<DIY−AUDIO製 SA/F80AMG ユニットについて>
マグネット:
防磁型のユニットは、ボイス・コイルをドライブするためのマグネットと、その磁界を打ち消すための、コーンの駆動には無関係なキャンセル・マグネットがセットになって一つのケース内に積層された状態で封入されている。このユニットも防磁仕様に仕上げられている。
TB社のユニットは口径に対して強力なマグネットが使われているのが特徴で、音の力強い張り出しという特性があるが、このユニットもそういった傾向を受け継いでいる。大きなマグネット・ケースが特徴的だ。
ただし、低音の響きは「W3−593SG」とはかなり違うらしい。マグネットの大きさは同じだし、材質もフェライト・マグネットで同じなので、駆動部分の仕様は共通だ。さらには、アルミ・ダイキャスト製の頑丈で肉厚なフレームも共通だ。そういう訳で、特に、このユニットの低音が力強く表現されるのだとしたら、それはコーンの材質の違いによるという事になるだろう。
コーン:
TB社の「W3−593SG」はアルミ製のフェイズ・プラグ(中央部にある高音用のロケット状のとんがり部分)に、コーン部分はペーパーをベースにしたコーティングによる仕上げであり、一方で「SA/F80AMG」のコーン素材はマグネシウムだ。
一般的な傾向としては、紙は明るく元気がいい音がするが、マグネシウムは伸びや張りがあり、緻密な音がでる。ユニットの特徴として「厚みのある低音だけでなく、クリアな中高音を再生し、コクと深みのある明瞭なサウンドが楽しめる」と某社のWebページでは紹介されている。
特性としては、「SA/F80AMG」の方が低音・高音共に伸びていて、優秀な仕様となっている。周波数特性は90Hzから22KHzで、TB社の「W3−593SG」の110Hzから20KHzという数値特性よりも格段にワイド・レンジ化されている。
能率は「W3−593SG」が86dBだが、こちらは84dBであり、数値としては若干落ちるが、ほぼ、同じといったところだ。
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