギヤはコンポ化されているためSHIMANOではなくFSA社製(BB30規格対応のため)。

 グレードはGossamer PROコンパクトといい、ギヤ 50T/34T クランク長170mmのショートクランクが付いている。これもF5 の(前モデル:2010)からの変更点だ。

 リアのスプロケットはSHIMANO105で、歯数 11T-25Tという仕様だ。

リアスプロケット(ギヤ)
ページTopへ移動
<シフター>

 SHIMANOの105を使っている。モデルチェンジがされて、変速ケーブルのアウターがシフトレバーのグリップに内臓され、さらにハンドルのバーテープ内に隠れる状態に変わっている。

 写真をご覧になれば判ると思うが、この仕様が素晴らしく、実にハンドル周りがすっきりとする。

 F85で採用されていた新興パーツメーカのマイクロシフト社製シフタ―は何の問題も無く、ネット上での評判よりずっと優れたものだったが、やはりこうした面まで含んで改めて人気の105のシフターと比較してしまうと、さすがに分が悪いようだ。

 しかも、このニューモデルではブランケット部分のデザインが良く練られている。

 ハンドルとほぼ水平面となって、走行中、実に手が置きやすく、シフト操作がしやすく疲れにくい形状だと思う。

シフター
ページTopへ移動