<ダブルバスレフ・エンクロージャーの板取り>
見た目の落ち着きを出すために、良くあるような「MDF合板」(木の粉を高圧縮して板状にしたもの)や、「シナベニアの合板」ではなく、木目の美しい木地を選んだ。丁度、ニュージーランドの松の集成材をホームセンターで見つけることが出来たのだ。名称は「ニュージーランド・パイン」、ひねりも何もなくそのものずばりの商品名だ。一枚ずつビニールでパッキングされていて表面処理がされている。木目が美しく、集成材なので板の「そり」が出る心配が無い。
松材は柔らかいので自作家具の素材に良く使われる。「音響的にはどうか」という部分も残るが、ある程度の柔らかさがあるので加工が楽だ。「響き」に関しては多少箱鳴りしそうだが、何とか調整できそうだ。
板を下見して、販売されている規格サイズを基準にして、効率の良い板取りを考えた。14mm厚の板材として910mmや1800mmの長板の状態で規格されているが、今回は「910mm」の板を使うことにする。
長辺を両分し450+αmmとすれば、丁度手ごろな大きさとなる。幅は200mm、250mm、300mmなどのバリエーションがあるが、前面の板幅は250mmを両分して120+αmmとした。実際には、鋸での切り代分の厚みが減るので、細かい数字の端数が出る。だから、最終的な組立では、現物合わせでの「削り整形」による調整が必要だ。
・幅200mmの板2枚の長辺側を半分に切断して側板とする。
・幅250mmの板2枚の短辺側を半分に切断して、バッフル、天板、底板、裏板をとる。
・さらにそこから、空気室を作成するためのスリット、一次スリット、二次スリットの板を取る。
この板採りが、工作精度を保つ上では一番いいようだ。よくある自作例の900x1800(通称サブロク)板ではなく、長い板としたのは、板の採り易さ(切り出し易さ)という観点と、美しい木目を有効に生かすためだ。
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